修羅 13 総つく
総を愛してると認めてしまったあたしは…ビックリするくらい、嫉妬深い…
総が、モテモテだとは、解っていたんだけど…まさかここまでとは思ってなかった。
ハァッ
なんだか、アイドル並みなのよ。
出待ちはいるわ。追っかけはいるわ。バレンタインのチョコなんて‥大変な数だったとか
ハァッー
編集者の人なんて、桜子と総のWなんて、もう大変な売上げですよぉー。なんて、発刊前からウハウハしてる。もう、こちとら、西門邸に乗り込むのに、心臓バクバクだっつーのに、
ハァッー、もう何度目の溜め息だろう。で、何だかやけにご機嫌な隣の男。
隙さえあれば、ニカニカ笑いながら、ボディタッチしてこようとしてくる。
その度に、手で振り払うのだけど、諦めずに触ってこようとする。
ったく‥人の気持ちも知らないで、呑気なもんだ。
あたしは総の耳許でこう囁く
「これ以上触ったら、今夜は触らせないからね」
ピタッと止まるボディタッチ。
桜子と編集者の人々と共に、西門の屋敷の門をくぐる。 あたしの心はトクンッと跳ねる。
西門の人間に迎えられる。凛とした風が流れる空間だ。
魑魅魍魎、海千山千の人が溢れている。なんて事を、聞いていたのに…
あたしは、この屋敷に入った瞬間に、この空間が好きになる。
流石だと唸らせる。
一見なんの変哲も無い、設えの数々…決して華美や豪奢ではない設え。一つ一つがきちんと存在しながら、調和を醸し出している。
これぞ正しく茶の湯に通じる世界に相応しい様相だ。
カメラマンに指示をだし、西門の玄関口の状態を写真に納めて貰う。
廊下を進んでいくと、庭が見える。四季折々の草花を咲かす庭だ。
惚けと見とれていると、家元婦人が、お庭の説明をしてくださった。
この庭から、季節の花々を手折り生けると。
この屋敷の中には、連綿とした尊いものが沢山沢山詰まっている。
決して、皆がいうような魑魅魍魎の巣窟などではない。
伝統文化を守り伝えていくためのものが、沢山沢山息吹いているのだ。
西門ごと総なんだと改めて感じる。
総の魅力は、西門があって、茶道という世界があって成立しているんだ。
総を愛すると言う事は、西門を守り愛し抜くと言う事なんだと理解する。
愛する男が、あたしを振り返る。
あたしは、この男が綺麗な世界で生きられるように、鬼になりたいと願う。
この男は、あたしが願えば、全てを捨てあたしの元に来てくれるだろう。
でも、そうしたら‥あたしは総をいつの日か捨てるだろう。
総から茶の湯をとったら、魅力が半減してしまうから。
どれだけ高飛車な考えなんだと可笑しくなる。
だけどあたしは知っている。自分という人間を。
だから、捨てさせはしない。あたしのために。総のために。
この世界を決して捨てさせはしない。
そして、決してこの美しい男を他の女に渡しはしない。
修羅になろう。この男を手に入れるために。
地獄が果てても、あたしはあんたを追いかけると決心したのだから。
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総が、モテモテだとは、解っていたんだけど…まさかここまでとは思ってなかった。
ハァッ
なんだか、アイドル並みなのよ。
出待ちはいるわ。追っかけはいるわ。バレンタインのチョコなんて‥大変な数だったとか
ハァッー
編集者の人なんて、桜子と総のWなんて、もう大変な売上げですよぉー。なんて、発刊前からウハウハしてる。もう、こちとら、西門邸に乗り込むのに、心臓バクバクだっつーのに、
ハァッー、もう何度目の溜め息だろう。で、何だかやけにご機嫌な隣の男。
隙さえあれば、ニカニカ笑いながら、ボディタッチしてこようとしてくる。
その度に、手で振り払うのだけど、諦めずに触ってこようとする。
ったく‥人の気持ちも知らないで、呑気なもんだ。
あたしは総の耳許でこう囁く
「これ以上触ったら、今夜は触らせないからね」
ピタッと止まるボディタッチ。
桜子と編集者の人々と共に、西門の屋敷の門をくぐる。 あたしの心はトクンッと跳ねる。
西門の人間に迎えられる。凛とした風が流れる空間だ。
魑魅魍魎、海千山千の人が溢れている。なんて事を、聞いていたのに…
あたしは、この屋敷に入った瞬間に、この空間が好きになる。
流石だと唸らせる。
一見なんの変哲も無い、設えの数々…決して華美や豪奢ではない設え。一つ一つがきちんと存在しながら、調和を醸し出している。
これぞ正しく茶の湯に通じる世界に相応しい様相だ。
カメラマンに指示をだし、西門の玄関口の状態を写真に納めて貰う。
廊下を進んでいくと、庭が見える。四季折々の草花を咲かす庭だ。
惚けと見とれていると、家元婦人が、お庭の説明をしてくださった。
この庭から、季節の花々を手折り生けると。
この屋敷の中には、連綿とした尊いものが沢山沢山詰まっている。
決して、皆がいうような魑魅魍魎の巣窟などではない。
伝統文化を守り伝えていくためのものが、沢山沢山息吹いているのだ。
西門ごと総なんだと改めて感じる。
総の魅力は、西門があって、茶道という世界があって成立しているんだ。
総を愛すると言う事は、西門を守り愛し抜くと言う事なんだと理解する。
愛する男が、あたしを振り返る。
あたしは、この男が綺麗な世界で生きられるように、鬼になりたいと願う。
この男は、あたしが願えば、全てを捨てあたしの元に来てくれるだろう。
でも、そうしたら‥あたしは総をいつの日か捨てるだろう。
総から茶の湯をとったら、魅力が半減してしまうから。
どれだけ高飛車な考えなんだと可笑しくなる。
だけどあたしは知っている。自分という人間を。
だから、捨てさせはしない。あたしのために。総のために。
この世界を決して捨てさせはしない。
そして、決してこの美しい男を他の女に渡しはしない。
修羅になろう。この男を手に入れるために。
地獄が果てても、あたしはあんたを追いかけると決心したのだから。
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