雲に乗って‥ 総つく
真っ青な空に、雲が一つ浮かんでる‥
雲に乗って‥ あんたに会いに行きたいな。
雲に乗って‥ あんたを頭上から見下ろすの。
なんなら、この手がニョキッと伸び伸びて、
グィーンと長くなちゃって、雲の上から、イタズラするの
一寸の隙もないあんたに。イタズラするの。
雲に乗って、あんた色んな所を見ちゃうの
雲に乗って、なんなら、あんたを攫っちゃう?
空から、ふわりと風が吹く‥
窓辺に腰掛けて、風にあたる。
初夏の風は、気持ちがよくて‥ 気持ちがどんどん素直になっていく。
喧嘩開けのあたしの気持ちさへも、どんどんどんどん素直にしていく。
ほら、ほら、素直におなりと、風があたしを誘う。
ぽっかり空に出た雲が、あたしを誘う。
大切な、あんたを思い浮かべて‥素直になろうと決心する。
RRRR‥ ベルが鳴って、画面を見れば‥
慌てて、タップする。
「もひもひ」
慌てて喋って、吃ってしまう。
スマホの向こうからは、総の大笑いする声がする。
出端を挫かれた‥、そう言いながら
「なぁ、外見てみろよ」
っん?さっきから見てたよと返事をする。
「でっかい雲が一つ、浮かんでないか?」
うんうん。浮かんでる‥ 同じ雲を見てるのかな?嬉しくなって呟けば
「なぁ、今度は下を見てみて」
窓を開けて、下を見る‥
えっ、えっ、なんでいるの?
えっ、ドキドキドキドキ鼓動が早くなる
「でっけぇ、雲が觔斗雲に見えてさぁ、ついついお前に会いに来ちまった」
そんな言葉を聞きながら、慌てて部屋を出る。
だっだっだっだ‥ 慌てて階段を降りる。
階段の下で、総が笑って待っていて‥
もうそれだけで、全部全部許せちゃって‥
バカみたいに、嬉しくなちゃって‥
「雲、あたしも見てた」
そう呟いた。
総が笑って
「ごめんな。すげぇ反省してる」
綺麗な、黒髪がサラサラと風になびく。
「あたしも、言い過ぎた‥ゴメンね」
フワリ、風が吹く。
フワリ、口づけが降って来る。
手を繋いで、あたしの部屋に行く。
総の口づけで、トロトロに蕩けたあたしは、妙に素直になっていて
「総‥好き」
言いながら、綺麗な唇を貪っていた。
フワリ、風が吹く。
二人の間に風が吹く。
窓の外には、もう雲はない。雲の代わりに、茜色の空が広がっている。
一体、何時間抱き合ったんだろう‥
身体も心もトロトロで、あたしは微睡んだ。
「‥つくし‥‥アイシテル」
愛してる男の、嬉しい言葉を微睡みの中で聞きながら
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