17
2017
13
2016
Moon Moon Moon 教えてムーン
美作さんは、優しさで満ち溢れている。ちょっと悔しいのは、あたしだけが特別じゃないってこと。美作さんは、皆に優しい。 いつも__花の香りを漂わせてる。いつも__一寸の隙もない。いつも__穏やで気配り上手だ。 茶色に透けたサラサラの髪。シミひとつないスベスベした肌。高い鼻、憂いをおびた瞳、微笑んだ口許。外見だけだって超絶イケテルのに、仕事も出来る。憎らしい程に完璧過ぎる__ それなのに俺、地味だからさぁ...
23
2016
月が綺麗ですね あきつく
夜空を眺めながらあなたが言った。「真ん丸な月だな__」〝月が綺麗ですね〟心の中であたしは、呟いた。月夜にキラキラと輝くあなたの髪に触れたかった。美作さんの優しさに触れ、美作さんを愛してしまったのは、いつからだろう?全てに蓋をして「本当だね。真ん丸で大きくて手が届きそうだね」精一杯、手を伸ばして月光に翳した。「ふっ、届かないよ」「もうちょっとしたら届きそうだよ」あたしは飛び上がって力いっぱい手を伸ば...
12
2016
そぉっと、そぉっと あきつく
「もう…最低」つくしが怒って、部屋をでていってしまった。「なんで、怒るかなぁ。」部屋に残されたのは、ホワイトデーのお返しの山と俺。 発端は、あいつら宛にバレンタインのチョコを送ったつくしじゃないのかな?お返し贈ろうとしたら、頑に固辞したから‥つくしに渡せと、あいつらから会社宛に送られてきて、それを持ってきただけなのに…なんでそんなに怒るかなぁー **なんで、他の男からのプレゼントなんて持って帰ってくる...
28
2015
花咲く梅に‥… あきつく
世の中は 恋繁しゑや かくしあらば 梅の花にも ならましものを あなたが好きです。この言の葉を音にのせる事が出来たならば、どんなに楽になれるのだろう。でも、そうしたらあたしはあなたに会えなくなってしまう。あたしはあたしの思いに蓋をして、ニッコリ笑ってあの人に会いに行く。仲が良い友の振りをしてあの人に会いに行こく。仕事納めの今日、同僚の誘いを断ってあたしは走る。走らなくても余裕の約束をしているのに...
09
2015
ヘラクレスノット 後編 あきつく
Vネックワンピースの胸元に、俺の渡したネックレスをつけて出てきた牧野。鎖骨が色っぽくて思わず、抱きしめそうになった俺。いかん、いかん こんな朝っぱらから中学生じゃあるまいし‥…「牧野、おはよう」「美作さん、おはようー トトロ楽しみだね♡」明るく笑う牧野。約束した時間にはまだ少し早いので、二人で川端夫妻に渡す花束を選ぶ。2人で選んだのは、ライラックピンクのストックとバラを組み合わせた花束。「莉子さんの雰...
08
2015
ヘラクレスノット 前編 あきつく
「うわぁ~っお綺麗ですわぁお姉様」「お姉様とってもお似合いですわぁ~」「つくしちゃん本当に可愛いわぁ~」三人のお姫様が口々に騒ぎたてている。「えへへっ‥…」照れ隠しをして笑っているお姫様。「お兄様、つくしお姉様本当にお似合いですわよね♡」「あぁーそうだね絵夢。」「お兄様、つくしお姉様本当にお綺麗ですわよね♡」「あぁーそうだね芽夢。」お袋が口を開く前に‥…目の前の姫君の首筋に、ネックレスを付け‥…「では、姫...
12
2015
あきらの驀地 あきつく
「牧野、俺お前にマジだから...」 「ふぅっ? マジってなに?真面目って事だよね? うーーーーん 美作さん日本語不自由な人だっけ?」って、この状況なら 日本語不自由なのはお前じゃねぇ?なんやらブツブツ言ってるこいつ...はぁーーー妙齢の男女が2人で海辺で語らうって言ったら愛とか恋とかじゃねーの。鈍感牧野が相手だと、俺なんか違う方向にまっしぐらにいってねぇ? ザーッ ザーーー よせては返す波の音 ...
11
2015
01
2015
紅葉 後編 あきつく
お願いがあると言ったきり黙っている牧野「お願いって、何だよ? 大人のお色気を伝授しろってか?」「……そんなんじゃないよ」なんでか泣きそうになってる牧野って、俺のが泣きそうなんだけど、どうしたらいいんだ。俺は、お前への思いにブレーキをかけたあの三日月の夜のように、またこの思いにブレーキをかけなきゃいけないのか? 新しい恋を始めるのには俺じゃダメなのか?「だから、なんだよ牧野のお願いって…」「あのね…あた...
01
2015
紅葉 前編 あきつく
「うわぁーーー綺麗だね」「だなぁーーお前みたいだな」「うーん?なんか言った?」両手いっぱいの椛を抱え、天に向かって放ちながら…「ねぇーー 此処にくるの何回目だっけ?」牧野があいつへの思いを断ち切った次の年からだから…もう5回目になるのかな毎年、俺の思いをお前に打ち明けたらどうなるのかを考える見守るだけだなんて、切なくて仕方がないけれど…牧野の隣に寄り添える、この心地よい居場所を俺は失へなくて、俺は臆病...