シーソーゲーム 13
クルクルと若が、やってきて柊兄ぃに嬉しそうに声をかけている。
F3と柊兄ぃの4人で、仲良さげに話し始めると、遠巻きに人々が集まり出してくる。
この隙に、逃げよう‥
あたしは、後退りする‥ 張り付いた笑顔を向けたまま‥
あと、80センチで、群衆と紛れ込める。
いやっほーラッキー♪ と思った瞬間
「さっきの女の子は、知り合い?俺にも紹介してよ」
柊兄ぃが‥F3に向かって話すのが聞こえる。
ヒャッ か、か、勘弁‥
踵を返して、脱兎のごとく走りだした瞬間‥
バッフン
柑橘系の爽やかな香りに包まれた
「痛っ」
「ご、ごめんなさい‥」
謝って上を見上げれば‥やっぱりというか、当然というか‥ビー玉ん。
「ぷっ、いつも慌ただしいね」
抱きしめられた格好になったあたしは、
全身が真っ赤なんじゃないかと言う程に‥上気する。
「あんた、茹で蛸みたい。ぷっ、ククッ」
「ゆ、ゆ、茹で蛸って‥失礼な」
可笑しそうに笑う、ビー玉ん‥
この人って、笑い上戸なんだ‥
へぇーーなんて思った瞬間‥
肩を叩かれ‥振り向けば‥
「はじめまして」
爽やかに笑う柊兄ぃがいる‥
絶対、尻尾が生えてる。そう思った瞬間、
ふわりっ
ビー玉んの胸から、
奪い返すように、抱きかかえられていた。
誰にも聞こえないように、そっと囁く
「そんなに簡単に他の男に抱かれちゃだめだよ。つくしは僕のなんだから」
「えっ!」
思いのほかに大きな声が出ていたのか、F4が他の皆が、あたしと柊兄ぃを見る。
ドンッ
力任せに、突き飛ばす‥
天晴れ! 流石、一宮の跡取り息子だ。
びくともしやしない。
クシャリと笑って、抱きしめていた胸から離された。
ビー玉んに振り向いて、手をあげる
「類、久しぶり」
「お久しぶりです」
ビー玉んが、ビー玉色の瞳で綺麗に笑う。
お日様の光に反射して‥
「綺麗‥」
そう‥呟いていた。
柊兄ぃが、あたしの手を握って
「ねぇ類、この子紹介してよ?」
ニッコリと微笑んでいる。
薔薇男がやってきて
「柊さん、ここじゃなんだから、ラウンジに移りましょうよ」
「あっ、あたしは‥じゅ、じゅ、授業が‥」
ふわりと握っているように見える、柊兄ぃの手に力が入る。
顔は笑ってるけど、憤怒してる時だ。
ヒィエェー この短い時間に、怒らせる様なこと‥あたしした?
こっそり、柊兄ぃを覗きみる。
あたしの方に向き直り
「君の紹介して貰ってないから、一緒に行こう」
いやいや、あんた‥あたしの事知ってるよね?
それに‥あたしは、授業だってば。
小さく小さく呟く
「俺はバレても構わないけどね」
そう言われたら‥ついて行かないワケには行かなくて‥
はぁぁーーー 今日は、朝から‥何故 厄日?
トボトボトボついて行く。
はぁーーーー
あたし、今日お昼寝時間あるかな?
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♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
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