ずっとずっと 52
「亜矢さん、棗さんお久しぶりです。」
「しぃちゃん、ルゥ君 会いたかったわ~」
「あたし達も楽しみにしてました」
「つくし、先ずは座って頂こうよ。」
「えへっ そうでした~ 」
ルゥ君はしぃちゃんに寄り添い、しぃちゃんもルゥ君に寄り添い二人で私達を出迎えてくれた。
少し痩せてしまったのが痛々しいけれど、憂いを帯びたしぃちゃんは、前にみた時よりも随分と大人っぽく綺麗になっていた。
「棗さん 亜矢さん‥‥ ううん お爺様、お婆様‥…今まで本当にありがとうございます。」
両親の事故の日から、私達夫婦を名前で呼ぶようになったルゥ君。
決して、お爺様 お婆様とは、呼んでくれなくなったルゥ君が、私達の事をお爺様、お婆様ともう一度呼んでくれている。私達夫婦は、あぁ、やっとこの子は両親の死を乗り越えたんだと感じて嬉しくて嬉しく、ただただ嬉しくて泣いてしまった。
「ありがとう。ルゥ君‥… ううん、ありがとう。薫 ありがとう。しぃちゃん」
「お婆様、どうか泣かないで下さい。お爺様、僕の話しを聞いて頂けますか?」
薫が微笑みながら、私達に話しかける。
「お爺様、宝珠をLUCYを僕に継がせては頂けないでしょうか?」
「薫‥… いいのかい?」
「はい。出来れば、ジュエルと統合していきたいと考えております。これに関しては筒井のお爺様にお話をしなければいけませんが‥…先ずは、お爺様にきちんとLUCYを継ぎたいとお話してからと思いまして。」
「栄は、勿論喜ぶだろうよ。僕等の長年の夢が叶うのだからね。」
伊織と由那ちゃん2人が結婚し、薫が生まれた時に、宝珠と筒井をゆくゆくは経営統合して LucyJewell と、社名を変更したいと、宝珠はLUCY 筒井は ジュエル と名を変えた。
輝く宝…… 私達の大事な大事な息子夫婦の愛すべき存在「薫」のために想いを込めた社名。
いつかは、この子が私達の会社を継いで欲しいと願い込め、つけた名前。
薫の両親が亡くなり、薫まで失いそうになった時、私達は薫には好きな人生を歩んで貰おうと決めた。
薫は私達のために生きる道を選んでくれたのだから、その他の事は全て自由にしてあげようと……亜矢と話し合い、栄達にもそう告げていたのだ。
生に執着しない薫をこの世の中に繋ぎ止める手段だったから……私達は彼を自由にしようと決めた。
伊織と由那ちゃんの血を引き継いだ薫は小さな頃から利発で、何よりも魅力的な力を持つ子だった。決して威圧的でないのにも関わらず、全ての人間が薫にひれ伏してしまうような魅力を持つ子だった。
薫に期待しながらも諦めてきた。この子をもう一度失わない為に‥…
それが……目の前にいる少女のお陰で、決意をしてくれたのだ。宝珠を筒井を一つにし、更なる飛躍を目指すと。
改めて誓おう。宝珠はLUCYは、この少女を薫の伴侶として迎え入れようと。
LUCYの、宝珠の、宝珠棗の名に懸けて……この少女を手に入れよう。
「ねぇ、しぃちゃん。栄さんと雪乃ちゃんが、2人で作ったお鍋をご馳走になったと自慢していたのだけど?私達にはないのかしら〜」
微笑みながら亜矢さんが聞いてくる。
「つぅ爺から自慢したぞ〜と電話があったので、薫と二人で用意しましたよ〜」
「亜矢さん、薫がイワシのつみれ作ったんですよぉ♪」
「まぁー 薫が?」
あまりの嬉しさにまた涙ぐみそうになってしまった。私達はあの子を取り戻したのだ。
由那ちゃんにどこか似たしぃちゃんのお陰で‥…私達はもう一度、この手に掴んだのだ幸せを‥…
「しぃちゃん‥…」
「亜矢さん? アレっ,青魚ダメでした?あれぇー 薫が鰯のつみれにしたいって‥ えぇーどうしよう」
「ううん。違うの違うの。大丈夫なのよ。」
「伊織と由那ちゃんが鰯のつみれが大好きでね、2人でお鍋を作ってくれた事があるの。」
「そうだったんですか‥‥」
「私も棗さんも、その時からイワシが大好きよ。」
「あぁー良かった。」
「つくしーー 筒井のお爺様達も来るって〜」
「はーい。」
棗さんと目が合い、微笑み合う。
「亜矢、今年は伊織と由那ちゃんに嬉しい手紙が書けそうだね。」
「えぇ」
桜色の便箋に毎年綴る私の想い。
伊織、由那ちゃん 今年は幸せな報告が出来そうよ。
***
「しぃちゃん 薫 お邪魔するぞ」
「突然押し掛けてしまって、ゴメンなさいね」
「いっらしゃいませ。つぅ爺、雪乃さん。」
「お待ちしてましたよ。お爺様、お婆様。宝珠のお爺様とお婆様もお待ちかねですよ。」
薫の呼び方が、亜矢さん、棗さんから変わった事に、すぐさま雪乃は気づき、そっと涙を拭った。
この夜、LUCYとジュエルを統合し、LucyJewell として 継いでいきたいと薫が話した時には、栄も雪乃も神に感謝した。
愛するものの幸せを、自分たちの幸せを手に入れるために彼等は改めて心を一つにする。
全ての駒が、一斉に動き出す。
つくしを手に入れる為に動き出す‥…
もう誰にも止められない‥…
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村
♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
「しぃちゃん、ルゥ君 会いたかったわ~」
「あたし達も楽しみにしてました」
「つくし、先ずは座って頂こうよ。」
「えへっ そうでした~ 」
ルゥ君はしぃちゃんに寄り添い、しぃちゃんもルゥ君に寄り添い二人で私達を出迎えてくれた。
少し痩せてしまったのが痛々しいけれど、憂いを帯びたしぃちゃんは、前にみた時よりも随分と大人っぽく綺麗になっていた。
「棗さん 亜矢さん‥‥ ううん お爺様、お婆様‥…今まで本当にありがとうございます。」
両親の事故の日から、私達夫婦を名前で呼ぶようになったルゥ君。
決して、お爺様 お婆様とは、呼んでくれなくなったルゥ君が、私達の事をお爺様、お婆様ともう一度呼んでくれている。私達夫婦は、あぁ、やっとこの子は両親の死を乗り越えたんだと感じて嬉しくて嬉しく、ただただ嬉しくて泣いてしまった。
「ありがとう。ルゥ君‥… ううん、ありがとう。薫 ありがとう。しぃちゃん」
「お婆様、どうか泣かないで下さい。お爺様、僕の話しを聞いて頂けますか?」
薫が微笑みながら、私達に話しかける。
「お爺様、宝珠をLUCYを僕に継がせては頂けないでしょうか?」
「薫‥… いいのかい?」
「はい。出来れば、ジュエルと統合していきたいと考えております。これに関しては筒井のお爺様にお話をしなければいけませんが‥…先ずは、お爺様にきちんとLUCYを継ぎたいとお話してからと思いまして。」
「栄は、勿論喜ぶだろうよ。僕等の長年の夢が叶うのだからね。」
伊織と由那ちゃん2人が結婚し、薫が生まれた時に、宝珠と筒井をゆくゆくは経営統合して LucyJewell と、社名を変更したいと、宝珠はLUCY 筒井は ジュエル と名を変えた。
輝く宝…… 私達の大事な大事な息子夫婦の愛すべき存在「薫」のために想いを込めた社名。
いつかは、この子が私達の会社を継いで欲しいと願い込め、つけた名前。
薫の両親が亡くなり、薫まで失いそうになった時、私達は薫には好きな人生を歩んで貰おうと決めた。
薫は私達のために生きる道を選んでくれたのだから、その他の事は全て自由にしてあげようと……亜矢と話し合い、栄達にもそう告げていたのだ。
生に執着しない薫をこの世の中に繋ぎ止める手段だったから……私達は彼を自由にしようと決めた。
伊織と由那ちゃんの血を引き継いだ薫は小さな頃から利発で、何よりも魅力的な力を持つ子だった。決して威圧的でないのにも関わらず、全ての人間が薫にひれ伏してしまうような魅力を持つ子だった。
薫に期待しながらも諦めてきた。この子をもう一度失わない為に‥…
それが……目の前にいる少女のお陰で、決意をしてくれたのだ。宝珠を筒井を一つにし、更なる飛躍を目指すと。
改めて誓おう。宝珠はLUCYは、この少女を薫の伴侶として迎え入れようと。
LUCYの、宝珠の、宝珠棗の名に懸けて……この少女を手に入れよう。
「ねぇ、しぃちゃん。栄さんと雪乃ちゃんが、2人で作ったお鍋をご馳走になったと自慢していたのだけど?私達にはないのかしら〜」
微笑みながら亜矢さんが聞いてくる。
「つぅ爺から自慢したぞ〜と電話があったので、薫と二人で用意しましたよ〜」
「亜矢さん、薫がイワシのつみれ作ったんですよぉ♪」
「まぁー 薫が?」
あまりの嬉しさにまた涙ぐみそうになってしまった。私達はあの子を取り戻したのだ。
由那ちゃんにどこか似たしぃちゃんのお陰で‥…私達はもう一度、この手に掴んだのだ幸せを‥…
「しぃちゃん‥…」
「亜矢さん? アレっ,青魚ダメでした?あれぇー 薫が鰯のつみれにしたいって‥ えぇーどうしよう」
「ううん。違うの違うの。大丈夫なのよ。」
「伊織と由那ちゃんが鰯のつみれが大好きでね、2人でお鍋を作ってくれた事があるの。」
「そうだったんですか‥‥」
「私も棗さんも、その時からイワシが大好きよ。」
「あぁー良かった。」
「つくしーー 筒井のお爺様達も来るって〜」
「はーい。」
棗さんと目が合い、微笑み合う。
「亜矢、今年は伊織と由那ちゃんに嬉しい手紙が書けそうだね。」
「えぇ」
桜色の便箋に毎年綴る私の想い。
伊織、由那ちゃん 今年は幸せな報告が出来そうよ。
***
「しぃちゃん 薫 お邪魔するぞ」
「突然押し掛けてしまって、ゴメンなさいね」
「いっらしゃいませ。つぅ爺、雪乃さん。」
「お待ちしてましたよ。お爺様、お婆様。宝珠のお爺様とお婆様もお待ちかねですよ。」
薫の呼び方が、亜矢さん、棗さんから変わった事に、すぐさま雪乃は気づき、そっと涙を拭った。
この夜、LUCYとジュエルを統合し、LucyJewell として 継いでいきたいと薫が話した時には、栄も雪乃も神に感謝した。
愛するものの幸せを、自分たちの幸せを手に入れるために彼等は改めて心を一つにする。
全ての駒が、一斉に動き出す。
つくしを手に入れる為に動き出す‥…
もう誰にも止められない‥…
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村
♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
スポンサーサイト