月夜の人魚姫 04 総つく
目の前の焼き肉が、ジュージューと美味しそうな音を立てて、焼けている。
あたしのお皿に、お肉がどんどん盛られていく。
どんどん‥どんどん
「に、に、西門さん、ストップ!ストップ!」
「ストップじゃねぇよ。どんどん食え食え! ホラッもっと食え」
「沢山頂いてるよ。 もっともっとって‥流石に頼み過ぎだよ」
「牧野なら、食えんだろうよ?」
「もぉう‥人をなんだと思ってるのよ」
刹那‥
西門さんの指が伸びて、あたしの口許をなぞる。
「えっ“?」
「タレが口許にくっついてた」
そう言いながら、なぞった指を唇で真一文字に舐めりとる。
その仕草が、あまりにも色っぽくてドキンッと胸が高鳴った。
〜〜〜〜〜
「‥ュウ、ミュウ‥ミュウ」
「‥あっ、ゴメン」
「どうした?」
「う、ううん‥大丈夫。どうもしないよ」
「ならいいけど、心ここにあらずってやつか?」
「あははっ、そんなんじゃないよ」
遊が、グラスを傾ける。
紅いワインが、あたしの欲望に灯をつける。
迎えの車に乗り込む。
遊の指先が、あたしの髪を弄び、あたしは、遊にしなだれかかる。
エレベーターの速度がもどかしく感じる程に、あたしの身体は疼く。
「遊、抱いて‥」
遊のシャツのボタンを引きちぎる程に外し、遊の身体に、唇を這わせる。
牝の匂いを充満させて、いつもよりも激しく深く、あたしは遊を求める。
あたしは、心のスキマを埋める為に、牝になり餓えを満たす。
白い閃光が、あたしの中を駆け抜ける。
「うぅっ あぁっ‥あぁーー」
微睡みの中、泣けないあたしを、遊が抱きしめてくれる。
月明りの中あたしは眠りにつく。夢などみないですむように。
* **
「総二郎〜ねぇ〜あぁっー」
コイツの名前、なんていったけかな?
部屋に飾られた桔梗の花びらが、はらりと落ちる。
刹那‥
俺の脳裏に、『ミュウ』と呼ばれた女の顔が浮かぶ。
桔梗の花びらが、目の前の女黒髪に、ハラリっと舞い降りた瞬間、全ての動きが、ゆっくりとスローモーションになり、目の前の女から目が離せなくなった。
ゆっくりと、女が顔を上げた瞬間‥‥『まきの‥』無意識に俺は名前を呟いていた。
女が俺の横を通り過ぎようとした瞬間、我に返り、女の横に居たマネージャーに挨拶をする。
男と挨拶を交わす。
挨拶を交わす間も女の顔から目が離せない。
男に『ミュウ』と呼ばれた女が、美しく微笑み完璧な所作で、お辞儀をする。
『倉科未悠』それが自分の名前だと口にして。
『牧野』じゃない? いいや‥あの当時よりも随分と洗練されてはいるが、西門の所作でお辞儀する目の前の女は、牧野だ。
この女は、倉科未悠じゃない。牧野つくしだと俺の本能が、そう告げている。
あの女に思いを馳せて、眼下の女を激しく貫く。
「あぁ、総二郎‥凄いーーあぁっーーー逝くぅ」
明日になれば顔も覚えていないような女が、俺の下で喘いでいる。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
あたしのお皿に、お肉がどんどん盛られていく。
どんどん‥どんどん
「に、に、西門さん、ストップ!ストップ!」
「ストップじゃねぇよ。どんどん食え食え! ホラッもっと食え」
「沢山頂いてるよ。 もっともっとって‥流石に頼み過ぎだよ」
「牧野なら、食えんだろうよ?」
「もぉう‥人をなんだと思ってるのよ」
刹那‥
西門さんの指が伸びて、あたしの口許をなぞる。
「えっ“?」
「タレが口許にくっついてた」
そう言いながら、なぞった指を唇で真一文字に舐めりとる。
その仕草が、あまりにも色っぽくてドキンッと胸が高鳴った。
〜〜〜〜〜
「‥ュウ、ミュウ‥ミュウ」
「‥あっ、ゴメン」
「どうした?」
「う、ううん‥大丈夫。どうもしないよ」
「ならいいけど、心ここにあらずってやつか?」
「あははっ、そんなんじゃないよ」
遊が、グラスを傾ける。
紅いワインが、あたしの欲望に灯をつける。
迎えの車に乗り込む。
遊の指先が、あたしの髪を弄び、あたしは、遊にしなだれかかる。
エレベーターの速度がもどかしく感じる程に、あたしの身体は疼く。
「遊、抱いて‥」
遊のシャツのボタンを引きちぎる程に外し、遊の身体に、唇を這わせる。
牝の匂いを充満させて、いつもよりも激しく深く、あたしは遊を求める。
あたしは、心のスキマを埋める為に、牝になり餓えを満たす。
白い閃光が、あたしの中を駆け抜ける。
「うぅっ あぁっ‥あぁーー」
微睡みの中、泣けないあたしを、遊が抱きしめてくれる。
月明りの中あたしは眠りにつく。夢などみないですむように。
* **
「総二郎〜ねぇ〜あぁっー」
コイツの名前、なんていったけかな?
部屋に飾られた桔梗の花びらが、はらりと落ちる。
刹那‥
俺の脳裏に、『ミュウ』と呼ばれた女の顔が浮かぶ。
桔梗の花びらが、目の前の女黒髪に、ハラリっと舞い降りた瞬間、全ての動きが、ゆっくりとスローモーションになり、目の前の女から目が離せなくなった。
ゆっくりと、女が顔を上げた瞬間‥‥『まきの‥』無意識に俺は名前を呟いていた。
女が俺の横を通り過ぎようとした瞬間、我に返り、女の横に居たマネージャーに挨拶をする。
男と挨拶を交わす。
挨拶を交わす間も女の顔から目が離せない。
男に『ミュウ』と呼ばれた女が、美しく微笑み完璧な所作で、お辞儀をする。
『倉科未悠』それが自分の名前だと口にして。
『牧野』じゃない? いいや‥あの当時よりも随分と洗練されてはいるが、西門の所作でお辞儀する目の前の女は、牧野だ。
この女は、倉科未悠じゃない。牧野つくしだと俺の本能が、そう告げている。
あの女に思いを馳せて、眼下の女を激しく貫く。
「あぁ、総二郎‥凄いーーあぁっーーー逝くぅ」
明日になれば顔も覚えていないような女が、俺の下で喘いでいる。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
- 関連記事
スポンサーサイト