明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

02

2016

その距離50センチ 1 あきつく

息せき切って、もう直き、牧野がやってくるだろう。「はぁっー ごめんねぇ 待った?」なんてことを言いながら、水を一気飲みすんだろうな。1ミリも色っぽくなんてないのに、俺の胸は、キュンとしちゃうんだろうなっ。そんな事を思って、苦笑する。牧野を思う時、たまらなく愛おしさがこみ上げて来る。自然に笑みが溢れる。牧野に会う前の、打ち合わせは大概成功する。今の所、ほほ9割り打者の成績だ。に、しても‥マダムキラー...

03

2016

その距離50センチ 2 あきつく

牧野は、時折もの凄—く色っぽい表情を浮かべる。計算か?なんて考えた事もあるぐらい、色っぽい表情だ。牧野に、計算なんて出来たら、俺の片思いも何とかなってるよな? ふぅーっ。計算とか、駆け引きとか出来るくらいの女なら、俺も救われたのになぁと思い、牧野を見る。きょとんとした表情で、俺を見る牧野は、小さな女の子のようで、すげぇ可愛い。いやいやいや、俺にその手の趣味はない。俺はこう、しっとりとした大人の女が...

04

2016

その距離50センチ 3 あきつく

ハフハフしながら、鼻の頭に汗いて「うーーん っまい♪」本当に幸せそうに味噌煮込みうどんを食べる牧野。色気ねぇーな、と苦笑しつつそんな牧野に色気を感じてるもう一人の俺が居る首筋に、汗がツツッーと流れる。ゾクゾクするほどに、色っぽさを感じて、慌てて首をふる。「美作さん、この牛スジ最高だよーホラッ」なんて言いながら、食べさせようとするのが照れくさくて「ホラッ汗‥‥」ハンカチを渡す。えへへっ、と笑いながらハ...

05

2016

その距離50センチ 4 あきつく

今、俺が牧野と過ごせる奇跡に‥感謝だよな。ブルーローズを眺める牧野を見て、そう思う。ヘタレ,ヘタレ五月蝿いけれど、家族のお陰だと感謝している。五月蝿いけれど、煩わしくはない。時折、それはなくねぇか?の勢いだけどな。***司と覚悟の別れをした時、牧野がいなくなってしまいそうで、すぅっーーと消えてしまいそうで怖かった。総二郎は、寺に修行に、類も海外で忙しくしていた時期だった。大雨のあの日、雨に打たれて...

06

2016

その距離50センチ 5 あきつく

親父の株が一気に急上昇した後、牧野は双子の家庭教師として、美作に通うようになった。最初は、週2回の約束だった。それがいつの間にか週3回になったのは、これまた親父の手腕。親父株一気に高沸騰だったけよな。きっかけは、双子の成績が急上昇した事と、2人切りの世界になりがちなあいつ等が、目を広げ、それぞれがそれぞれに新しい世界や、新しい友人を見つけた事。あいつ等2人、牧野を自慢したいもんだから、友達を連れて...

07

2016

その距離50センチ 6 あきつく

アルコールが入って、ほんのり桜色に頬を染めた牧野が「そう言えばね、希美社長が言ってたんだけど、夢子さん狙った獲物は逃さないって本当?」何かを思い出したのか、ククッククッ笑いながら話す。「狙った獲物?」「うんうん。すぐるパパさんしかり、ドリームカンパニーしかりだって」「あぁ、欲しいもんは、何がなんでも手に入れるってやつだろう?」「そうそう。それも、絶対にバレないように、蜘蛛の巣を張り巡らせるように‥...

08

2016

その距離50センチ 7 あきつく

遠慮する牧野を、マンションの前まで送る。鼻歌を唄いながら、牧野が前を歩く。その距離50センチ‥手を伸ばせば、届く距離。だけど‥手を伸ばさなければ、届かない距離。これが、牧野と俺の距離。縮まりそうで、なかなか縮まらないそんな距離。もどかしいけれど、そんな曖昧な距離に甘んじているそんな距離。いや、違うな。もしも拒絶されたら?そんな事を考えると埋められない距離なんだろうな。「ご機嫌だな?」「うふふっ、夜桜...

09

2016

その距離50センチ 8 あきつく

あははっ、間違いなくヘタレ認定確定の俺‥ほろ酔い気分の牧野が可愛く微笑んでるのに、見てるだけ、それだけで幸せで‥手なんて出せなくて‥牧野が酔いつぶれたのを見て、ベッドまで運んで隣で見てた。可愛いよなぁーって。うん。すげぇー可愛いって。布団をかけ直し、部屋を出た。鍵は、ポストに入れておいた。白み始めた道を歩いて、帰路についた。朝帰りの俺を待ち受けていたのは、ニコニコ顔のお袋と親父‥と婆ちゃんワクワクして...

10

2016

その距離50センチ 9 あきつく

お口あーんで65点か‥この点数は良いんだろうか?悪いんだろうか?うーん 微妙な数字だ‥な‥正しく俺と牧野の関係だ‥ 絵夢も微妙な線ついてくる。やるなーなんて一瞬、思ったのは‥言えない。オデコに手をあてて、「はぁっー」と溜め息吐く筈だ。しかも、何故か芽夢も一緒に。フッゥ~ 難儀だな。朝早くから来ていた牧野。昼の内に帰ろうと思っていたようだが‥そうは、いかせないのが‥我が家の女性軍流石の牧野も、タジタジになり...

11

2016

その距離50センチ 10 あきつく

その社則、後にも先にも発動されんのは、牧野だけだろう。牧野は、ビックリしてアワワっしてて、気が付いちゃいないけど、お袋の瞳がクスリと笑ってる。絶対に、絶対に姉妹結託して社則を作った‥筈だ。横を見ると婆ちゃんも満面の笑顔‥って、事は3人で結託か。すげぇなぁ。我が親族ながら感嘆する。婆ちゃんが、嬉しそうに「じゃぁ、皆で乾杯しましょうかね」グラスが重なる。鳩豆牧野も、その場に流され杯を重ねる。やべっ、あい...

12

2016

その距離50センチ 11 あきつく

美味そうに飯を食う牧野を見ていると、気怠い朝が活力に満ちた朝に変わって来る。「美味しいか?」「うん、とっても美味しいよ」「あーん」そう言いながら、ポトフを掬って食べさせてくれる。ほかほかポトフが、心の中までほかほかを連れて来てくれる。「本当だ」「ねっ、美味しいでしょ」二人でニッコリ笑って、頷き合う。瞬間、視線を感じ振り向くと、ヨシヨシというように芽夢が頷いて、牧野に見えないようにピースサインを送っ...

13

2016

その距離50センチ 12 あきつく

お袋と共に、牧野が消える。俺は、婆ちゃんに「挨拶回りって、一体どういう事でしょうか?」「あきらも、秋には美作商事本部長を任せようと思っているという事ですよ。不服ですか?」「いや‥ありがとうございます‥ただ、まだ早い気がするのですが」「あら、随分と大口契約を決めているそうじゃない?周りのものにも評判が良いのよ。遅い位じゃないかしら?」「はぁっー」牧野に会うのに、気合い入れたお陰ですとも言えず‥なんとも...

14

2016

その距離50センチ 13 あきつく

俺と牧野の挨拶回りが始まる。婆ちゃんが「秋に美作の本部長就任の美作あきら。隣が秘書を務めて頂く牧野つくしさん。まだ非公開ですけど、よろしくね」オホホッと婆ちゃんが笑えば、相手側も、嬉しそうににこやかにアハハッと笑う。中には、奥方同伴なんてのまであったりして‥ってか、そっちのが多いくらいで‥皆の注目の的が牧野に注がれる。鈍感牧野は、何も気が付かず、満面の笑みで挨拶をしている「本当に可愛いお嬢さんで、ど...

15

2016

その距離50センチ 14 あきつく

関西出張‥あははっ 何故か お袋と双子が付いて来た。お袋の会社の新店舗を出すとか出さないとか‥双子は、社会勉強だとか‥ 別邸に帰ると、お袋と双子‥そして何故か親父もやって来ていて、美作の屋敷となんら変わりのない日常が繰り広げられている。この2週間、牧野が傍にいるのが当たり前になった。朝、目が覚めて階下に行くと、牧野がお茶を飲みながら俺を待っていてくれたり、庭を散歩していたり‥牧野が居る。それが当たり前...

16

2016

その距離50センチ 15 あきつく

愛する男(ひと)の髪に触れる。そぉっとそぉっと起さないように。そして、思い出すあの日の事を。* **「つくしちゃん、今日はちょっと私に付き合ってくれる。」そう連絡を受けたのは、双子ちゃん達が修学旅行で海外に行っていたときだった。「つくしちゃーん」待ち合わせの場所にやってきた夢子さんは、いつもとは違う、タイトなスーツに身を包んでいた。その足で連れて行かれたのが、夢子さんが自ら社長を勤める会社。ローズ...

17

2016

その距離50センチ 16 あきつく

希美社長は、仕事の鬼だった。一度目の失敗には、優しい。だが2度同じ失敗をしたら鉄拳が飛んで来る。って、本当に鉄拳は飛んで来たことはないけれど‥というよりも、失敗をした事に関しては、何故失敗したかを考察し、どうしたら良かったかを、考えさせられるので、同様な件にぶつかった時に、同じ失敗をする事はないのだ。仕事の鬼は、驚く程に親切な鬼なのだ。先輩や同僚も同様だ。意地悪をする暇があるならば、他人の足を引っ...

18

2016

その距離50センチ 17 あきつく

今回の移動は、晴天の霹靂だったけど‥あたしは、いつの日か‥美作さんの手足になり役に立ちたいと願っていた。朝子会長が、下さったチャンスだと思ってる。最後のチャンスになっちゃうかもしれないけれど‥あたしは、頑張る。そう決めている。あたしは、猾い‥ 美作さんの包囲を固めている‥あたしは、猾い‥ 美作さんの人の良さを利用して、断れないように、話しをもっていく。‥でも‥猾いのを百も承知だ。だけど、あたしはチャンスを...

19

2016

その距離50センチ 18 あきつく

暢気に眠りこけてる愛しの美作さんに、凭れ掛かって目を瞑る。幸せな気分であたしは眠る。牧野の香りが、鼻腔を刺激する。爽やかなのに、甘い。甘いのに凛としてる‥そんなアプローズの薫り方。牧野が、フレグランスを身に纏うようになったのは何時だっただろう?フォレストの新人歓迎会の後だったけかな?ドキッとした、色っぽい香りに。 ドキッとした、男が出来たんじゃないかと。アプローズの香りは、ユニセックスで‥実は俺も使...

20

2016

その距離50センチ 19 あきつく

ま、ま、牧野つくしー押し倒されます。そう思ったのに‥あれっ?あれっ? まさかの寝落ち??「み、み、美作さん?美作あきらさーん」あははっ、あたし‥抱き締められたまま‥なんか、微妙な状況で、寝られてしまった。って、って‥どんだけ?抱き締められたのは‥うん。嬉しい。うん。進歩だ進歩。人類がハジメテ月面着陸したくらい記念的。で、で、でも‥ まさかの寝落ち‥流石‥‥ブルーローズ‥あははっ、笑うしかないよね?いやいやこ...

21

2016

その距離50センチ 20R あきつく

俺の女神‥抱き締めた瞬間に、安堵と共に甘美な眠りがやってくる。アプローズの薫り立つ。牧野の薫りと相まって俺を夢の世界へ誘う。夢か現か‥ 女神の声がする。“既成事実” “押し倒す” うーん? 牧野何言ってんの?俺、流石に‥そんな紳士的な行動から外れる真似しないよ。夢か現か‥ 瞬間‥“ 経験豊富になっておくんだった ” そんな声がする‥俺は慌てて、飛び起きる‥ 牧野、経験豊富には俺がするよ。腕の中で震える女神の口...

22

2016

その距離50センチ 21 あきつく

つくしが眠る。俺の腕の中‥必死にしがみつきながら、痛さに耐えてくれた。「ありがとう」と「愛してる」2つの気持ちを込めて、つくしの髪にキスをする。アバンチュールでないセックスが、こんなに気持ちの良いものだったなんて‥初めて知った。‥つくしを抱き初めて知る‥心の底から湧き出る愛おしいという気持ち。俺が恐れていたのは、この感覚だったんだ‥つくしを誰にも渡したくない。触れさせたくない。見せたくない。バカみたいに...

23

2016

その距離50センチ fin あきつく

手を伸ばすと、横には美作さん‥夢にまで見た‥って、夢じゃないよね?頬を抓って見る‥アレっ痛くない‥アレっ アレっ? うん。仕方ない‥目の前の愛おしい美作さんの頬を抓ってみる。「痛っ」「うふふっ、夢じゃなかった」ギュッと抱き締められて、口づけを一つ。幸せで涙がポツリ。美作さんが涙を、唇で掬いとりながら「俺も夢かと思って、さっき自分の頬を抓ってみた」笑いながら言ってくれる。「ねぇ、美作さん」「っん?」「あ...