月夜の人魚姫 42 総つく
チュンチュンチュンチュンチュン
「うーーーーん、雀五月蝿—い」
と叫んだら
「ママ、おはよう」
「未悠さん、おはよう」
蒼と西門さん2人並んで雀の物真似しながら、仲良くあたしの顔を覗いてた。
「な、な、なに?」
「蒼君に、未悠さんとお付き合いする事を話したんだ」
「__だ。でね、でね 総ちゃんと一緒にお風呂に入ったの。裸の付き合いなんだって」
だ。って、だ。って 何?
「未悠さんと付き合うのに、先ずは蒼君の許しを得るのが先決だろ?」
だろ?って、だろって‥
「ママ、俺、総ちゃんなら応援するよ」
「蒼、総ちゃんって?」
「総ちゃんがそう呼んでくれって」
ニコッと蒼が嬉しそうに笑う。
はぁっーと一つ頷いてからて___
あたしの頭は、ショートを起こして
「ごめん、ママちょっとまだ寝ててもいい?」
そう返事をしてた。
「うん。いいよ! 総ちゃんとお出かけしてくるね」
「うん。行ってらっしゃい」
微睡み状態で答えて‥‥
そう、総ちゃんとお出かけね‥‥ぷぷっ そうそうなんちゃって‥と思った所で、ハッと我に帰ってベッドから飛び起きた。
でも‥‥
えっ? えっ? えっ?
と思った時には、もう2人の姿は消えていた。
手元の時計を見れば、まだ7時。仕方ないから、布団を被ってもう一寝入りする事に決めた。
思考が纏まらない時は、寝るのが一番だ。
「うん。寝よう」
声に出してから、目を閉じた。
夢を見る。
夢の中のあたしは、青い青い海で泳いでる。月夜の晩に王子に出会って恋をした。
恋を得る為に、声を失った人魚姫。声を失った人魚に王子は気が付いてくれないで‥‥王子は他国の姫と結ばれた。人魚姫は姉達から、短刀で王子を殺してしまえと命を受ける。そうすれば、また人魚にもどれるのだと。
愛する人を傷つける事が出来なくて、短刀を青い海に向かって投げた。そして人魚は泡になる。
海の泡になった人魚は、空気の精に出会う。
「君は精一杯恋をした。だからご褒美に君は、空気の精になる。空気の精は、長い長い年月善い行いをすれば、永遠の魂を手に入れれられるよ」
人魚姫は空気の精になり、話しかけてくれた空気の精と花の匂いを、幸せを、振りまくお仕事をする。全てのものの幸せを願いながら__
不思議な思いで目を覚ます。
人魚姫と王子は、結ばれなかったけれど__人魚姫は本当に欲しいものを手に入れられるチャンスを掴んだのだと。
莢先生が何故、あたしを人魚姫に捉えたのだろう?とずっと不思議だった。
今初めて、ちょっとだけ解った気がした。
あの絵をもう一度見たいとあたしは、思った。
カチャッ
部屋を出て遊に声をかける。
「遊‥」
「オゥッ、ミュウおはよう。広告塔ゲットありがとう」
「あっ、じゃぁじゃないけど、あぁ、でもやっぱり‥代わりに__お願いがあるの」
「っん?なんだ?」
「リトグラフを見つけて欲しいの」
「誰のリトグラフ?」
「莢先生、山口莢先生の__リトグラフ」
「山口‥莢?」
遊が,莢先生の名を呼びながら目を瞑り何かを振り払うように一つ首を振る。
「どの作品だ__」
そう問うてきた。
「あっ‥‥うん。月夜の人魚姫という作品なの」
「月夜の人魚姫?」
「えぇ。無理なら構わないんだけど__」
遊の片頬がゆっくりと上がって
「ちょっと待ってろ」
そう言って、自室に消えていく。
火、水、金、土、日 0時更新


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
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と叫んだら
「ママ、おはよう」
「未悠さん、おはよう」
蒼と西門さん2人並んで雀の物真似しながら、仲良くあたしの顔を覗いてた。
「な、な、なに?」
「蒼君に、未悠さんとお付き合いする事を話したんだ」
「__だ。でね、でね 総ちゃんと一緒にお風呂に入ったの。裸の付き合いなんだって」
だ。って、だ。って 何?
「未悠さんと付き合うのに、先ずは蒼君の許しを得るのが先決だろ?」
だろ?って、だろって‥
「ママ、俺、総ちゃんなら応援するよ」
「蒼、総ちゃんって?」
「総ちゃんがそう呼んでくれって」
ニコッと蒼が嬉しそうに笑う。
はぁっーと一つ頷いてからて___
あたしの頭は、ショートを起こして
「ごめん、ママちょっとまだ寝ててもいい?」
そう返事をしてた。
「うん。いいよ! 総ちゃんとお出かけしてくるね」
「うん。行ってらっしゃい」
微睡み状態で答えて‥‥
そう、総ちゃんとお出かけね‥‥ぷぷっ そうそうなんちゃって‥と思った所で、ハッと我に帰ってベッドから飛び起きた。
でも‥‥
えっ? えっ? えっ?
と思った時には、もう2人の姿は消えていた。
手元の時計を見れば、まだ7時。仕方ないから、布団を被ってもう一寝入りする事に決めた。
思考が纏まらない時は、寝るのが一番だ。
「うん。寝よう」
声に出してから、目を閉じた。
夢を見る。
夢の中のあたしは、青い青い海で泳いでる。月夜の晩に王子に出会って恋をした。
恋を得る為に、声を失った人魚姫。声を失った人魚に王子は気が付いてくれないで‥‥王子は他国の姫と結ばれた。人魚姫は姉達から、短刀で王子を殺してしまえと命を受ける。そうすれば、また人魚にもどれるのだと。
愛する人を傷つける事が出来なくて、短刀を青い海に向かって投げた。そして人魚は泡になる。
海の泡になった人魚は、空気の精に出会う。
「君は精一杯恋をした。だからご褒美に君は、空気の精になる。空気の精は、長い長い年月善い行いをすれば、永遠の魂を手に入れれられるよ」
人魚姫は空気の精になり、話しかけてくれた空気の精と花の匂いを、幸せを、振りまくお仕事をする。全てのものの幸せを願いながら__
不思議な思いで目を覚ます。
人魚姫と王子は、結ばれなかったけれど__人魚姫は本当に欲しいものを手に入れられるチャンスを掴んだのだと。
莢先生が何故、あたしを人魚姫に捉えたのだろう?とずっと不思議だった。
今初めて、ちょっとだけ解った気がした。
あの絵をもう一度見たいとあたしは、思った。
カチャッ
部屋を出て遊に声をかける。
「遊‥」
「オゥッ、ミュウおはよう。広告塔ゲットありがとう」
「あっ、じゃぁじゃないけど、あぁ、でもやっぱり‥代わりに__お願いがあるの」
「っん?なんだ?」
「リトグラフを見つけて欲しいの」
「誰のリトグラフ?」
「莢先生、山口莢先生の__リトグラフ」
「山口‥莢?」
遊が,莢先生の名を呼びながら目を瞑り何かを振り払うように一つ首を振る。
「どの作品だ__」
そう問うてきた。
「あっ‥‥うん。月夜の人魚姫という作品なの」
「月夜の人魚姫?」
「えぇ。無理なら構わないんだけど__」
遊の片頬がゆっくりと上がって
「ちょっと待ってろ」
そう言って、自室に消えていく。
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