09
2018
おとなの掟 〜滅びの呪文〜
真っ白な、真っ白な美しい羽が天井から舞い落ちてくるゴシゴシと目を擦る。___もう一度目を擦る。「__し、_くし、つくし、どうしたの?」「あっ、あぁ」世界にいつも通りの情景が戻って来る。なんでもない風を装いながらあたしは首を振る。「もしかして酔っ払った?」「ハハッ、そうか__も」真っ白な羽が天井から降って来たなんて誰に言っても信じて貰えなどしないから口を噤んだ。マズイ__あたし、酔っ払ってる?「ねぇ...
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2016
ひらりひらひら‥桜が舞い降りて
「しゃくりゃ、しゃくりゃ ちれいでしゅね~」「舞ちゃん、しゃくりゃじゃないよ、さ、く、ら」「しゃ、く、りゃ ?」「ううーん、サクラだよ。桜。にぃにのさくに、らをつけるんだよ。」咲が、舞に一生懸命、教えている。「しゃくでしゅ。」舞は、得意気に言い切って、類を見つけて、走っていく。「パパ~ しゃくりゃでしゅぅよー」「まいちゃん、だからサクラだよ。サクラ。」咲が、舞を追いかけながら、言葉を訂正してる。類...
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2016
さ、く、ら 舞い落ちる
「うーーーーーん、良く寝た。良く寝た。」大きく大きく背伸びする。滋さんがくれた、ファーストクラスのチケット。非情に良い寝心地とお食事で。半個室に、部屋着まで出るってどういう事?アメニティまできちんとついていて、もう感謝感謝だよ。速攻寝落ちして、食事をとって、また寝て‥ うーーんと背伸びした。うーーん。幸せと背伸びしたら、通路を挟んだ美しいご婦人と目があった。ニコッと笑って微笑む姿は、どこか類を彷彿...
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桜、サクラ、さ、く、ら‥
牧野から、真っ青な空の絵葉書が届く。” 元気だよ ” そう言葉が添えられいる。文字を指でそっと撫でて、目を瞑りあの日を思い出す**牧野が手を伸ばしている。目一杯手を伸ばし花びらを掴もうとしている。「ね、ね、見て見て、ほらぁー 綺麗だね」綺麗なのは、桜の花びらよりも、牧野あんただよ。そう何度も口をついて出そうになる。言葉を呑み込む為に、俺も手を伸ばし、牧野の頭上で桜の花びらを掴む。「はい。」牧野に渡す...
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さ、く、ら、サクラ、桜 1
桜が舞い降りる‥一枚、二枚‥ひらひらと青い空を舞い降りる。あたしは、目を瞑る‥**「ね、ね、見て見て、ほらぁー 綺麗だね」あたしは、手を伸ばす。天に向けて手を伸ばす。舞い落ちる桜の花びらを掴む為に手を伸ばす。掴めそうで、掴めない。桜の花びらに手を伸ばす。「はい。」類が、あたしの頭上で花びらをキャッチする。そして、あたしに手渡してくれる。小さな小さな桜の花びら。薄い薄いピンクの花びら。一瞬白く見えるの...