明日咲く花

あたしの一日は、道明寺専務と共に始まり、共に終わる‥‥って、って
そうなんだ、そうなんだ、‥‥月曜日、出勤後から、連日連夜のパーティー会食三昧なのだ。
で、で、いつの間にやら、専務専属秘書になっったあたしは‥‥　道明寺邸の一員みたいに、なってるんだ。うぅーーん。
自宅マンション？なにそれ状態だ。いや、帰った所で寝る所がないのだ。
それは何故？ Why?
はーい。それは、椿お姉さんのプレゼントして下さった、スーツやら、コート‥バックに靴にアクセサリーで、溢れかえっているのだ。
「はぁっー」帰るに帰れない。ゲコゲコ状態の出来上がり。ゲコゲコ？ゲーロゲーロ？　くくっ　いやいや、あたし笑ってる場合じゃない‥よね？

「おい、牧野、おい」
「あっ、はい。」
呼ばれて渡されたのは、来週の予定表。さっき秘書課で見たのと、違ってガンガン会食が入ってるんですが‥

＊ ＊＊
突如、好きな女の目の前で、四の字固めされた時には、どうしようかと思ったが、
ククッ、流石‥姉ちゃん。

姉ちゃんのお陰で、牧野と朝から晩までみっちり一緒だ。ククッ　
吉野に言って、パーティー、会食、ガンガン詰めさせてるからな。

こいつ、そんでなくても殺人的な可愛さなのによぉーよぉー、ドレスやらワンピースっつーのか？あれに着替えた時の牧野のは、スゲェスゲェ可愛いでやんの。
でよ、でよ、ククッ　俺と同じ匂いがすんだぞ。
鼻歌がとまんねぇ〜
どうだ、マイッタか。てなもんだ。
朝飯一緒に食う。昼飯一緒に食う。夕飯一緒に食う。すげぇよな。
ってか、飯食ってばっかりだな。

そうなんだ‥こいつと一緒に入れるのは、すげぇー幸せって奴なんだが‥
てんで、てんで、恋っつーもんに発展しねぇんだ。
この女、この頃じゃぁー
「専務、あのですね‥司さんって」なんて枕詞を皮切りに、司のことを俺に聞いてきやがる。うぅーーん　

で、なんか知らねぇけどよ、俺もコイツの質問に答えてやっちまってんだよな。

しかも‥‥
「道明寺専務—　15分休憩宜しいですか？」ニッコリ牧野が笑いやがる。
俺、この笑顔に滅法弱ぇー
「あぁー」

牧野が出て行くと同時に、隠し扉から俺も屋上に向う。
眼鏡をかけて、髪の毛を散らしてな。勿論ジャケットも脱ぐ。
ったく、早業マック？ありゃ早撃ちマックか。
そんなん、どっちでも構わねぇが‥
俺は、司さん　にすり替わり、牧野と屋上デートって奴だ。

階段を駆け上がる。小せぇ女がニッコリ笑って、待ってやがる。殺人的に可愛くて可愛くて、俺は今日も　“司さん”　になってんだ。
それで、いいのか？　道明寺‥
それでいいんだ。　道明寺　状態だ。

くぅっーーー　男は辛いぜ

ってか、おまえそろそろ気が付けよ


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