ずっとずっと 54
「うん。着いたら必ず連絡するからね。」
「うん。」
お爺様と柏木と共に、東京に行く。
「薫、先ずは東雲の息子とその婚約者に会いに行くぞ。」
「はい。」
***
東雲の東京支社で、東雲会長と夫人、息子、婚約者の4人が出迎えてくれる。
「これは、これはご足労頂きまして‥…」
「イヤイヤ、今回は色々と用がありましてな‥…」
「こちらが、噂の千尋君の婚約者の方かな?」
「はい。三条桜子さんと言います。」
「三条桜子と申します。どうぞ宜しくお願い致します。」
美しく桜子が微笑む。
「儂は ジュエルグループの筒井栄じゃ。東雲とは昔から親しくしとおる、これからも宜しゅうな」
「筒井の孫の 宝珠 薫と申します。祖父同様宜しくお願い致します。」
「それにしても、美しい女性じゃ。千尋君は良い人をみつけたもんじゃ。」
「ありがとうございます。父から薫さんももうすぐ婚約だとお聞きしましたが?」
「あははっ、まだ正式には決まっとらんが、その時には宜しゅう頼むよ。」
「はい。勿論です。」
「桜子さんも、宜しゅう頼むよ。」
「はい。こちらこそどうぞ宜しくお願い致します。」
「千尋さんも、KAGURAの婚約パーティに出席なさるとお聞きしましたが、桜子さんもお出でになられるのですか?」
「はい。彼女も連れていくつもりでおります。薫さんも彼女とご出席ですか?」
「えぇ。是非仲良くしてやって下さいね」
「そうだ‥… 夜、友人カップルが我が家に参りますので、桜子さんとご一緒にいかがですか?」
「喜んでお伺いさせて頂きます。」
「良かった。桜子さんも是非お待ちしてますね。」
「はい。千尋さんとお伺いさせて頂きます。」
千尋さんと桜子さんに、別れの挨拶を済ませた後は‥…
東雲会長夫妻、京会長夫妻と共に、西門流の家元夫妻、次期家元候補のご子息に会いに行く。
「これはこれは‥…東雲会長、京会長」
「今日は突然お邪魔させて頂く事になって申し訳ないの。」
「儂等の友人が久しぶりに、東京に出てきたので西門のご子息のお茶を飲ませて頂こうかと思うてなぁ」
「いえいえ、大変有り難い事でございます。」
「こちらは、ジュエルグループの筒井会長とお孫さんの宝珠薫君だ。」
「ジュエルグループのでいらっしゃいますか?」
「そうじゃ。筒井は中々表舞台に顔は出さんのだが、西門のご子息の事を話したら是非に茶を飲んでみたいと言ってな‥…無理をいって申し訳ないが、宜しゅう頼むよ。」
「ほんに突然で申し訳ない。ジュエルグループの筒井栄じゃ。今日はよろしゅうな。」
「筒井の孫の宝珠薫と申します。今日はご無理を言いまして申し訳ございません。」
「西門総二郎と申します。本日はお越し頂き大変ありがとうございます。」
西門の本邸で、若宗匠の点ててくれるお茶を頂く。
男の目からみても、惚れ惚れとする美しさだ。
「今日は、ホンに無理を言ってしまって申し訳なかった。総二郎君、旨い茶を点ててくれて有り難う。お礼に後援会に是非とも入らせて頂くよ。」
「お爺様、それでしたら宝珠の方でも、後援会の方に入らせて頂こうかと思います‥」
トントン拍子に決まっていく、大口の支援者に、西門の3人は唖然としながら
「筒井様、宝珠様 本日は誠にありがとうございます。」
「いやいや、礼には及ばん。総二郎君のお茶はほんに旨いのぉ」
「筒井様、宝珠様 有り難うございます。」
「改めて、京都支部長共々ご挨拶に伺わせて頂きます。」
「ふむっ、それならば今度、筒井の邸で茶を点てては頂けんかの?勿論、後援会に入る者達を紹介させて頂くよ。」
「はい。喜んでお伺いさせて頂きます。」
「そう言えば、KAGURAの婚約パーティに若宗匠もお出でになられるとお聞きしましたが?」
「あっ、はい。お相手のお嬢様の叔母さまが西門で茶道をしておりまして‥…そのご縁で伺う事になっております。」
「そうなんですね。私も彼女と出席する予定でおりますので、またお会い出来るのを楽しみにしていますね。」
薫は妖艶な笑みで微笑む‥… その笑みは総二郎とて、見惚れる程の美しさをもっていた。
***
「儂は明日もこちらで済まさにゃいけん用があるが、薫はどうする?」
「僕は、つくしが待ってますので、お先に失礼させて頂きます。」
「そうか。しぃちゃんに宜しゅうな。」
「はい。では失礼致します。」
時計を見るとセミナー中の時間だったので,つくしに帰りの時間をメールして東京を後にした。
つくしのいる京都に着く。
あたたかな光を感じた気がして顔をあげると、つくしが立っていた。
「薫~ お帰りなさい」
微笑みながら近づいてくる。僕の聖女
「ただいま‥… つくし一人で来たの?」
「うん。課題が早く終わった人から順に帰っていいって言われたから、ガンバちゃった。えへっ」
「そうだったんだ。ありがとう。すごく嬉しいよ」
「‥…でも、こんなに遅く一人じゃ危ないよ。」
「ちゃんと駅までは筒井の車で送ってもらったから大丈夫だよ。それに遅いって、まだ10時だよ。」
「‥…あのさ、僕が居ない時は、SP付けてもいいかな?」
「えっ” 薫、心配し過ぎだよ‥…」
「TSUTSUIに出てる者達でSP付いてないのいないよ。僕たちくらいだよ?」
「そ、そうなの?」
「うん。悠斗もカオちゃんも付いてるよ。気が付かなかった?」
「僕はまだ顔が知れてないし、つくしもまだ知れてないから今までいいかな? と思ってきたけど‥…これからはそうもいかなくなるだろうし‥…僕が居ない時だけでもSP付けてもいいかな?」
「‥…付けないと一人で行動しちゃダメ?」
「ダメじゃないけど‥… 出来たら、付けてさせて欲しい。ダメかな?」
有無を言わせない薫の口調に押し黙るつくし。
「つくしの自由は奪わない。約束する。だから付けさせて。お願いだよ」
「‥…うん。」
きっと、筒井のSPを、つくしには解らない様に付けているのだろうけど‥
彼女の全てを、僕が把握してるのだと自覚してもらう為に
僕は、つくしの許可を貰う‥…
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村
♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥