明日咲く花

同じ屋敷に、司が居る‥
やめてと心が叫ぶ‥　

なのに、あたしの身体は、いつもよりも激しく快楽の渦に巻き込まれていた。

唇を紅く染めた宗谷が呟く
「つくしの身体は、なにがあってももう戻れないね」
居ずまいをただし、部屋を出て行く。

あたしは、一人残される‥
頬に涙が伝うのに、身体は快楽の後の余韻を楽しんでいる。
着物の裾がはだけている。
秘部の奥から、血と一緒にドロっとしたものが流れ出る。

起き上がり、胸元を裾を直そうと思うのに‥
身体が言うことをきかない

どれくらいの時間、そうしていただろう


「つくし奥様、失礼致します」
声がして、永瀬が部屋に入って来る。

裾を、はだけさせ、寝姿のままのあたしを見ても、眉一つ動かしはしない。

あたしは、袂を隠しもせずに口を開く
「月のものがまいりました」
「一週間程、お早いかと思いますが‥お身体の具合になにか？」
アフターピルを飲んだからです。そう言ったら、永瀬は、どうするのだろう？　
職務怠慢で、宗谷に叱責を受けるのだろうか？
　
じゃぁ、あたしはどうなるのだろう？
「あははっ」笑いが零れ、頬に涙が伝う。
簡単な事だ。管理が厳しくなり、何一つの自由がなくなるだけだ
蝶々達のように‥

気がふれたように、後から後から笑いが出て来る。

「つくし奥様」リスパダール液を口元に挿入される。
固く絞った手拭で、身体を拭かれる。着衣を正された後に
他の侍女達が呼ばれ、湯浴みをさせられる。

薬が効いてきたのか、眠気が襲って来る。
寝間姿に着替えさせられ、夫婦の寝室に寝かせられる。
自室ではなく、夫婦の寝室。
こんな夜でさえ、宗谷と一緒に居なければいけないなんて、

宗谷の姿は、まだ見えない。司は、まだこの屋敷の中にいるのかしら？
庭を見ると、温室に光が灯っている‥

「永瀬」
「なにようでございしょう？」
「温室の灯りが点いているようなのですが？」
「ご主人様が、西門様と道明寺様をご案内されているようでございますが‥」
宗谷はどこまで、あたしを追いつめれば気がすむのだろう。

＊ ＊
四刻半を過ぎ戻ってきた男が
「大変お待たせしてしまって申し訳ない‥」
悪びれもせず、艶やかに笑いながら部屋に入って来る。

三年前に、つくしがこの男と結婚をしたと聞いた時は、息が止まる程の衝撃を受けた。
つくしなら、待っていてくれる。そんな事をどこかで期待していたのだ。話し合って別れた筈なのにも関わらず、身勝手なことだ。

宗谷凌‥表の世界だけでなく、裏の世界でも名の知れた宗谷グループ総帥。コイツに、睨まれでもしたら、ひとたまりも無いだろう。
贅の限りを、妻に与え、一心に愛していると言うのが、社交界の中で、知れ渡っている。
偏愛‥まさしくその通りの愛し方で。
パーティーで、気安くつくしに声をかけた、貶めた。ものの見事なほどに、全ての会社が跡形も無く潰されている。
跡形もなくだ‥　恨みなんて感情も残せない程に‥
狂気だ‥それすらも感じる程に‥

そんな事すら、半ば伝説化してるかのように‥外界には、殆ど連れ出さないと聞いている。

「何か？ついているかな？」
「あっ、いや‥、奥様は、どうされましたか？お身体の具合でも？」
「あぁ、無理をすると時折、発作を起すものでね、大事を取らせて頂いたよ‥」
つくしが、発作？　どこか悪いのか？
俺の気持ちを読んだように

「以前の恋人に関する事に関して、妻はとてもナーバスになるようでしてね」
薄く微笑みながら、返事を返して来る。


↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥







♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥

関連記事

• 紅蓮　45R　つかつく
• 紅蓮　44R　つかつく
• 紅蓮　43　つかつく
• 紅蓮　42 　つかつく
• 紅蓮　41　つかつく
• 紅蓮　40　つかつく
• 紅蓮　39　つかつく