明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

03

2015

レッスン 前編  総つく 

「若宗匠お願いがあります。」神妙な顔をしながらも、唐突に本当に唐突にそう切り出した俺の弟子。少しモジモジしながら「あたしに色気をご伝授下さい」必死になって頼み込んでくる、色気もへちまもない女。「…い、色気ってか? いったい何言い出すんだお前」焦る俺。本当にこいつはいつでも唐突だ。18の年から、俺の所に通いだして早10年。その間に、司とも別れ…いつの間にか西門の一門に気に入られ、重鎮の狸オヤジ共を飼いなら...

03

2015

レッスン 中編 総つく

「答えは?答え?」鬼の様な形相で迫られ、無言で頷くしかなかった俺「では、お色気レッスンお願い致します。」この10年で身に着けたそれはそれは美しい所作でお辞儀をする牧野。……その日から、茶道の師弟関のみならず、お色気レッスンの師弟関係が加わわった。お色気レッスンって、なんだよ…それ??? な、俺だが本人はいたって本気だから性質が悪い。メモ帳まで持ち出しそうな勢いで俺を観察するのに、俺のプライベート空間...

03

2015

レッスン 後編 総つく

散々管を巻いたあいつは、コテンっと突然寝てしまった。揺すってもなにしても起きない牧野。仕方がないので、あいつの寝顔を眺めながら色々考える。何で俺はここ数年女遊びを辞めたんだ? 茶についてもっともっとの探究心が出てきたのは何がきっかけだ? 俺の茶が変わり、心がこもってきたと言われだしたのは何時からだ?少し考えれば全てが明白だった。こいつが司と別れ、しばらく経ってから 「やっぱりお茶が好き。迷惑でなけ...

08

2015

一葉の写真 前編 総つく

「総、見て見て...」この邸には一見不釣り合いな明るく透き通る大きな声で俺を呼ぶ。彼女が手にしていたのは、懐かしい一葉の写真…親友達皆で撮った懐かしい写真「もうどのくらい経つんだろうね?」大きな目を細めながら考え込むお前「この写真って、あたし制服着てるから高校の時のだよね?だとすると30年は経ってるって事かぁ…流石に皆も若いよね…」懐かしそうにお前の指が写真をなぞる。そんな仕草も色っぽくて見惚れちまう...

08

2015

一葉の写真 後編 総つく

牧野が西門に来るようになって、なぜか親父や弟までもが稽古の終わりを待ち、皆で飯を食うようになった。人生生きてきて29年小っちぇえガキの時も味わったことのない≪ 家族団欒 ≫ なんてものが西門で毎週繰り広げられてるから驚きだ。稽古の時の凛とした佇まいや、真摯な眼差しとは打って変わり、ケラケラと弾んだ声でよく笑い、美味そうに飯を食う牧野。「西門さんの家のご飯は何を頂いても皆美味しい」なんて、料理人泣かせ...

23

2015

修羅 1 総つく

日曜日の夜中、俺は一人の女の元に通い続ける‥…3回ルールの俺が、一体何度この女を抱いたのだろう。抱けば抱く程、俺はこの女に溺れていく‥…この女は俺の事をどう思っているのだろう?決して俺を嫌ってはいない筈。で、なければ潔癖なこの女が俺などに抱かれるワケもないだったら 俺を愛してる?ふっ、青空のもとで、俺と会う事を拒むこの女が、俺を愛してるなんて虫のいい幻想だよな‥…この女 牧野つくし と再会したのは‥… や...

25

2015

修羅 2 総つく

お互いに目があった瞬間‥女は慌てた様に、走って店を後にした。俺は、慌てて女を追いかけた。外はいつの間にか、土砂降りの雨が降っていた。さっきまであんなに晴れていたのに‥…「牧野ー」俺は女の名前を強く叫び腕を掴む。女は立ち止まり振り向く‥…雨に濡れながら「あはっ、変な所見られちゃったね」雨に濡れた女の顔は泣いているのか?笑っているのか解らない。刹那俺は女を抱きしめていた。強く深く抱きしめていた。あの時、俺...

27

2015

修羅 3 総つく

女と会えない日曜の夜‥…メープルのバーで俺はあきらと会った。「よっ 元気だったか?」「あぁー あきらは元気そうだな。いつこっちに帰って来たんだ?」「先週だ。司も帰って来てんぞ」「司‥…いつ帰って来てる」「っん? 水曜だったかな?日本支社長になる準備らしいぜ‥‥」「‥そうか。」「類もそろそろ帰ってくる頃だろうよ‥…」「久しぶりに、今度4人で飲もうぜ」「司が来るか?来ないんじゃねぇのか?」「まっ、声かけてみる...

30

2015

修羅 4 総つく

久しぶりに聞いたあいつの声。久しぶりに嗅いだあいつの匂い。何年ぶりの会話だろう?大学2年の冬にあいつと別れ、気が付けばもう8年か中途半端に終わった恋は、あたしの何かを奪っていった。あんなに激しく愛した筈なのに、恋の終わりはあっけなくて‥なのに、残したものは大きな哀しみで‥…必死にもがけばもがくほど、あたしの心は行き場を失い彷徨い続けた。失った恋は、あたしの中でずっと燻り続け、見えない刃となってあたし...

03

2015

そうか、そうだったんだ。 総つく

裏か表か 表か裏かつくしがコインを弾く‥…表ならオレの勝ち。裏ならつくしの勝ち。裏か表か 表か裏か コインが空を舞う……「表だぁー」つくしがオレを見た。「オレの勝ちか。」オレはほくそ笑む。「はぁはぁーなんなりと‥…」オレ達は、コインで賭けをした。表ならオレの勝ちで、裏なら牧野の勝ち。負けた奴は、勝った奴の言う事を聞く。願い事は、全部で5個だ。「じゃぁ先ず、呼び名から‥…今日はオレの事、西角さんて呼ぶな。」...

03

2015

修羅 5R 総つく

「俺の部屋…」女は俺の後をついてくる。黙って後をついてくる。迎えに来た車に女を押し込める。乱暴にキスをする。ありったけの欲望を女にぶつける。激しく深いキスをする。舌と舌を絡め合わせ、舌で歯茎をなで回す。唾液が絡み合う。女の吐息が漏れる…一瞬女が正気に戻り、「総…ここじゃダメ」意識を一生懸命に保とうとする。そんな女の恥ずかしげな仕草に、俺の欲望は益々燃え上がる。女の指をとり、指を一本一本絡ませる‥…指の...

03

2015

コイントス 総つく

あたしは今悩んでる。あたしの目下の悩みの原因は、‥…目の前のこの男。 西門 総二郎 水も滴るいい男、美丈夫、美男子、伊達男見場よし、軽いのりで 千人斬りも間近?? なんて事を噂をされてる‥…目の前のこの男。 西門 総二郎3回ルール‥… 一期一会‥…そんなふざけた言葉も、この男が紡ぐと‥…一度だけでも夢を見させて欲しいと思わせる‥…目の前のこの男。 西門 総二郎美貌も、才能も兼ね合わせた‥…目の前のこの男。 西門...

08

2015

ちび 総つく

「若宗匠〜 若奥様〜〜 た、た、大変でございます。」黒子の宮地と言われるくらい、普段、音も無く忍び寄る男が大きな声をあげ、血相を変えて走ってくる。邸の中に緊張が走る。「か、か、櫂様と、菫様が‥‥ 行方不明でございます。」「宮地、落ち着いて説明してくれ。」「はい‥…」聞けば、初等部と幼稚舎から戻った2人は、つくしが用意しておいたオヤツを食べ終わると、お稽古に使う花を摘むために、内弟子2人と共に庭に出たら...

11

2015

修羅 6 総つく

夜が明けぬうちに、あたしは夢の中から現実に戻る。夜が明けてしまったら、後戻り出来なくなってしまうから。総と2人で朝を迎えたのは、最初の一回だけ。あたしは、総と2人で朝を迎え幸せを感じた。だから、もう2度と総と朝を一緒に迎えないと心に決めた。これ以上、この男を愛さないように、心に決めた。だから会うのは、日曜の夜。月曜のあたしには、仕事がある。総の元を離れてもあたしは大丈夫と思う為に。あたしは、男の腕の...

12

2015

レッスン その後のお話 総つく

気合いを入れてた筈の俺‥‥ 気合い入れ過ぎてちょこっと落ち着けと酒を飲んだら、1杯が2杯、2杯が3杯と続き、ありえねぇくらい飲んじまって、いつの間にか寝てた俺‥…あいつの独り言を微睡みの中で聞く‥…「うーーーん。やっぱり色っぽいねぇー 伊達に女たぶらかしてないね~このお師匠さんは、」俺のおでこを指でパチンと弾く。な、な、なんだこいつは? やっぱり牧野だなぁー なんだか可笑しくなって、なんだか幸せになって、...

17

2015

ちび  なぁ菫   総つく

「菫様、廊下は走ってはなりません。」「菫様、足を崩してはいけません。」「菫様‥‥」毎回毎回繰り返される志摩から菫へのお小言。櫂は、志摩に小言なんて言われた事一度もなかったなあーなんてぼんやり考えて、志摩のお小言を聞いていた。で、菫はどうよ?と、見てみれば‥… ぷっ ありゃー絶ってぇー 違う事考えてんだろうの表情。ホント、こいつ飽きねぇーなぁ。「菫様、志摩のお話は聞いていらっしゃいますか?」「っん? シ...

22

2015

修羅 7 総つく

「先輩、先輩、牧野先輩」「っん?桜子なぁに?」「なぁにじゃなくてさぁー」滋さんが焦れ焦れしているのが良く解るあたし達は3人で、チェックとは名ばかりのディナーを楽しんでいる。チェック目的を忘れられたら、そこの店舗は合格なので、仕事と言えば仕事なのだけど‥…Sunny Spotで、新しく出したビューティーフード&オーガニックワインを扱った Beauty Spot 三条桜子セレクトとあってか、女性に話題のお店だ。「だからさぁー...

26

2015

修羅 8 総つく

「つくし美味しいね~」目覚めたあたしは、滋さんのマンションで、ニンマリ顔の2人に囲まれながら...何故かウサギ耳を付けて、朝ご飯を食べている。「あのさぁ、滋さん。このウサギ耳は何?」「可愛いウサちゃん」うーん。相変わらずの返答に困ってしまって桜子を見ると‥…何事もない顔をして、ホットスムージを優雅に飲んでいる。「先輩、ホットスムージスープも商品化したんでしたっけ?」「先週から店頭には出してる筈。」気...

28

2015

愛してるって言ってみて 総つく

ねぇねぇ、ちょいとお兄さん。あたしの事さぁー「愛してる」って、言ってみて?うーーーん。コレじゃダメか‥…じゃぁこんなのは?よぉっ、そこのお前さんあたいに「愛してる」って、言ってみな。うーーーん コレはもっとダメだ。昨日からあたしは頭を悩ましている。どうやったら、あいつにあたしを愛してるって、言わせられるかって。これはあたしとアイツの戦いだ。あたしがあいつに「愛してる」って言うかあいつがあたしに「愛し...

03

2016

ちび ラジオ体操 総つく

ピッピッ、ピッピッ耳を澄まさないと解らない、小さい電子音が何度も何度も聞こえる‥…何度目かの電子音の後、大きな大きな溜め息「ハァッーアッー」「志摩、この体温計壊れてるよ。」「櫂様、残念な事にこの体温計は壊れてはおりません。」「でもでも、何度計っても38度だよ。」「えぇ、ですから何度もお伝えしております様に、櫂様にはお熱がおありなんですよ。」「志摩、母様を呼んで‥…」 「櫂様、大変申し訳ございませんが、...

07

2016

修羅 9 総つく

「総二郎、ちょっと付き合えや」司に言われ、メープルのBarで酒を酌み交わす‥…猪突猛進の男が思案にくれている。先手必勝だと言わんばかりに俺は話し始める事にした。「俺、つくしが好きだわ」「なっ‥お前等、付き合ってんのか?」「どうなんだろうな」「フッ、お前等が付き合ってようが付き合ってまいが、俺には関係ねぇけどな‥ なぁ総二郎、俺もつくしが忘れられねぇ、なんせアイツの初めての男は俺だかんな」男の獰猛な目が光...

14

2016

ハート石伝説 前編 総つく

「あら、そう‥うふふっ‥そこなら‥ね」何の気はなしに漏れ聞こえた会話「ねぇねぇ、ハート石伝説って知ってる?」「うん。なになに?」「‥へぇっーーー まじか」「ホントらしいよぉー」「えぇーー もっと早く聞きたかったなぁ~そしたら竹井君との恋も実ってたかもぉー」「くふっ、それはどうかわかんないよー」大きな笑い声と共に、女子高生が過ぎ去って行ってく。ハート石伝説? お城にハート? あら 面白そう。恋の成就? ...

15

2016

ハート石伝説 中編 総つく

佐賀城は、別名 ”沈み城” と呼ばれる。沈み城の名の由来は、敵からの攻撃の際に、水路の一部をせき止め、幾重にも巡らした外堀を水没させ、敵の侵攻を防ぐように設計された事と、遠ざかるにつれ、楠や松の林に視界を遮られ城を覆い隠すように設計されていた事から来ている。現代の城趾には、官公庁街が立ち並び、佐賀市の中心となっている。昔の面影を残すように、緑の多い安らぎにみちた憩いの場としての役割もになっている。牧...

16

2016

ハート石伝説 後編 総つく

車を走らせると、すぐ寝る牧野が起きてる。「今日は寝ねぇな。」「ぷっ、いつもいつも寝ないよ」「そうか?」「あははっ、違うか。」くだらねぇー事を話しながら、目的地に着く。「つくしちゃーん、こっちこっち~」手を振りながら、牧野を呼んでる。「っと、高村陽平君。目下のアタック相手♪」「アタックされてる?うーん。一応みのりちゃんの婚約者かと‥」「あははっ、そうとも言うかな?」 ここにもなんだかハテナがいっぱいの...

20

2016

ちび おにぎりころりん 総つく

夜咄(よばなし)の茶事が行われる‥父様や、母様は勿論の事、邸中が夜咄の茶事の支度で大わらわだ。それもその筈、今日の夜咄の茶事のお客様は、西門の中の重鎮5人衆なのだ。日が暮れると、露地行灯が濡れた露地を照らし出す。幻想的な雰囲気に包まれる。茶道を生業にする家に生まれた事に感謝をする瞬間だ。夜咄の茶事に、出る事を許される日を、僕は夢見る。手燭や竹檠の灯りだけの夜咄の茶事‥「にぃにぃ、にぃにぃ」すぅちゃん...

23

2016

修羅 10 総つく

総に抱かれるのは、初めてじゃないのに‥何度も何度も抱かれたのに、あたしは喜びに震える。「総、愛してる」 初めて呟く、愛してるの言葉。総が、あたしを強く強く抱きしめる。「つくし、愛してる」総が、あたしの耳許で囁く。甘い愛の言葉。その言葉を聞いただけで、あたしの身体は熱く熱く火照る。総の優しく、力強い口づけが降り注ぐ。あたしの全身を総の唇が這う。頭の芯が溶けそうに身悶える。つくしを抱くのは、初めてじゃ...

07

2016

花いちもんめ  総つく

勝って〜嬉しい 花いちもんめ♪ 負けて〜悔しい 花いちもんめあの子が欲しい‥ あの子じゃわからん 相談しよう そうしようあの子は、だぁれ? だれの事?毎週繰り広げられる、争奪戦。ほら、ほら 今夜も、皆が競い合っている。「ですから、さっきからもお伝えしてる通り、あの流暢なフランス語は、類のお陰でしてよ。」「あの優雅なテーブルマナーにダンスの腕前は、あきら君ですわ。」「誰にでも、向っていく鼻っ柱の強さは...

08

2016

修羅 11 総つく

太陽が黄色く見える‥なのに、あたしの隣には、やけにご機嫌な男が一人。ニコニコ笑いながら、カウンターに腰掛けながら、着物姿で、あたしを見てる。総って、こんなに可愛い顔するんだね。それにしても、綺麗な顔。女よりも綺麗ってどう言う事よ。総の綺麗なほっぺを両方の手でつねる。「痛っ、突然、なにすんだよ。」「だって、総、綺麗なんだもん」「意味わかんねぇ」そう言いながら、あたしを抱きしめて、髪の毛をクシャクシャ...

12

2016

ちび 愛を叫ぶ 総つく

父様、すぅちゃんが、居るだけでね、お邸がパァッ〜と明るくなるんだよ。母様が、居る時と一緒なの。不思議だよね。菫が生まれた時から、事あるごとに櫂が言う言葉。邸の中が、パァッ〜と明るくなる。うんうん。解る解るぞ。俺が、つくしに惚れたのも、それを感じた瞬間だったんだからな。ってか、西門の重鎮の奴らも、同じ事感じてやがるんだな。これが。西門の邸の中で、家元夫人の次に、つくしの魅力に気が付いたのは、宮地と志...

16

2016

明日になれば  総つく

「西門さん、ありがとう」「おぉ。また明日な」「うん。またね」稽古の後、お前を送った時、「またね」確かにそう言った。でっけぇ目で俺を見つめながら。「またね」そう言った。なんか言いてぇのかな? そんな風に思った。 明日になれば、また会える‥ そん時聞きゃいいや、そう思った。だけど‥ そうじゃなかった。次の日も、その次の日も、会えなかった。メールを入れた。ちょっと忙しいからまた連絡する。そんな返事が帰って...