明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

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2016

Tea for Two 45  司つく Fin

幸せを噛みしめながら、俺は牧野の顔を見る。愛する女が、俺の胸の中。幸せで幸せでたまらねぇ。ただ一つ困った事が、こいつがバカ女だってことぐれぇだ。いや、ちがうなぁ、そんな女に惚れてる俺か。クゥクゥー寝息をたてて、寝る女を抱き締めて、俺は決心する。俺、頭いいよなと思いつつ。まぁ、バカ女にバカ男じゃ話になんねぇからな。こいつが起きたら、一緒に行こう。そう決心する。寝顔を見てたら、俺の何が反応する。ヤベッ...

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2016

Tea for Two 44  司つく

「司さんが、ど、ど、道明寺??へっへっへぇっ?」「俺の名前は?」「司さん」「ちっ、そうじゃなくてだ、道明寺専務の名前は?」「道明寺 司‥」「なっ」なって?何?なって?マジマジと、司さんの顔を見る。ココにいるのは、やっぱり司さんで‥やっぱり、司さんはマジシャンで「あんなぁ、牧野、俺マジシャンじゃねぇぞ」ひゃっ、な、な、なんで解るの?って、ま、ま、まさか‥ 魔法使い?そっかぁー だからかぁ、うん。だから...

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2016

Tea for Two 43  司つく

「牧野はどこだ」手当り次第に声をかけていく。バッサ、バッサとなぎ倒し‥いや、聞き回り‥牧野を探す。どこかで、小せぇ女が肩震わせて泣いている。早く捜し出さなきゃいけねぇ‥「牧野、牧野はどこだー」地球の真ん中で愛を叫ぶ‥いやいや、社屋の真ん中で牧野を叫ぶ!!「まきのーーー好きだー出てこーい」一斉に、ざわつく‥ だが、そんなんは、関係ねぇってか、ごちゃごちゃしてんのも、全部関係ねぇ俺は、牧野が好きだ。アイツ...

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2016

Tea for Two 42  司つく

項垂れた牧野が「道明寺専務、休憩頂いて宜しいでしょうか?」俺は首を縦にふり「1時間行って来い」そう送り出した。牧野を送り出したと同時に、俺は屋上に走る。眼鏡をかけ、髪の毛を散らして‥俺は‥屋上に走る。‥で、ふと気が付いた。俺、俺のままで行けば良いんじゃねぇかってカッツーン、カッツーン、走るのを止めてガチャリッ 扉を開ける。でっけー青空が目の前に広がってる。 どこまでもどこまでも続く青空だ。牧野が、手摺...

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2016

Tea for Two 41  司つく

タンタカターン♪ タンタカターン♪もうじき牧野がやって来る。待ちきれなくて、空を見上げる。悶々とした思いは、さて置いてだ‥‥牧野に会える、そう思うと胸が高鳴る。グフッグフッ、笑いが零れちまう。顔を引き締めても、引き締めても、にやついちまう。タンタカターン♪タンタカターン♪ウェディングソングって奴が、頭から離れねぇーーくぅーーー あいつの花嫁姿‥綺麗だろうなぁー明日には、婚約指輪も出来上がる。きちんと牧野...

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2016

Tea for Two 40  司つく

「吉野~NY出張入れろ~」「無理です」チェッ、チェッ、チェッ‥人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて寝てろ!いやぁー、寝ませんし、死にませんけどね‥涼し気な顔で、言いやがる。ったく、面白くねぇなぁー俺は死にもの狂いで働いて、2週間に一度NYに行くようにしている。往復で1日かかるが、牧野に会って至極の時ってやつを過ごす為だ、仕方ねぇ。金曜の夜にこっちを立つ。日本時間の日曜夕方向こうを立つ。28時間ぐれぇは、...

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2016

Tea for Two 39  司つく

牧野さん、うーん、息子の婚約者になるお嬢さんを名字で呼ぶって言うのもねぇー‥ゆくゆくは、私の娘だしね〜そんな事を言い出して、”つくしちゃん”  と呼ぶようになった楓社長‥あれから‥日本に帰らず、何故か‥NYに住んでいる。まぁ、その道明寺とは、遠距離恋愛という奴になっていて、将来‥一緒に道明寺を支える為に、目下、楓社長&西田さんコンビの後をついて修行中。うーん、何だか良くわからない状況だ。って、あたし‥彼女な...

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2016

Tea for Two 38  司つく

ニタリと笑う男が一人‥「懲戒解雇‥裁判‥実刑‥前科者‥」嬉しそうに、嬉しそうに、ニタリ、ニヤリと笑いながら‥‥あたしの唇を指でなぞる‥「‥ご、ご、ごめんなさい‥」「なぁ、牧野、」「はい」思わず大きな声で返事する。「お前が、訴えられなくて済むいい方法があんぞ」天の助け!! ヒャッホイ‥ あたし、この時点で、いいや正確にいうともっと前の時点だけど‥冷静さを失っていたのだろう。物事を的確に見極め、ジャッジする力に。...

20

2016

Tea for Two 37  司つく

道明寺の手を握りながら、トントンをする。お布団の上をトントントン。一定のリズムを刻みながら。オデコとオデコをくっつけて、熱をみる。「うん。お薬が効いてきたきた」おでこのタオルを変えてあげたいのだけど、握った手を離そうとすると‥小ちゃな子供のように愚図る。“うーーーん” って‥‥ 好きな人のこんな姿をみたら、母性本能バリバリになちゃって‥はぁっーーーーー 大きな溜め息を吐いちゃった。どう考えても、どう足掻...

19

2016

Tea for Two 36  司つく

牧野は、眠る。俺の腕の中で‥コイツ、無防備だよなぁー ガキみたいに。いやいや、今時のガキのが、余程しっかりしてんよな‥ってか、コイツ‥無防備過ぎんだろう‥仮にも、俺だって男だぞ? 『‥うーーん‥もぉ食べ‥な‥って‥むにゃ‥』ぷっ、なんの夢見てんだ?また食いもんの夢か?ったく‥ホント、お子様だよな。なのによぉ、お前の黒髪が、白い肌が、この唇が、俺を誘惑すんだよな。牧野を抱きかかえ、こっちに来た時に使ってる部屋...

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2016

Tea for Two 35  司つく

「ど、ど、道明寺‥」固まる俺に‥ この後、お前が放った言葉‥「ごめんね。これ最後の一皿だったんだ‥」はぁっー と安堵すると共に、もしかしたら‥いやもしかしなくても、鈍感牧野は、このまま、俺の気持ちになんて、一生気が付かねぇかも知んねぇ、そう思った‥もしや、いやもしかしなくても‥コイツの頭は、とことん恋愛向けに出来てねぇって、ことはだ‥コイツの言う、<好きな人、仕事、生きる>っつーのは、何だ?まさか、好きな...

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2016

Tea for Two 34 司つく

ま、ま、牧野は、俺が好き〜♪ あっ,どっこいしょま、ま、牧野は、俺が好き〜♪ これまた、どっこいしょ俺様は、牧野を嫁にする。脳は、そんなことばかり考えて、いささかショート気味だ。やべっ、これじゃ色ボケも良いとこだ。男は、渋くなきゃ‥だよな? あんまニヤついてると、またキモイとか言われんよな‥ったく、コイツぐれぇだよな。俺様に向ってキモイなんて言う女。まぁよぉ、そこも引っ括めて、全部イイんだけどな。カカ...

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2016

Tea for Two 33 司つく

ギリシャ神話の彫刻みたいか?って聞かれて‥大笑いしちゃったけど‥なんか辛い事でもあって変になちゃったのかな?その後も、ずっとにやけてるんだもん。思わず『きもい』なんて言っちゃったけど、傷ついたかな?大丈夫かな?チラッと、道明寺を見る。あっ専務を見る。あーん、もう面倒くさい。道明寺で統一だ。どうせ、あたしの頭の中での考え事だもん。いいよね?“うんいいよ、大丈夫” ファンシーちゃんがニッコリ笑えば“ここは...

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2016

Tea for Two 32 司つく

一頻り笑った後も、俺のニヤニヤは止まらない。まぁ、俺も道明寺HD専務だ。他の奴らにはバレない自信はあるが‥「道明寺‥きもい」大笑いして元気になって、すっかり道明寺呼びに戻った牧野、真顔に戻って一番に放った言葉‥コイツは、俺のちょっとした変化も見逃さない‥んだよな。くくっ、そりゃそうだよな。コイツ俺に惚れてるんだかんな。ププッニヤニヤ‥「ねぇ、本当にきもいよ?」社長室に続く廊下を歩きながら、ブツブツ言って...

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2016

Tea for Two 31 司つく

大概の時間っつぅもんは、楽しい時ほど早く立ちやがる。時を操る魔王なんっつーのが現れて、この嬉しい時間を伸ばしてくれりゃーいいのによぉ− そう言うわけにも、いかねぇようで‥本社前に、あっという間に到着しやがる。俺の後ろを、小走りで付いてきやがる。あんまり可愛らしくて、歩幅をわざと大きくして歩く。チョコマカついてくる姿が、マジ可愛い。ってか、何やってもても可愛いんだけどな。歩幅を緩める‥牧野がゆっくり歩...

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2016

Tea for Two 30  司つく

星をみた翌日から続く気まずさを、残したまま俺等はNYに飛び立った。突然のババァの呼び出しで、狂ちまったスケジュール‥機内の中でも目が回る忙しさだ。隣に座っている牧野も、次から次へと仕事をこなして行っている。「お前、ホント優秀だな」ポツリと呟いた俺に、珍しくそう珍しく、飛び切りの笑顔で微笑む牧野。やっぱり、お前は笑ってた方がいい。「なぁ、牧野‥」「はいっ」「あっ、いや何でもねぇ」首を捻りながら、ハァッー...

12

2016

Tea for Two 29  司つく

雲一つない空を見上げる。「相談は、乗ってやる。その男がどんな奴か教えろよ」目を真っ赤にした牧野が、ポツリポツリ答える。聞けば聞く程、ロクデモナイ男だ。‥‥いや、嫌味な奴だ。いつも良い香りを漂わせて、オーダーメイドのパリッとしたスーツや靴を身に付けて、小物は、日替わり。バリトンの声は、女の心を鷲掴みにするらしい。きめの細かい肌に、ギリシャ神話に出て来るように整った容姿‥極めつけは、三白眼の鋭い眼光が、...

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2016

Tea for Two 28  司つく

「道明寺専務、少し休憩を頂きます」俺は、大仰に頷く。牧野が部屋を出て行く。俺は、隠し扉から外へ出て、階段を駆け上がる。眼鏡をかけて髪を崩す。息せき切って、階段を昇る。「司さん‥こんにちは」牧野の声がして、俺は振り向く。ちょっぴり目の赤い牧野が立っている。って?お前どうした?なんで目が赤いんだ?なんか嫌な事でもあったか?なぁ、腹いてぇのか?なぁ、どうした??「目‥どうした?」「あっ、花粉症で‥」そんな...

10

2016

Tea for Two 27  司つく

「ダメだ」「はっ?どう言う事でしょうか?」「どう言う事もない。ダメだ」ダメだ、どういう事だの攻防戦の後、取りあえず‥専務権限ってやつで、俺の意見が通った。だけど‥だんまり無視を決め込んでやがる‥息がつけねぇ、気分が重い‥いつもだったら車の中は、牧野の笑い声で満ちている。クダラネぇ、でも何だか心が浮き立つような会話で満ちている。なのに、なのに‥今日の牧野は、頑に俺をこばむ。車は、無言の俺らを乗せて屋敷に...

09

2016

Tea for Two 26  司つく

牧野が変だ‥なんか落ちてるもん食ったんじゃねぇか?なんて一瞬考えちまったぐれぇー変だ。仕事でもねぇのに、「道明寺専務、おはようございます」なんて丁寧に挨拶しやがる。道明寺って、偉そうに呼ばねぇんだ。絶対に、可笑しい‥俺、何かしちまったか?確かに、妄想の中の俺は、コイツを押し倒し、キスなんてもんしちまった。でもでもだ。それは、妄想だ、妄想。本当にはやってねぇー 天地神明に誓って、何も手は出してねぇ。確...

08

2016

Tea for Two 25  司つく

いつの間にか、寝ていたあたし‥目を覚ましたら、至近距離?ううんオデコとオデコをくっつけて、道明寺と二人で眠ってた。ドッキン。まただ‥道明寺の無防備な顔を見るとあたしの鼓動は高鳴るんだ。反則だよ道明寺。彫刻の様に綺麗な顔しているのに、こんなにあどけない顔して眠ってるんだもん。吐息と吐息が触れ合う距離。あたしは、道明寺を見つめる。ドッキンドクドク 胸の鼓動は鳴り止まない。そうか、あたし‥‥道明寺に恋をしち...

07

2016

Tea for Two 24  司つく

「なぁ牧野、もしもよぉーもしもよぉ司さんがさぁー」「うーーん?」確かに、この辺りまでは返事があったんだ。なのに、なのにだ俺が意を決して言った次のセリフ「司さんが、俺だったらお前どうする?」の質問には返事がなかった。マジか?嫌いになられたか?怒ってるのか?戦々恐々しながら後ろを見ると、俺の背中にもたれかかりながら、スゥースゥー寝る牧野‥こいつ‥一体どんだけ寝るんだよ?そう思いながら、デコピン一つする。...

06

2016

Tea for Two 23  司つく

マジ可愛い。ダメだ、押し倒す‥そう思った瞬間‥牧野が、「ねぇ道明寺は、お腹大丈夫?」なんて聞いてくる。「っん?腹?腹は大丈夫だ」「じゃぁさぁ、胸は?」胸???? 牧野の胸をじっと見る。「あっ、何見てんの」バコンッといい音が響き渡る。「痛っ」俺が言うと、「自業自得」と言い返して来る。この女、ゼッテェーその手に持ったマジックペンの存在を忘れてやがる。こいつの脳みそは、マジ半端ねぇーなと感心する。イヤイヤ...

05

2016

Tea for Two 22  司つく

どっきんドクドク、あたし‥どうしちゃったんだろう?もしかして、食中毒?えっ、えっ、でもでも‥普段のあたし賞味期限切れた卵食べても、牛乳飲んでもぴんぴんしてるよね? うーーん。ドクドクどっくんあたしの鼓動が音を立てている。ぅうーーん。困ったなぁ‥これから朝ご飯なのに‥グッスン‥‥なんだか、涙がポツリと頬を伝って。ちょっぴり泣いたら、なんだかスッキリしたから、ビィ−ビイーエーンエーン泣いた。いやいや、あたし‥...

04

2016

Tea for Two 21  司つく

うーーーーーん 良く寝た〜 「ギャッ」隣にいたのは、道明寺‥寝顔が、何だか可愛らしくてドキドキする。えっ? ド‥キ‥ドキ?えっ?えっ?えっ? 誰が誰に? えっ?えっ?いやいやいや、その前に‥‥しばしシンキングタイム‥ なぜここにいる?うんと、うんと、突如‥温泉の下見だとかなんとか言って、八ヶ岳に連れてこられた。うん。そうだ。で?で?ご飯を食べた。美味しかった。満足、満点で、満天の星を見た。凄いの、凄いの...

03

2016

Tea for Two 20 司つく

「へぇっ?湯?って、道明寺専務、温泉に行くんですか?ヘェ〜お土産買って来て下さいね」小っけぇ女は、一人で勘違いしながら暴走を始めてる。「温泉なん行かねぇよ」「あら〜そうなんですか。残念!」あんまり残念そうじゃなく、そんなことを言う。「お前、温泉好きなのか?」「好きですよぉ〜 ってか、温泉嫌いの日本人あんまり居ないんじゃないですかね?」ふぅーん そう言うもんか。好きですよぉ〜 か、 好きって響きは、...

02

2016

Tea for Two 19 司つく

小っけぇ女が、笑いながら手を振っている。道明寺の前じゃ見せねぇ、甘い甘い恋する笑顔だ。この笑顔を見る度に、俺様の心は、パラドックスに陥りやがる。ドックって言ったって、犬じゃねぇぞ。ジレンマ、矛盾、逆説って奴だ。ハァッー、これぞ正しくパラドックス‥こいつは、間違いなく“司さん”に、恋してる。だってよぉ、すげぇ可愛いんだぞ。全身で、好きっていってやがる。唇だって、ピンクで艶々してやがるんだ。だけど‥司さん...

01

2016

Tea for Two 18 司つく

あたしの一日は、道明寺専務と共に始まり、共に終わる‥‥って、ってそうなんだ、そうなんだ、‥‥月曜日、出勤後から、連日連夜のパーティー会食三昧なのだ。で、で、いつの間にやら、専務専属秘書になっったあたしは‥‥ 道明寺邸の一員みたいに、なってるんだ。うぅーーん。自宅マンション?なにそれ状態だ。いや、帰った所で寝る所がないのだ。それは何故? Why? はーい。それは、椿お姉さんのプレゼントして下さった、スーツやら...

31

2016

Tea for Two 17 司つく

天晴れというほどに、素早く支度が整えられていく。いつの間にやら、用意されてた、あたしのワンピース。メイクが施され、髪の毛をセットされたあたしは、「うわっ、可愛い」思わず自分で自分の顔を見て呟いたくらい変わってた。椿お姉さんが、横から斜めからチェックを入れて「ううん、可愛い♪」そう言いながら、美しく整った顔を近づけてくる。毛穴一つ見えない、美しい肌。いい香りのするサラサラの髪の毛。司さんに、なんとな...

28

2016

Tea for Two 16  司つく

「ウメェか?」「美味しい?」道明寺姉弟が二人同時に聞いて来る。「あっ、はい。」あたしが答えると、2人揃って嬉しそうに笑う。あたしは一つ気が付いた。道明寺姉弟と、司さんがとても似ている事に。はっ、もしかして‥司さんって、影武者?イヤイヤ流石に現代‥影武者なんてあり得ない。じゃぁ、隠密行動は?そりゃぁあるに決まってる。人目を忍んで働く事なんて、沢山あるだろう。司さん‥だから、いつもあんな人気のない屋上にい...