心の奥に鍵をかけてしまいこんだ想い byロキさま

Special Thanks ロキさま
心の奥に鍵をかけてしまいこんだ想い。
外に溢れださないように、きつくきつく閉じ込めておいたのに。
あの人を見るたびに、心の底が揺れ動いて、目から口から指先から何かが飛び出してきそうになる。
あの人はカンがいいから、すぐにばれてしまいそうで。
逃げた。
いつも揶揄うような態度で、
「つくしちゃん」
と私のことを呼ぶ人。
凄絶な色気を伴う妖しい笑顔で目線を送られて、胸がときめかない女なんているんだろうか。
どぎまぎする気持ちをごまかすように、
「つくしちゃんっていうな!」
と言い返していたけれど。
自分にはだめだって言い聞かせていた。
だって、優紀の好きな人だから。
道明寺は?あれは同志。ほんとに似た者同士。
お互いの中に見ていたのは自分。
同じものを抱えていたということ。
それは、ばかでかい家だったり、頼りない家族だったりしたけれど。自分のためだけに動けないのは同じ。ただ、先の話か今の話かの違いだっただけ。
類は?…優しい人。透徹した目で、何もかも見ていた。
そして気づいてしまった。いずれ道明寺とは友達になれるけど、類とはなれない。
だって、いつまでたっても、あこがれの人だから。
そして気づかれてしまった。誰が心の中にいるかを。
彼らから逃げる場所なんて、本当はどこにもない。
だから自分を忙しくした。働いて働いて、会う暇がないようにした。実際、そんなヒマはなかったのだけど。やがて彼らのほうが忙しくなった。もともと世界が違う人たち。彼らを見るのは、雑誌やTVの中だけになった。平凡な毎日。静かな毎日。
優紀が結婚することになった。相手は同じ会社の先輩。
独身最後の思い出として一緒に旅行に行くことにした。二人ではしゃいであちこち見て回り、写真を撮って。おいしいものをいっぱい食べて、のろけを聞いて。夜、明りを消したあと。布団の中で言われた。
「知ってたよ、つくしの気持ち」
心の奥に鍵をかけてしまいこんだ想い。外に溢れださないように、きつくきつく閉じ込めておいたのに。優紀が鍵を壊してしまった。泣いた。馬鹿な自分。哀れな自分。泣いて泣いて心の中が空っぽになるほど泣いた。優紀はだまって背中を撫でてくれた。
翌朝、泣き寝入りしたから、目は腫れあがっていたけど、心は軽くなっていた。もう心に嘘をつかなくてもいいから。あの人を好きな自分を受け入れたから。鏡の中のひどい顔に笑いつつ、覚悟を決めた。好きになってしまったのだから仕方ない。そのまま、飽きるまで好きでいよう。もう会うことは無い人だけど、心の中に住まわせよう。
***
優紀のホットラインが桜子のもとへ、そして滋のもとへ。そして道明寺が美作さんをたたき起こし、類を枕から引きはがし。
誰もつくしをそのままでほっておくつもりはなかった。
お岩さんのように目が腫れたつくしの前に現れたのは、希代の色男。
慌てて飛び出してきたようで、髪の毛は乱れていたけれど、相変わらずの声でいつものように呼ばれて、それだけでつくしの腰はくだけてしまった。ぺたんと座り込んだつくしの前にしゃがみこみ、顔を覗き込んで、すさまじい顔に思わず吹き出している。その少年のようなうれしそうな顔に、呆けたように見とれるつくし。そのままつくしは車に乗せられ、連れ去られた。
もちろんすんなりとはいかなかったし、困難も山のようにあった。
でも、
心の中にずっといるのは同じ人。
お互いに同じ人。
***
ねえ、年をとってもたまに呼んでね。
「つくしちゃん」って。
FIN
いやぁん♪
総ちゃん__髪の毛乱して
あたしも迎えにきてーーと思わず叫んでしまった。
(ご、ごめん総ちゃんファンの皆さん)
ロキさんからも頂いてしまった〜
ありがとうございます♡ぐふふっ

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