15
2023
03
2023
19
2022
16
2022
05
2022
02
2022
24
2022
21
2022
21
2022
愛なんていらないから05 つかつく
確かあたしは、横手物産の福山係長とアポを取ったはずだ。福山係長は真っ直ぐな髪の小柄な人だったよ……な?うんっ そうだ。小学生のあの夏休み。メモリースポーツ大会を目指して日夜訓練に励んでいたあたしの脳が、コノオトコハ、フクヤマカカリチョウ デハナイ。と言っている。まぁブームはあの夏休みの日々で終わったが、そのお陰でえありしと物覚えはいいはず。第一に福山係長は女性だ。じゃあ なぜ、あの受付嬢はこの部屋に...
09
2022
09
2022
愛なんていらないから03 つかつく
くしゅんっ くしゅんっ くしゅんっ小さなくしゃみが3回出て、あら?誰かがあたしに惚れた?なんて暢気に笑ったら「やだぁ、牧野先輩風邪ですか? うつさないでくださいよ。先輩仕事いっぱい残ってますよね?」いやいやいや、今田さんあなたの仕事の間に合わない分だよね?「ってか、鼻水飛んでません? 美香、もう食べる気失せちゃったんですけどぉ。もう牧野先輩の奢りですよ」えっ、もうあと残りって、一口だよね? その一...
18
2021
15
2021
愛なんていらないから02 つかつく
久しぶりにぐっすりと眠った朝。ベッドサイドに置かれた金を見た。なんだこれは?もう一度見ても、変わらずにそれはそこに置いてある。まぁそれはそうだ。あるものがないという方が物理的に可笑しいのだから。それにしてもだ_____なんだこれは?そう考えてから、ベッドから立ち上がり部屋の中を見回した。目頭を押さえて昨夜の事を思い出す。________いつものように眠れずに、眠剤を酒で飲んでから、秘書の沖田に命じ...
14
2021
愛なんていらないから01 つかつく
おめでとうーーーおめでとうーーーー歓声と拍手と花が舞う。色とりどりの花びらが舞う。あぁ、綺麗 人生最良の日だ!!そう思いながら、あたしは笑みを浮かべ手を振る...
12
2021
01
2019
16
2019
紅蓮 110 つかつく
司が頷いた瞬間……了承を得たとばかりに女は「一途な思いは、善なのでございましょうか? 悪なのでございましょうか? ……道明寺さんは、どう思われますか?」そう問うた。「……一途な思い?」「えぇ。一途な思いでございます」「それは、俺の彼女への思いに対してですか?」「それも含めて、全てのことに対してでございます」しばしの沈黙の後「……indifferentia貴女は、いや、永瀬さんはどう思われますか?」司が自分の名を呼んだこ...
03
2019
紅蓮 109 つかつく
司は、目に見えぬ者に対しての精一杯の誠意だとばかりに、護衛の者も付けずにただ一人、地図に指し示されていた場所に向かった。目的の場所は、廃墟と化した一軒の洋館だった。波が満ち溢れて来たのだろうか、窓の外から潮騒の音が聞こえる。潮騒の音は司に、つくしを迎えに来た日のことを皮切りに、二人で過ごした日々を思い起こさせる。司の表情(かお)にに柔らかい微笑みが浮かんだ。つくしと出会うまでの司は、空虚の中を彷徨...
15
2019
ネクタール 08 つかつく
「……多分、そう……だな」俺の返事に、牧野の瞳は更見開かれ、大袈裟でも何でもなくて、今にもおこっちそうだった。人間の目ってこんなにデカくなんだなって変なトコに感心した。いやっ 待てよ。こいつ若しや 妖怪 蔵ボッコ改め、一つ目タヌキか?いやいや、目が二つあるから、一つ目って事はねぇよな。「……司さん、司さん、なんか全く違うこと考えてません?」大きく見開かれていた筈の瞳が、スゥーっと細められ俺をジロリと見てい...
07
2019
ネクタール 07 つかつく
目的の場所についても眠る牧野を見つめていたくて、エンジンをつけたまま停車していた。眠る牧野は、俺の願望がそう見せるのか……なんだかとっても幸せそうで満ち足りた顔をしていた。その顔を見つめれば、心の奥底からなんとも言えない気持ちが湧いてくる。フワフワとして甘く蕩けそうで、なのに……なんだか、涙が出そうで……って「……ったぁ、俺、まったくもってイカれてんな」恥ずかしくなって……ハンドルにうっぷした途端プーーーク...
14
2018
29
2018
ネクタール 05 つかつく
「おっ! 久しぶりだな」「忙しいとこ、悪いな」「かまわねぇそれにしても、三人揃って頼みごとって何だ?」ソファーに腰掛けながら三人の顔を交互に見た。なんとなく普段と違って見えるのは気のせいか?マドラーと氷の触れ合う音がカランとなって、俺の前に水割りが差し出された。琥珀色のその液体をグイッと飲もうとした瞬間……一枚の紙が俺の前に置かれた「なんだ、コレ?」まじまじと見れば、それは牧野の履歴書だった。コレが...
19
2018
ネクタール 04 つかつく
牧野は、困った顔をして「妹じゃないのは知ってるよ」その言葉に俺の胸は、ズキンと痛くなる。恋は、ワクワクや幸せと共に、こんな胸の痛さまでも連れてくんだって……初めて知った。「大切な幼なじみ……だよトウもハナヤンもミマくんもそれは向こうも一緒だよ」胸の痛さが俺を打ち、言わなくてもいい言葉が、押し込めてた思いが、口から出て行きやがる「向こうは、向こうは、お前を特別な女として見てる」黒い思いは止まらない。「お...
15
2018
ネクタール 03 つかつく
結果牧野はスゲェ可愛かった。そして俺は、夏が終わる頃には身悶えする程に牧野に恋をしている自分に気が付いた。何故か相変わらず、スーツになると地味で冴えない牧野になる。生地は上等だ。着心地も良さそうだ。だが、垢抜けねぇんだ。「なぁ、牧野のスーツ……どこで買ったんだ?」心臓バクバクさせながら聞いてみた。「うんっ? あっ、コレは幼なじみ達からの就活応援プレゼントなんですよ」ニッコリ笑って牧野が言った。その言...
13
2018
12
2018
ネクタール 01 つかつく
どこで買ったんだ?みんな同じような没個性のリクルートスーツの中で、黒のスーツの女だけが際立って冴えなく感じてテレビモニターを凝視した。人事部長が「牧野さんは、インターン生の中でみとても優秀なようですが、我が社を受けられた志望動機をお教え下さい」ルーチンワークのように、用意された質問の一つを目の前の女に聞いている。四角四面の面白くもなんともない定型文のような答えが返ってくる筈だった。「二十歳の誕生日...
04
2018
15
2018
13
2018
09
2018