baroque 45
優しく艶やかに
campione
微笑みながら
campione
君を追い詰める
扉が開かれる。
煌めくシャンデリアの光がつくしを照らす。眩い光に目眩を覚え身体が倒れそうになった。
瞬間 手が伸びてつくしの腰を抱く。
「大丈夫と?」
「あっ、インディゴちゃん……ありがとう」
「髪切ったと?」
「あっ、うん。今朝」
「今朝?」
コクンとつくしが頷けばインディゴちゃんが苦笑いを浮かべながら
「どうやって切ったと?」
そう聞けば
「鋏が置いてあったから__切ちゃったの」
「ホントに、つくしばっかりは、何をするかわからんとね」
くすくすと笑ってから
「まぁ、短いのも似合っとるとよ」
「…薫……何て言うと思う?」
「さぁ、なんて言うんか。わからんとね。まぁ、なんと思ってもつくしには関係ないとよ」
自分には、関係ないとインディゴちゃんに言われつくしは黙り込む。
「そうそう、受理されたとよ。あんたは今日から筒井つくしとよ」
「……うん……」
「ほらっ しゃんと前を向いて」
つくしは、背筋を伸ばして前を向きインディゴちゃんと共に会場に入った。
会場の中では、ホテルの総支配人と最終打ち合わせをしている栄と雪乃が待ち受けていた。
インディゴちゃんの口から書類が受理された事が栄達に説明される。
雪乃はつくしの手をとり
「つくしちゃん、これからも宜しくね」
そう言って美しく微笑んだ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*
きらびやかな宴が始まり口々に祝いの言葉が齎される。
インディゴちゃんの隣りにいるつくしを見て
「あらっ、薫様は?」あちらこちらから声がかかる。その度につくしは、曖昧に微笑む。
会場の扉が開き、人々の視線が一ヶ所に集まった
つくしは、インディゴちゃんのスーツをギュッと握りながら皆の視線が集まる方向を振り向けば、薫がゆっくりと近づいて来る。つくしの身体がビクンッと揺れる。インディゴちゃんがつくしの腰を抱きよせながら薫に声を掛ける。
「元気と?」
声を掛ければ、つくしの腰に添えられた手元に薫が凝視する。
「あら、あらっ、アタシに妬きもちと?」
くすくすとインディゴちゃんが笑い出す。
「あら、ワタルさん、薫君が来たから役割交替じゃなくって」
東雲婦人から声がかかれば
「先日はどうもお邪魔致しました」
薫は優雅に微笑み挨拶を述べながら髪をかき上げる。
その瞬間、薫のカフスボタンがチラリとのぞいた。
「あらっ、お揃いなのね?」
つくしの首元と薫の手元を交互に見ながら嬉しそうに微笑む。
インディゴちゃんの、つくしの視線が薫のカフスボタンに注がれる。
ブルーダイヤが美しく光り輝く。


ありがとうございます♪
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