愛を込めて花束を 後編 by 凪子さま

special thanks ビー玉の瞳 凪子さま
あれから一年程
俺達は時々会う、友達のままだった
真っ直ぐなあんたの心には
まだ暫くはアイツが住んでるんだって
そんなのはわかってたけど...
でも
一人ぼっちで傷付いた彼女の心を
近くで支えたいと思えば思うほど
膨らみ続けたのは、俺自身の"想い"で...
結局、どうしても一人きりで居ようとする彼女に
やっと少し前に、想いを打ち明けたばかり...
―『あんたが誰を想ってても構わないから
一緒に居たい… 居させて......』
拒否されても仕方無いと思って
それでも溢れてしまった
まるで"懇願"のような俺の告白に
戸惑うような顔で、コクンと頷いた彼女...
だから
ゆっくりでも、いつか
俺だけを見てくれれば良いと思ってた...
そしてそれは今でも...
たとえ仮初めでも
寄っ掛かってくれていいって...
「でもね///…多分この時からあたし///…
きっとあんたの事が好きだったんだろうな///…」
『…え?』
彼女の言葉に思わず耳を疑う
今... なんて...?
「あの頃は、まだ友達で…こんなに頻繁に会わなかったじゃない?…それでもあたし//…実は類に会えない間も、よくこの写真見てたんだよね///...」
「会えない」って...
何それ...
そんなの、初耳なんだけど......
「…いっぱい辛くても//こんな風にあたしが笑えるのって//…やっぱり花沢類の隣だけなんだなって…この写真見るたびに、ずっとそう想ってた...///」
真っ直ぐに
彼女の瞳が、俺を見つめる
その光の強さに
初めて聞く、彼女の本心...
じゃ、今まで...
俺の思い違いだったってこと//...?
もしかして...
俺が思ってたより、ずっと前から...
俺達の気持ちは......
じわり
込み上げてくる喜びに...//
愛しくて、確かめたくて、堪らず彼女に近寄れば
「あ!!…えーとっ///!!ストップっ////!!!
ちょ~っと待ってて//!?」
…は?
途端におどけて
伸ばした俺の腕をスルリと抜け出てていく彼女を
呆気に取られて、見つめるしか出来ない...
だってさ…
今のタイミングって、絶対…
お互いにハグして、キスじゃないの???
だって今の、あんたからの嬉しい『告白』で
俺達、もっと前から、"両想い"だったって事で...
そんな中
なぜか悪戯っ子みたいな顔した牧野が
また不意に、目の前に現れた
*
「お待たせしましたっ//!」
『......何?』
「あのね、笑わないで、聞いてくれる?」
フフッ//…ちょっとむくれてる…
ごめんね?でも...
『......わかった』
急に真剣モードになったあたしに気づいたのか、
彼は可愛い"剥れっ面"を直して
あたしに向き合ってくれた
「…はい///…これ///…受け取ってっ///!!」
花よりも美しいな男の目の前に
あたしはこっそり用意しておいた
小さくてcolorfulな花束を差し出す
『…何?...花束って...』
フフッ//…
だよね…
恐らく類の頭の中には、
たくさんの『?』が浮かんでる筈だから...
照れずに最後まで言えるかどうか///...
ここがあたしの、踏ん張りどころだ///...
「…あのね、特別な感謝の気持ちをあらわすには、やっぱり『花束』でしょ//?…って思って…///」
それでもまだ...
"感謝"ってなんだ?って顔してる...
そりゃ、男性から女性に贈る花束は
定番かもしれない
でもさ、たまにはこんなのも、アリでしょ///??
だって...
「今日はね、あたしと類が付き合って、丁度100日目なんだよ//」
エヘンとあたしは、無い胸を張る
流石にそれは気付いてない筈//...
ほら//
無理矢理作った"あたし達"の記念日に、
ビー玉の瞳が真ん丸になる
そのタイミングで...
「…いつも恥ずかしくて言えないけど///…
今日はあなたにあたしの気持ち、一度ちゃんと伝えておきたくて...」
あぁ//…緊張するけど
よしよしっ///…
驚いてる驚いてるっ///♪
呆気にとられてる王子様に
今、思いの丈をぶつけよう
「…類//…、今までずっと…あたしを支えてくれて//
見守ってくれて//…どうもありがとう///
そしてこれからも、ずっとずっと///...
あたしの側に、居てくれますか///?」
これが今日、一番言いたかったこと
精一杯の気持ちを込めて見上げれば...
ごくりと息を飲む音に
あなたの耳朶が、また紅く染まってゆく...
『…でも牧野// ...こういうのって、普通///…』
片手で口を覆う癖は
あなたの照れ隠しだってもう知ってるから...
「彼氏がやるもんだって言いたいんでしょ//!?
…でもいいじゃん///…別に女の子から花をあげてもさ//?......ってやっぱり//…変だったかな///...」
少し恥ずかしくなって、
ビー玉の瞳を見上げた瞬間 ―――――
『…反則っ////』
ギュッて抱き締められて
大好きなあなたの香りに包まれる
ほら、幸せの渦が
あたしを巻き込んで行く...
フフッ//…
良かった///…
伝わったかな?
あたしの今の、正直な気持ち
昔からずっと、あたしだけを見てくれて...
あたしの気付かない気持ちまで
全部大切に、拾い上げてくれた人...
それなのに...
あたしはずっと、目の前の恋しか見ていなくて...
でも
1つの眩い恋が砕け散って、気付いたのは
いつの間にか
あたしの周りにたくさん散りばめられてた
フッカフカの"愛"でした...
だから...
耳許で、とどめの一撃っ…
「ね…//類//…コレって愛だよねっ//?」
『...っ///!』
スキありっ//!
王子様の頬に、照れ隠しのキスをひとつ…
クスッ//…
真っ赤な類が、あたしには最高のプレゼント//♪
ごく普通の日に準備した
あたしの小さなサプライズ...
嫌だって言っても、もう絶対
離してあげないんだからね...///
ねぇ//…だから今日からまた//
末永く、宜しくね//?
***
愛を込めて花束を
大袈裟だけど受け止めて
理由なんて 聞かないでよね
今だけすべて忘れて
笑わないで受け止めて
本当のわたしを
いつまでも そばにいて...
Fin.
つくしぃーー可愛いよぉーーー♡
類よかったねぇ〜♪
と思わず叫んでました(笑)
うふふっ、100日間のご褒美にと頂いちゃいました。
凪子ちゃん ありがとうーーーー♡

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