明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

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2017

No.099 生まれ変わったら花沢類でした 類つく

「類坊ちゃん、お目覚めの時間でございます」 カーテンが開かれる。眩い光が俺の頬に差す。 朝起きたら俺は俺になっていた。 うんっ?意味が解らないって? そりゃそうだよね。 うんっ。どっか違う時空間の俺になってたんだ。 あっ、所謂 転生ってやつ? うん、そう転生ってやつ。 余計解らないって。うん。俺も最初意味解らなくて、もう一度ベッドに潜り込んで寝たくらいだ。 それなのになんで気が付いたかって?...

11

2017

No.093 キュンキュン 類つく

「コレ、すっごい、好き」この頃の牧野の口癖。「ふ〜ん。どんな所が好きなの?」「あのね、色でしょ。形でしょ。でもってなんとも言えない感じ?」「何とも言えない感じってどんな感じ?」問い返せば「うーーん。 何とも言えない感じだから何とも言えないみたいなっ?」俺の質問に質問系で答えてからクスクスと笑う。「あっ、類にもあるでしょ?何とも言えないけど……凄い好きっていうのが。理由を付けようと思えば付けれるけど」...

06

2017

No.088 アッチョンブリケ 類つく

ヨシッ 目を閉じて気合いを入れる。トントンッ ドアをノックする。「花沢専務、失礼致します」カーテンを開けながら「花沢専務、朝ですよ。朝ですよ。気持ちいい朝ですよ」声をかける。当然というか何と言うかそんな言葉で起きるワケがない。「花沢専務————— 朝ですよぉー 朝ですよぉー」もう一度優しくさっきより大きな声を掛けるけど、ピクリともしやしない。仕方がないので次の一手に出る事にした。先ずは「ジャァーーン」...

01

2017

No.083 よきにはからえ 類つく

ここは、とある江戸藩邸上屋敷「……若、若様、若様」測用人の田村が若様を必死に探しまわっている。「うーーん、中々もってココは騒がしいよね」ゆっくりと立ち上がり、着流しに着替えた若君は、達筆な文字で《田村、よきにはからえ》 文を残し今日も今日とて江戸城に繰り出した。登城日以外は、午前中に行われる政務が済んでしまえば将軍様と違って暇なのだ。いやっ、有能な譜代大名の父の後を継ぐ為に___本来なら暇なんて言っ...

27

2017

No.078 クワズイモ 類つく

クワズイモがユラユラと陽の光を浴びて揺らめいている。あまりにもお陽様がポカポカと暖かくて「ふわぁっ~」大きな欠伸を一つした。プルプルッンと子犬のように首を振り眠気を飛ばす努力をした。いつもなら忙しい時間帯なのに、つくしのボスの桜木会長は、何やらお昼過ぎから〝野暮用〟とやらで忙しいようで…...ポッカリと穴が開いた様に暇を持て余しているのだ。夕方には打ち合わせの会食も控えているので帰宅するわけにも行かず...

22

2017

No.073 暗闇と薄明と 類つく

少年は、全て呑み込まされてしまいそうな暗闇が嫌いだった。夜が来る度、膝を抱えながら暗闇に怯えた。淋しく淋しくて震える自分を抱き締めた。真っ暗闇が怖くて、怖くて部屋中の灯りを点けながら眠った。いつからだろう? 暗闇が怖くなくなったのはいつからだろう? 幸せな気持ちさえ抱く様になったのは___夜中に目が覚めて__暗がりの中類の手はつくしを捜す。いつもと変わらぬ温もりに安堵して起き上がり、ほんの少しだけ...

17

2017

No.068 初恋 類つく

緑の木々に囲まれたとあるカフェ。柔らかな光が差す中庭の椅子にその人は腰掛ける。ドックン 心が高鳴る。お陽様と一緒に微睡む姿がまるで天使みたいな彼に恋をした。一目見た瞬間から、つくしの瞳には彼しか映らなくなった。柔らかな色合いの髪が好き。ビー玉みたいな瞳が好き。本を読む真面目な顔が好き。遠くを見つめて物思いに更けてる顔が好き。お陽様と戯れながらうたた寝をする顔が好き。「類!」フワフワと綺麗な茶色の長...

12

2017

No.063 スキスキスキ...キス 類つく

ヒュゥッーー 寒さがいい感じにやって来る。寒さに感謝しながら電話をかける。「牧野、俺」「あっ、類、あのさーー」グットタイミングだったようでご機嫌な声が返ってくる。どうやら今日の夕飯は豚しゃぶに決定らしい。牧野と食事をするのは幸せだ。食べ物が生きて行くために摂らなきゃいけないものじゃなくなって、食べる為に生きてるんじゃないのかっていうぐらいに美味しく感じる。ただ横にあんたが居る。それだけで……不思議だ...

07

2017

No.058 運命のキス 類つく

チュッリップ音がしてを覚ます。うんっ?なんだろう。この柔らかい物体。フワフワして気持ち良いなぁー 運命の相手がいるならば、きっとこんなキスをする相手なんだろう。なんて事を思いながら唇に指を這わせて薄目を開けた。目の前に、目の前に、陽の光を浴びてキラキラと輝く王子様が居た。えっ?えっ? 何?何?慌てて飛び起きてみれば、やっぱりキラキラしてる。まさかあたしの人生でリアル王子様に、こんな接近する日が来る...

02

2017

No.053 真っ赤なネイル 類つく

じっと手を見る。あっ、別に短歌を諳そらんじてるわけじゃない。じっと見ていたのは、牧野の手……もとい牧野の指先。綺麗に彩られた牧野の指先。よく見れば、キラキラと光るストーンまで牧野の爪を彩っている。そんな綺麗な指先にして、あんた誰に見せる為につけたのさ?聞きたいけど聞けないで無言になる。聞きたい事はそれだけじゃない___新しい年、やっぱり牧野に会いたくて牧野の家を訪れた。訪れてみれば何だか慌てた顔して...

23

2016

No.043 キスキスキス......スキ 類つく

ヒュッーー風が吹いて木枯らしが舞っている。ぶるぶるぶるっ……きっとどこかで雪が降ってる寒さだ。こんな時は、お鍋でも食べて心身ともに温まりたい気分だなぁーなんて思ったら、タイミングよくスマホが鳴った。「牧野、俺」「おっ、類」「寒いね」「うん。寒いよね。今晩は豚しゃぶにでもしない?」「あっ、いいね」「じゃぁ、あとでね」約束を交わした後、あたしは階段を降りデパートの食品館に向った。お肉屋さんのショーウィン...

18

2016

No.038 霜柱 類つく

霜柱を初めて見つけた朝……牧野の嬉しそうにはしゃぐ姿が思い浮かんだ。コートを掴んで慌てて家を飛び出した。ウキウキと心がステップを踏んでいる。目に入るもの全てがキラキラと光を纏い、耳に入る全てのものが楽しいリズムを奏でているようだ。「類、今度の所は、な、な、なんとオートロック式なんだよ。凄いでしょ」引っ越しの時、散々自慢してた牧野のマンションに着く。時計を見ればまだ7時前。この時間に牧野の家を訪ねて行...

13

2016

No.033 押し売り 類つく

白いレースの向こうから小ちゃくハミングしてる声が聞こえて来る。何の唄だろう? まだ覚めきらない頭の片隅でぼんやりと考える。ぼんやり考えながら凄く凄く幸せな気分に包まれる。「フッフッフン♪ フッフッフン♪」ハミングの声が大きくなってくる。パチリッと目を覚ませば、「おはよう」満面の笑顔で俺の顔を覗き込んでる顔がある。あんたのハミングが嬉しくって顔がにやけそうだから、たった今目が覚めた振りをして「おはよう...

08

2016

No.028 タルトポワール 類つく

「まきーの」愛しい彼女を呼んでみれば、人差し指がシィッーーの合図をしている。小首を傾げてジィーーッと牧野を見れば顔を赤らめながら「類、反則」可愛い事を言って来て__俺の小指に小指を絡めながら「そろそろ帰ろうかっ?」なんて囁いてくる__俺は、愛しい彼女を見つめてニッコリと微笑む。~*~*~*~*~*~*~*~*「類、類、寝坊助類__ニヤニヤしてないでそろそろ起きろーー」ガックシ__どうやら夢だったらしくって...

04

2016

No.024 エンドレス 類つく

珍しく猛烈に類が怒ってる____ありゃりゃりゃ___ハハッって、なんであそこまで怒ってるんだろう。なんてボンヤリ思ったら「俺、真面目に怒ってるからね」うわっ、マジメが漢字の真面目で怒ってる。「えへへっ」「えへへっじゃない」「でもぉー」「でもじゃない。あっ、ついでにだってでもないから。で、他の所見てないできちんと話しを聞く!」神妙なふりをして頷けば「あのさぁ、俺そこまでバカじゃないから……つくしが何考...

28

2016

No.018 オデトと王子さま 類つく

自分の中に閉じこもってしまった少年は、ちょっぴりお姉さんの女の子に連れられ外の世界に出れたと思っていた。周りは勿論少年自身でさえそう思っていた。でも本当は違う___小さな彼は、小さな彼女に出会って笑う事を思い出してたんだ。/*/*/*/*/*/*/*「ねぇ、あなたって 王子さま?」「………………」「まほうにかかってる王子さまだから おはなしできないの? うんとねあたし、あたしのおなまえは オデト」何を聞いても男の子の...

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2016

No.013 クピド 類つく

美味しそうな香りに釣られて__たまたま入った喫茶店アモル入った瞬間『コンニチハ コンニチハ』極彩色の羽根を持つ物体が喋ってた。しかも……「いらっしゃいませ」『イラッシャイマセ』「何になさいますか?」『ナンニ ナサイマスカ?』お店の女の子の喋る言葉を繰り返しながら鳥籠の中でクルクルと回ってる。「クピド、うるさい!」女の子が怒れば「ツクシ、ウルサイ」名前だけ変えて返している。「クククッ クククッ」そのや...

18

2016

No.008 雨の日に... 類つく

ザザッーー ザザッーー少女がただただ泣いていた。雨に打たれて泣いていた。なんで泣いてるの?___そんなことが気になってずっと見てた。どれくらいの時間、少女を見ていたのだろう?ほんの少しの時間だったのかもしれないし、長い長い時間だったのかもしれない。声を掛けたい。そう思った瞬間少女は、天に向かってニッコリ笑った。雷に打たれたように俺の中に衝撃が走った。はっと我に返った時には涙と笑顔____を残して少...

13

2016

No.003 カサコソ音がする 類つく

「類~」大きな声であんたが俺を呼ぶ。はち切れそうな笑顔で近づいて来る零れ出しそうになるこの想い__心の中に押し込める。「ねっ、ねっ、見た?木瓜の花?」「うんっ?」「ほらっ、五月商店の横からグッと入った所にあったじゃん」「うーん、この頃あの辺は散歩してないかな」「えっ、そうなんだー」あの辺りを散歩してたのは、牧野あんたに会う為だよ。今、五月商店でバイトしてないでしょ?「あぁ」ふ~~ん なんて言いなが...