明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

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2016

君の天使  01 司つく

カランコローン カランコローン「大当たりでーす!」福引きの一等賞があたる。くじを48枚ひいた少女のあとに。「おめでとうございまーす。1万人目の入場者です」少女の後ろに居た人に、記念品と金一封が贈呈されている。大当たりを見るのは、別に嫌じゃない。それは、自分に関係していたり、余所の出来事ならば‥なまじ、目の前で見せられる大当たりは、どうなのだろう?目の前の大当たりを見せられ続ければ、自分の不運を笑う...

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2016

君の天使  02 司つく

オレのしたイタズラは、些細な事だ。彼女が見る時計の針、全てが1時間早くなる。ただ、それだけだ。なんでそんな事したかって? あははっ、それがミラクルを起こす小さなイタズラさ。カチコチカチコチッ カチリッ* **ジリジリジリッ ベルがなる‥「うぅーーーー眠いぃー」つくしは、ベッドの上で暫くボォーッとなりながら、頭を目覚めさせている。今日の算段を頭の中で立てているのだろうか、ブツブツと独り言を言いながら、...

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2016

君の天使  03 司つく

「なんでぇー?えっ?えぇーー?1時間前って‥流石に早いよね」そうじゃなくても、時間に正確なつくしは、皆が出社するよりも40分も前に来てるんだから。そりゃ早いよね。さて、さて、オレの予想通りの行動をとってくれるかな?つくしは、うーんうーん唸って悩んでいる。グゥッ〜 っん?腹の虫って奴だっけ?「昨日食べすぎでお腹空いてないのかと思ってたけど‥あははっ、ただ単に1時間早かっただけなのね」一人呟いた後、何か...

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2016

君の天使  04 司つく

店の中がざわめいている。視線が一点に集中する。美しく気高い男に。つくしは、目の前のスパナコティロピタキアなるものを頬張っていて、気づかない。「うわっ、美味しぃ〜 うん。1時間間違えて、大正解だよねぇー。もう、あたし凄いって感じ?ぐふっ」時折ブツブツ言いながら、蕩けそうな顔を浮かべて、美味しそうに食べている。「雰囲気もいいし、会食にもうってつけだよね。課長に教えてみようっと」嬉しそうな顔して、頬張っ...

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2016

君の天使  05 司つく

尾形のスマホがけたたましく鳴る。今日の商談相手からの電話だ。「あっ、はい‥はい‥はい‥えぇ‥あっ、はい‥」尾形が、道明寺に向かって何やらゴニョゴニョと話している。いつもなら、叱責が飛ぶ状況なんだろう、尾形の表情も優れない。心無しか青ざめているようだ。次の瞬間‥今日3つ目の奇跡に尾形は出会う事になるんだ。「そうか‥なら2時間は空きが出来ると言う事だな?」そう言って、目の前の道明寺がニヤリと笑ったんだ。クク...

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2016

君の天使  06 司つく

「婚約?婚約破棄じゃなくてか?」そんな言葉とともに、大きな笑い声がする。司の笑い声だ。2人の幸せだった時を、彷彿させる大きな大きな笑い声だ。「お前、それいつの情報だよ?」「いつって‥‥先週の女性週刊誌よ」「クククッ その女性誌とやらはどこで見たんだよ?」「ど、どこって‥び、び、美容院よ」「婚約は、もうとっくに過去の事だ」司は、婚約を過去のものだと一蹴(いっしゅう)して、愉快に楽しく笑う。事実、愉快だ...

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2016

君の天使  07 司つく

無意識に、耳朶を触りながら「何年だ?」司の問いに、間髪を入れずにつくしが答える「6年‥‥」司の唇が、嬉しそうに片方上がった。「ククッ、会社に入ってだ」「あっ‥‥」恥ずかし気に、つくしは下唇を噛む。「4年目‥」「どこの部署だ?」「クリエイティブ制作部」「花形部署だな」つくしとて、人の子だ。褒められて悪い気はしなのだろう。鼻をピクピクさせながら笑って答える「下っ端だけどね」「ククッ‥お前、変わらねぇな‥鼻ピ...

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2016

君の天使  08 司つく

パンッ両の手で、頬を叩いて「うん。今日も牧野つくしだ。うん。つくし、ファイトだ」身体を震わせ、今にも泣き出しそうな声で呟いた。そうか‥‥つくしの日課は、司への思いだったんだ。泣けないつくしの代わりに、オレの目からもう一粒涙が溢れてた。つくしは、皆とは反対方向に、駅に向かって進んで行く。6年前、何があったんだろう?雑踏に紛れた、つくしの後ろ姿を見ながら考えていた。震えるほどに好きなのに? お互い好きな...

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2016

君の天使  09 司つく

孤立無援で残されたつくし‥‥アルカイックスマイルを浮かべた役員秘書に促され、席に着いた。緊張から、鼻の横を触ってる。この緊張が、何に変わるか? ククッ見物だね。「若いお嬢さんは、甘いものが好きと聞いてるが、君はどうかね?」つくしの見た物は、足立音衛門の栗のテリーヌ。ボーナスが入ったら、お取り寄せしちゃおうかなぁーなんて、密かに狙っていたものだ。ゴクンッ 生唾を飲み込む音が聞こえる。ゴロゴロ入っている...

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2016

君の天使  10 司つく

広瀬さん‥この人流石だねー!人事部長だけあるよ。流れるように説明している。優しい物腰に、口調だけど「「牧野さんのお陰で、向こう1年間の道明寺HDの広告は、全て御社が請け負う事になったんですよ!なんでも、水素水のフレーズが、いたくお気に入られたとかで‥お調べになられたらしく‥」つくしのご機嫌フレーズを並べていく。つくし、でも、ちょっと待て‥それ全部、司がやってる事だからね。ククッ、そんなに鼻の穴広げちゃっ...

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2016

君の天使  11 司つく

たった今、デートの約束をした人と思えない、なんの感慨もない表情で、スマホをポケットにしまう。首をぐるんと一つ回して、紙袋と、書類を脇に抱え、部屋を出る。パタンッ会議室に残されたのは、綺麗に置かれた皿と湯のみと、オレ。トモ‥可哀想だけど、トモのミラクルはつくしじゃない。好きな男には、女って、もっともっと嬉しそうにしたり、逆に切なそうになったりするんだ。有頂天のトモの事を思って、可哀想になった。同時に...

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2016

君の天使  12 司つく

契約書を捲る、つくしの手が止まり「えっ」もしや、感づいた?「うわっ、出向手当だって。うわっ」そっちか‥‥つくしの頭の中は、出向手当で占められいく。そうこうしている内に、クライアントと打ち合わせの時間だ。「牧野、担当はずれる挨拶しとけな」先輩に言われて、慌てて席を立つ。契約書は、ファイルに入れられ仕舞われる。クライアントの西野さんは、大層驚きながらも「道明寺HDなら、またお会い出来ますね」そう言って微笑...

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2016

君の天使  13 司つく

「トモからどうぞ」「いや、つくしから」いやいやどうぞと言い合ってもう一度、二人同時に言葉が重なって、顔を見合わせ笑い合う。一頻り笑った後に「つくしから話して」そう言われて「‥じゃぁ失礼し‥‥あのね、明日から道明寺HDに出向になりました。で、ちょっと忙しくなるかな」トモは、ポケットから取り出そうと思っていた手を止めた。「トモの話は?」ニッコリと笑ってつくしが聞いた。「あれ?なんだったけかなぁーあははっ」...

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2016

君の天使  14 司つく

気合いを入れた筈なのに‥アレッ? アレレ?アチャー 受付で手間取ってるよアタシ、出端を挫かれましたぁー状態だね。ククッ、しかもだしかも‥‥うんっ。やっぱり!こういう事なんだと思う。ホラ、ホラサン、ニー、イチ、ゼロ「牧野、おまえ‥何やってんだ?」グットタイミングだね。司の天使と目を合わせ、頷きあって笑い合う。オレ達が、なんも動かなくても、一旦動き出した歯車は、カチコチカチコチ動き出す。これが、運命。これ...

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2016

君の天使  15 司つく

「‥き‥さん、牧野さん‥」尾形に何度か名前を呼ばれ、つくしは、やっと我に返る。「す、す、すみません‥読んでおりません。社会人として失格です‥よ‥ね‥」「嫌々、でも、それで受付で手間を取っていたのですね。了解です。謎が解けました」中々、チャーミングな笑顔で尾形が笑う。「謎が‥‥ですか?」「えぇ、あの中にこちらの部署名が載っていたのに、何故手間取ってるか不思議だったんです」ホラッ、だから言ったじゃん。消え入り...

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2016

君の天使  16 司つく

旨そうに珈琲を飲む司に、つくしが一瞬見惚れた。コフンッ 小さく咳をして、意識を反らしてる。尾形は、どうやら色んな事に気がついたようだ。司の機嫌がすこぶる好い理由わけ。未だかつて見た事がなかった笑顔を見た理由。そして‥目の前のつくしが司の想い人で、   つくしの想い人も司で‥でもってだ、つくしは、ビックリするくらい旨い珈琲を淹れてくれて、中々もって、人が好さそうだって事にまで気がついた。で、はたと気が...

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君の天使  17 司つく

「‥あ、あのー尾形さん‥」「はいっ。何でしょうか?」「つかぬ事を、お聞きしますが‥」「はいっ」「専務秘書課って、言うのは?」「基本、専務の秘書です。秘書って解ります?牧野さん、秘書検持ってるから解りますよね?」「えぇ‥額面通りには‥」「じゃぁ、それです」尾形は、誰が見ても憎めない様な、人懐っこい顔で、ニコッと笑う。わかったんだか、わかんないだかの説明を受けて‥でもなんとなく、笑顔に騙されて「はぁ‥」と、...

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2016

君の天使  18 司つく

ほらほら、見てご覧‥「つくしさん」「つくしさん」杏奈嬢‥お目目キラキラさせながら、カルガモの親子よろしく、つくしに付いて回ってる。面白くないのが、司だよ。つくしを呼べば、もれなく杏奈嬢もついてくるのだから。苦虫噛む表情になってるよ。つくし? 至って通常営業中。ただ、流石のつくしも耐えられなかったのが、杏奈嬢の芳香‥だってさ、下手したら30分置きに、トワレをシュッシュカつけようとするんだ。な、もんで‥何...

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2016

君の天使  19 司つく

いつもなら、人の歩調など気にしない司が‥クスクスッ‥へぇーーー 珍しいもの見させてもらったって感じかな。っん? アタシ? アタシ天使司について彼此れ6年。なんで、こんな俺様の司に付いてるかって? 教えて欲しい?うふふっ‥ じゃぁ、ちょっとだけねフッ!『うーーん。任務完了! さて、次のターゲット探しをしなくっちゃね』アタシ、天使 これでも結構優秀。サクッサクッと、お手軽に纏まる幸せを沢山生み出して来た...

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2016

君の天使  20 司つく

司天使が、つくし達2人を見ながら笑ってる。オレを見つけて、ウィンク一つ投げてくる。アイツ、ウィンク上手いなぁ。変な事に感心しちゃったよ。おぉっと、2人を見れば‥‥「ったくお前、相変わらず、ドンクセェな‥」「鈍臭いって、ちょっと‥それ失礼だよ。別に大したことないし!」「いや、よくないだろうよ。足、痛くねぇか?」「大丈夫‥それより、あんたの秘書ってなにそれ?」「営業推進が秘書課に名称変更変しただけだ。さっ...

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2016

君の天使  21 司つく

食後のエスプレッソを飲みながら「で、この店はどうだ?」「もっと一般的にするって事だよね?」「あぁ‥」「うーん‥ここはフラッグショップにして、残した方が良いんじゃないかなぁ」「フラッグショップか?」「うん。女子は、綺麗なもの、優雅なもの、雰囲気あるものに憧れるから‥アチェロ本店は、ちょっと特別。そんな感じで残した方がいいんじゃない?」「そんなもんか?」クスリッ と笑った後に、「庶民は、そんなものでござ...

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2016

君の天使  22 司つく

時計の針が天辺で合わさった瞬間に「調所さーん、お昼行かなーい?」杏奈嬢に、お誘いの声がかかる。「はーい」嬉しそうに、お財布もって皆に駆け寄って行く。ひと月も経つ頃には、すっかり皆に溶け込んだ杏奈嬢。彼女が皆に溶け込むと共に、猛獣使いのつくしは、女神として、その名を馳せて行く。「ねぇねぇ、知ってる? この前‥エントランスで、専務が大笑いしてたんだって」「えっ、マジマジ?いやーん見たかったぁ」「でもで...

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2016

君の天使  23 司つく

トモから、LINEに連絡が入る。今日は、時間大丈夫そう?トモのメッセージを見つめながら、ため息を吐いて返信を出す。ごめんね。今日もダメみたいです。また連絡します。「はぁっー‥」後ろから近づいた影の手で、目を隠される。「ヒャッ だ、だ、誰??」「つくしさーん。私です。わ、た、し」影の手の正体は、杏奈嬢。「あははっ‥杏奈さん‥」「つくしさーん、お久しぶりです。丸一日ぶりですぅ」「あははっ、そうだね‥‥」「今日...

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2016

君の天使  24 司つく

危うい均衡の中、日々が過ぎて行く。一番に痺れを切らしたのが‥「櫛崎、道明寺HDと提携の話あったよね?」「はい、専務」「それ、俺も関わる事にするから、道明寺専務にアポとって‥‥で、アポとる際に、牧野さんも同席でって伝えておいて」ニッコリと、トモが微笑んでいた頃‥「つくしさーん」「牧野さーん」女神つくし‥前の職場同様に、あちらこちらから声がかかるようになる。ホッと出来る。誰にでも優しい。お掃除の人だろうが、...

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2016

君の天使  25 司つく

「専務‥驚き過ぎです」「お前が急に立ってるからだ」「お声掛けましたし、専務お返事されてましたけど?」「グッ」ふっふん〜♪つくしの鼻唄が、聞こえてきそうな勢いだ。間違いなく、つくしの手帳に正の字の1本がプラスされるだろう。つくしの得意気な表情かおに、少しだけ頬を緩めた後に「牧野、今日の会食は市井物産と寺沢商事だ」「あっ、はい。先ほど尾形さんからお伺いしました」「そうか‥」「なぁ」「あの」2人の声が重なる...

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2016

君の天使  26 司つく

司の苦虫もさることながら‥会食場所が近づくに連れて、つくしの顔も曇って行く。仕事とはいえ、久しぶりに彼氏に会えるのにね?おかしな事だ。そんな中‥一人ウキウキは、杏奈嬢。クククッ、この表情(かお)‥最初はいけ好かない?なんて思ったのが、嘘のように、滅茶苦茶可愛くなってるよ。元々顔立ちが整ったお嬢さん。生粋のお嬢様だったからか?マダム付きのヘアーメイクだったのを、同僚達の指示のもと、ナチュラルメイク?それ...

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2016

君の天使  27 司つく

杏奈嬢に‥黒い影が近寄る。大きく黒い人影が‥「誰だ?」「えっ、えっ」見知らぬ声に恐怖して、次の瞬間‥「キャァッー」突然の大声に、男は驚き、声を上げた彼女を抱きすくめた形になりながら「ご、ご、ゴメン‥‥つくしの香りと一緒で、それに後ろ姿が‥」慌てて釈明する男の口から、〝つくし〟の名が出て、冷静さを取り戻した杏奈嬢は、上を見上げる。3、2、1、ゼロリリリリリーン リリリリーン リリーン杏奈嬢の上で、高らかに...

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2016

君の天使  28 司つく

2人の、手と目が絡みあう‥‥‥刹那‥「あぁ〜はぁっ〜」盛大な欠伸の声がする。ぷっ、尾形っち〜 そりゃぁないよなんだけど‥2人の耳には何の音も聞こえない。瞳にはお互いしか映らない。手と目は絡み合ったままだ。コンコンと音がして、ガチャリッ‥‥扉が開く。トモと杏奈嬢2人が、話しながら入ってくる。司とつくしの手と目は、慌てて離される。何となく、いいや何となくどころか‥非常に気まずい空気が流れる。「あぁ〜はぁっ〜は...

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2016

君の天使  29 司つく

つくしを見つめるトモ‥‥トモを見つめる杏奈嬢‥中々もって、キュンとくる光景だ。愛するものには、相手が誰を真剣に愛してるのかって事が、手に取るようにわかるから。トモが切なげな表情を浮かべれば、杏奈嬢も切なげな表情を浮かべる。「「あのー」」トモと杏奈嬢の声が重なった。2人で、遠慮勝ちに譲り合っている。つくしが、にっこりと2人に向けて微笑んで、「寺沢専務と杏奈さんは元々のお知り合いなんですか?」2人揃って...

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2016

君の天使  30 司つく

司とつくしの慌てぶりに焦ったのは‥尾形でも誰でもなくて‥‥トモだった。「調所会長は、弓道をされるとか?実は私も、弓道が趣味でして‥」滔々と話しだした。「ほぉー、それは、それは、弓道は杏奈も中々のもんなんじゃよ。今度是非、杏奈と3人で」見事に話を変えただけでなく、3人で弓を射る約束までしている。あからさまに、ホッとした表情を2人同時に浮かべている。尾形は「へぇー、杏奈さんが弓道?こりゃまた凄いっすねー」...