被虐の花 28R あきつく
愛しい女が、俺を見て俺の名を呼ぶ。
出来るならこのまま何を思い出させずに、俺だけのものにしてしまいたい。
「なぁ、つくし‥俺、すげぇズルイんだ‥この期に及んでもお前を離したくないと思ってる」
つくしが俺の胸に顔を埋めながら
「‥あた‥しも‥離れたくない‥」
愛おしい女が、蠱惑的な瞳で俺を見る。
俺は、目を瞑り‥‥
「だったら‥一緒に思い出す努力をしてみないか?」
「‥‥」
「酷な事を言っているのは、百も承知だ‥‥」
「‥あたし‥あたし‥怖いの‥」
抱きかかえたまま、ソファーに座らせて
「怖いよな‥でも、俺がついてる。俺は何があってもお前についてる。それじゃダメかな?」
「‥何があって‥も?」
「あぁ‥何があってもだ」
「‥嫌い‥になら‥ない?」
「ならない。ってか、なれないよ」
つくしが俺を見上げて、儚気に笑いながら。
「本当に?」
「あぁ、本当だ。なんなら、何か賭けるか?」
薄らと笑い首を振りながら、俺に凭れ掛かる。
つくしの美しい黒髪に、口づけを落とす。
午後から、MRI検査、脳検査、血液検査を行い器質的な要因がないかを先ず排除してから、心理検査を行う。
つくしの治療が始まる前に俺は、
あの日俺が見た事を、つくしの主治医に全てを話した。
取り寄せたカルテで、つくしが病院に運び込まれた時の状態を確認しながら、推測を立てて行く。
記憶想起法を取り入れる事が決まった。
催眠と薬物を利用し、医師が質問をしていくのだ。
「つくしさんにとって、
記憶を取り戻す作業はとても辛い事になるかと思われます‥‥
丸ごとの彼女を是非受け止めて差し上げて下さい」
医師の言葉に俺は黙って頷く。
翌日から治療が始まった。
つくしの心の中は、一進一退だが、少しずつ空白が埋まってくる。
* **
「迫田は、あなたを縛ってどうしたの?」
「‥‥迫田は、迫田は‥」
あたしは、一つずつ思い出して行く‥‥あの日の出来事を。
あきらさんが、東京に向かった日を待ち合わせの日に決めた。
約束の場所で、迎えの車に乗り込んだ。
最初に着いた場所は、ホテルの一室だった。
真っ白な部屋の中で、全ての持ち物が処分され真っ白な服に着替えさせられて、迫田の別荘まで案内された。
「つくしさん‥いや、つくし‥」
迫田が両手を広げて、あたしを向かい入れた。
迫田の指先が、あたしに触れた
「いやっ」
叫んだ瞬間‥迫田の顔が歪み、唇を奪われた。
迫田が、乱暴に胸を揉み上げ、スカートをたくし上げて‥
あたしは、貫かれた。
唇を噛み締め、恥辱に、痛さに耐える。
「つくし‥」
口移しに液体を飲ませられる。
迫田の舌が、生き物のようにあたしの全身を這い回る。
身体が火照り、身体の奥底から疼きが襲って来る。
熱くて、痒くて仕方がなくなった時、迫田があたしの四肢をベッドに括り付けられる。
自由の利かなくなったあたしの身体を、迫田の指が舌が這い回る。
首筋を、鎖骨を、胸をなぞり上げ、乳首を摘む。
強く摘まみ上げられた乳首に、クリームが塗られ、痛さが快楽に変わっていく。
感じたくなどないのに‥声が出る。 頭の中が快楽で埋められていく‥
屈辱とともに、あたしは一度目の絶頂を迎える。
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