Tea for Two 12 司つく
何に?
アレ?アレレ? 何に高鳴ってるの?
どうぞと、美味しそうなデザートと、香しい薫りの珈琲が運ばれて来る。
あぁ、これかこれこれ。これにドキドキしたんだ。えへへ
そうだよね。そうそうそうだよね。
だって、道明寺専務? ない。ない。うんないない。
あたしの好きなのは,司さん。うん司さん。
道明寺専務の いつもと違う 優し気な眼差しは、ちょっぴり、ほんのちょっぴり素敵だなぁと思ったけど‥あんな後光がさしてるような人‥あたしのしゅみじゃない。
うん。ない。ない。
ぷるるんと、首を振り むふふっ いただきまーす
「おぃしぃいーーー うわっうわっ 」
「旨いか?」
「旨いです。旨いです。」
これ、これ、これって、イスパパンだよね? あっちは、マロンシャンテリー 向こうは、ヴィ・バカッス フレジュ タルトタタン モンサンクルール って、あれは、アテスウェイのモンブラン‥
って、東京ケーキ市場ですか、ココは。
うわぁー 幸せぇー うんうん。これこれ。これにドクドクドクッン。うんうん。
「専務。美味しいです。有り難うございます。」
殺人的に可愛い女が、殺人的に可愛い顔しながら、旨そうに食ってる。
邸の中の空気がなんだかホワンだか?フワンだか?ホヘンだか?まぁなんだそのそんな感じの、よく女が口にする ”幸せな空気” ってやつに包まれる。
それにしても、旨そうに食う。すげぇー旨そうに食う。
ポワワァーン 俺の脳内で、
ピンク色した妄想劇場が始まりやがる
” 旨そうだな ”
” うん。美味しい ”
” どんぐれぇ うめぇ? ”
” はい、あーん ”
「専務どうされました?」
牧野が笑う。
「いや、旨そうだなって」
「専務もお召し上がりになられますか?」
いやいや、俺の食いたいのは、お前だ牧野。 くぅーーーー 決めろ俺。
言えねぇー
「いやいや。見てる分にはいいが、甘いのは苦手なんだ。」
「そうなんですか、勿体ないですね〜 こんなに美味しいのに〜」
そうかぁー 道明寺専務は甘いもの苦手なんだぁ〜
ふーん。
司さんは、甘いもの好きなんだよね〜。
あたしのあげたクッキー 美味しいって♡
うふふっ えへへっ
思わず、頬がニヤケちゃう。
頭を上げると、やっぱり道明寺専務があたしを見てる。
口元を頬を触ってみる。クリームとか、ついてないよね?
うんついてない。
「どうされたんですか?」
「あっ、いやいや、マジうまそうに食うなって。」
「あははっ、なんも食べてない子みたいでした?」
へへっなんて言って笑う。
はぁっーー マジ 可愛いや。はぁっー
ちょっとした隙に、俺の脳内妄想暴走しまくりだ。
はぁっーー
「ふぅッ〜 ご馳走さまでした。」
口元で手を合わせて、ご馳走さまを言いやがる。
って、お前、それ‥反則だろうよ。
押し倒すぞっ。
ぽわぁわ〜ん
” 牧野、俺にもデザートくれよ ”
” せ、せ、専務〜 ちょっとだけですよ ”
チュッ
「坊ちゃん、坊ちゃん‥お下げして宜しいですかねー」
タマが、ニヤニヤ笑って俺の皿をさげていきやがる。
ケッ、こいつぜってぇーわざとだよな。ったく、やな婆さんだ。
「やな婆さんで悪うございましたね。」
げっ、こいついつから読心術つかえるようになったんだ?
タマを見ると
「坊ちゃんの考えてらっしゃる事くらいは‥ケッケケッ」
小さな声で俺の耳許で呟く。
ったくよぉー まじ食えねぇ婆だ。 ッフ
専務がタマ先輩を見る眼差しが、とても温かくて優しくて
いつもの、こーんな三角目とは違っていて、心の中がホワンと温かくなる。
思わずニコニコしながら、お二人を見てしまっていた。
専務と目が合う‥
前を向いた途端、牧野と目が合う‥
タマに揶揄われていたのが、小っ恥ずかしくなる。思わず頭を掻く。
牧野が下をむいて、クスクス笑う。
マジやべぇ 俺‥ この女にかなりノックアウトだわ。
あっ、そうだ。そうだ。
俺は、こいつに確かめなきゃいけねぇ事があったんだ。
ヨシッ 俺は意を決して、目の前の女に聞く。
「あのよぉー」
「あっ、はい。なんでしょうか?」
「お前,司って知ってんよな?」
俺がそう言った瞬間、目の前の女の顔が耳まで真っ赤になる‥
しかも、心なしか、今までの表情とは違う‥ような‥気‥がする???
って、もしかしたら、この女マジで
俺=司 じゅねえのか?
って、マジかぁー
俺、そっからかあ?
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村

♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
- 関連記事