紅蓮 13 つかつく
天空から差す光で、目が覚める。
燦々と輝く太陽の光。眩い程に美しい光。
宗谷の腕が、あたしの身体に絡んでいる。
起さないように、細心の注意をはらい、絡まる腕から、そぉっと逃げ出す。
寝間から抜け出し、薩摩切子のデカンタに入った水を注ぐ。
コクリコクリと音をたて、水を飲む。喉が上下する。
グラスに、光があたる。上から覗いた、深紅の切子グラスはまるで万華鏡のように美しい。
「あぁ、綺麗」感嘆の声が出る。
一人でシャワーを浴びたいなぁー、そう思うけど‥叱られる。
縛られ、鞭を打たれた所が痛む。もう暫くは、縛られるのも鞭もいや。
お利口にしていよう。そう思う。
顔を洗って、髪を梳かす。鏡を見ながら紅を差す。
「失敗しちゃったな」小さく小さく呟く。
上手くやり通せていた筈なのに‥宗谷の口から司の名が出て、動揺してしまった。
今日のお出掛けは無しかな?あんな失態をしてしまったのだから、無いよね。
そう思って哀しくなる。あとちょっとだったのにと。
宗谷なんて嫌い‥だけどあたしの主。
あたしの立場は、二階堂となんら変わりないのだ。
二階堂が宗谷の犬ならば、あたしは、愛玩人形
ご主人様の言い付けは絶対で、逆らう事は許されない。
扉を開ける。
痴態を繰り広げた、隣室は既に片付けが施されている。
テーブルの上には、“おめざ” が用意されている。
今日のおめざは、白いちご。
カウチに腰掛け、おめざを頂く。
苺が赤くないなんて不思議だな~なんて事を考えながら。
「っん?美味しい」
違和感が拭えないのに、美味しいって不思議だな。そう思いながら、頬張る。
あっ、不思議でもなんでもない‥
伽藍堂の木偶で居続けるために、嫌いな宗谷に抱かれよがっているのだから
ふふっ 私は微笑する。
「つくし」
後ろから声をかけられ、身体がびくつく。
「はい」
「ごりょうさんが、明日こちらに、来られるそうだ」
ここを出られる。ごりょうさんが暫く滞在するならば,
一緒に外に連れて行って貰える。あたしの心は嬉しさで一杯になる。
逸るな…対応を間違えてはいけない。
「私は、いかようにしたら宜しいでしょうか?」
内面の喜びを隠し、宗谷にお伺いを立てる。
「つくしに、会いに来るようだ‥用意をせねばならんだろう」
忌々し気に言う。
「凌さんがお嫌でしたら、私は病に臥せっているとおしゃって下さい」
宗谷が望んでいるであろう答えを返す。
バカな男は、あたしが服従していると思ったのか?
あたしの手を取り、施錠を解いていく。
次の間には、二階堂が宗谷とあたしを待っていた。
二階堂は、宗谷とあたしにかしずいて歩く。
庶民のあたしにかしずかなければいけないなんて、この人は何を思っているのだろう?
君主の、宗谷の言う事は絶対だから‥なんとも思わないのかしら‥
ふふふっ、犬だから‥気にもしないか
ワンって一つ吠えて、尻尾振ってるか。
可笑しくて笑い出しそうになってしまう。
あたしは慌てて、宗谷に手を絡ませて笑みを作る。
宗谷があたしの肩を抱き、口づけを落とす。
虫酸が走る…
あたしの身体が、この男のもたらす快楽に溺れれば、溺れるほど…
心は、宗谷を拒否する。
だけど…あたしは媚を売り、腰を振る。
伽藍堂でいるために。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
燦々と輝く太陽の光。眩い程に美しい光。
宗谷の腕が、あたしの身体に絡んでいる。
起さないように、細心の注意をはらい、絡まる腕から、そぉっと逃げ出す。
寝間から抜け出し、薩摩切子のデカンタに入った水を注ぐ。
コクリコクリと音をたて、水を飲む。喉が上下する。
グラスに、光があたる。上から覗いた、深紅の切子グラスはまるで万華鏡のように美しい。
「あぁ、綺麗」感嘆の声が出る。
一人でシャワーを浴びたいなぁー、そう思うけど‥叱られる。
縛られ、鞭を打たれた所が痛む。もう暫くは、縛られるのも鞭もいや。
お利口にしていよう。そう思う。
顔を洗って、髪を梳かす。鏡を見ながら紅を差す。
「失敗しちゃったな」小さく小さく呟く。
上手くやり通せていた筈なのに‥宗谷の口から司の名が出て、動揺してしまった。
今日のお出掛けは無しかな?あんな失態をしてしまったのだから、無いよね。
そう思って哀しくなる。あとちょっとだったのにと。
宗谷なんて嫌い‥だけどあたしの主。
あたしの立場は、二階堂となんら変わりないのだ。
二階堂が宗谷の犬ならば、あたしは、愛玩人形
ご主人様の言い付けは絶対で、逆らう事は許されない。
扉を開ける。
痴態を繰り広げた、隣室は既に片付けが施されている。
テーブルの上には、“おめざ” が用意されている。
今日のおめざは、白いちご。
カウチに腰掛け、おめざを頂く。
苺が赤くないなんて不思議だな~なんて事を考えながら。
「っん?美味しい」
違和感が拭えないのに、美味しいって不思議だな。そう思いながら、頬張る。
あっ、不思議でもなんでもない‥
伽藍堂の木偶で居続けるために、嫌いな宗谷に抱かれよがっているのだから
ふふっ 私は微笑する。
「つくし」
後ろから声をかけられ、身体がびくつく。
「はい」
「ごりょうさんが、明日こちらに、来られるそうだ」
ここを出られる。ごりょうさんが暫く滞在するならば,
一緒に外に連れて行って貰える。あたしの心は嬉しさで一杯になる。
逸るな…対応を間違えてはいけない。
「私は、いかようにしたら宜しいでしょうか?」
内面の喜びを隠し、宗谷にお伺いを立てる。
「つくしに、会いに来るようだ‥用意をせねばならんだろう」
忌々し気に言う。
「凌さんがお嫌でしたら、私は病に臥せっているとおしゃって下さい」
宗谷が望んでいるであろう答えを返す。
バカな男は、あたしが服従していると思ったのか?
あたしの手を取り、施錠を解いていく。
次の間には、二階堂が宗谷とあたしを待っていた。
二階堂は、宗谷とあたしにかしずいて歩く。
庶民のあたしにかしずかなければいけないなんて、この人は何を思っているのだろう?
君主の、宗谷の言う事は絶対だから‥なんとも思わないのかしら‥
ふふふっ、犬だから‥気にもしないか
ワンって一つ吠えて、尻尾振ってるか。
可笑しくて笑い出しそうになってしまう。
あたしは慌てて、宗谷に手を絡ませて笑みを作る。
宗谷があたしの肩を抱き、口づけを落とす。
虫酸が走る…
あたしの身体が、この男のもたらす快楽に溺れれば、溺れるほど…
心は、宗谷を拒否する。
だけど…あたしは媚を売り、腰を振る。
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