07
2016
03
2016
ちび ひな祭り 総つく
「ととさまー」菫の声がする。庭を見やると、大野を従えて棒を振り回しながら歌を唄っている。でっけぇ声で歌を唄ってやがる。ふっ、何の歌だ?しばし聞き入る‥おっ、流石に季節がらだな。ちったぁー情緒が育ってきたか?上手に唄うようになったもんだなぁ なんて聞き入る。♪♬ あかりをつけましょぼんぼりに、おはなをあげましょ もものはな♬♪♪♬5にんばやしの ふえたいこきょうは たのしい おちゃかいだ♬♪いやいや、茶事が...
12
2016
ちび 愛を叫ぶ 総つく
父様、すぅちゃんが、居るだけでね、お邸がパァッ〜と明るくなるんだよ。母様が、居る時と一緒なの。不思議だよね。菫が生まれた時から、事あるごとに櫂が言う言葉。邸の中が、パァッ〜と明るくなる。うんうん。解る解るぞ。俺が、つくしに惚れたのも、それを感じた瞬間だったんだからな。ってか、西門の重鎮の奴らも、同じ事感じてやがるんだな。これが。西門の邸の中で、家元夫人の次に、つくしの魅力に気が付いたのは、宮地と志...
20
2016
ちび おにぎりころりん 総つく
夜咄(よばなし)の茶事が行われる‥父様や、母様は勿論の事、邸中が夜咄の茶事の支度で大わらわだ。それもその筈、今日の夜咄の茶事のお客様は、西門の中の重鎮5人衆なのだ。日が暮れると、露地行灯が濡れた露地を照らし出す。幻想的な雰囲気に包まれる。茶道を生業にする家に生まれた事に感謝をする瞬間だ。夜咄の茶事に、出る事を許される日を、僕は夢見る。手燭や竹檠の灯りだけの夜咄の茶事‥「にぃにぃ、にぃにぃ」すぅちゃん...
03
2016
ちび ラジオ体操 総つく
ピッピッ、ピッピッ耳を澄まさないと解らない、小さい電子音が何度も何度も聞こえる‥…何度目かの電子音の後、大きな大きな溜め息「ハァッーアッー」「志摩、この体温計壊れてるよ。」「櫂様、残念な事にこの体温計は壊れてはおりません。」「でもでも、何度計っても38度だよ。」「えぇ、ですから何度もお伝えしております様に、櫂様にはお熱がおありなんですよ。」「志摩、母様を呼んで‥…」 「櫂様、大変申し訳ございませんが、...
17
2015
ちび なぁ菫 総つく
「菫様、廊下は走ってはなりません。」「菫様、足を崩してはいけません。」「菫様‥‥」毎回毎回繰り返される志摩から菫へのお小言。櫂は、志摩に小言なんて言われた事一度もなかったなあーなんてぼんやり考えて、志摩のお小言を聞いていた。で、菫はどうよ?と、見てみれば‥… ぷっ ありゃー絶ってぇー 違う事考えてんだろうの表情。ホント、こいつ飽きねぇーなぁ。「菫様、志摩のお話は聞いていらっしゃいますか?」「っん? シ...
08
2015