明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

09

2018

おとなの掟 〜滅びの呪文〜

真っ白な、真っ白な美しい羽が天井から舞い落ちてくるゴシゴシと目を擦る。___もう一度目を擦る。「__し、_くし、つくし、どうしたの?」「あっ、あぁ」世界にいつも通りの情景が戻って来る。なんでもない風を装いながらあたしは首を振る。「もしかして酔っ払った?」「ハハッ、そうか__も」真っ白な羽が天井から降って来たなんて誰に言っても信じて貰えなどしないから口を噤んだ。マズイ__あたし、酔っ払ってる?「ねぇ...

30

2016

桜の花は夜光る‥

類が妖しく微笑んでいる‥あたしの手をとる。「つくし‥おいで」「あ、あ、あのね‥」「っん?」「あ、あ、あたしね‥」「っん?」そう言いながら、類の手があたしの腰にまわされ、唇があたしの耳許を這う‥「ちょ、ちょ、ちょっとタンマータンマータンマー」あたしは、叫ぶ。「あのね、あのね、あたし‥あたし‥そのぉ‥」「っん?どうしたの?」「あのね、あたし‥ごめんなさい‥しょ、しょ、処女なの‥」類が、破顔する。「なんで、謝るの...

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2016

ひらりひらひら‥桜が舞い降りて

「しゃくりゃ、しゃくりゃ ちれいでしゅね~」「舞ちゃん、しゃくりゃじゃないよ、さ、く、ら」「しゃ、く、りゃ ?」「ううーん、サクラだよ。桜。にぃにのさくに、らをつけるんだよ。」咲が、舞に一生懸命、教えている。「しゃくでしゅ。」舞は、得意気に言い切って、類を見つけて、走っていく。「パパ~ しゃくりゃでしゅぅよー」「まいちゃん、だからサクラだよ。サクラ。」咲が、舞を追いかけながら、言葉を訂正してる。類...

30

2016

さ、く、ら 舞い落ちる

「うーーーーーん、良く寝た。良く寝た。」大きく大きく背伸びする。滋さんがくれた、ファーストクラスのチケット。非情に良い寝心地とお食事で。半個室に、部屋着まで出るってどういう事?アメニティまできちんとついていて、もう感謝感謝だよ。速攻寝落ちして、食事をとって、また寝て‥ うーーんと背伸びした。うーーん。幸せと背伸びしたら、通路を挟んだ美しいご婦人と目があった。ニコッと笑って微笑む姿は、どこか類を彷彿...

30

2016

空に‥舞い落ちる

空調の良く効いた部屋なのに、寒さを感じ窓の外を見る。雪が降り始めている。どうりで寒い筈だ。冬の朝、牧野が良く言ってたこんな言葉を思い出す「うーん、寒いね~絶対どっかで雪が降ってる寒さだよ。」鼻の頭を真っ赤にしながら、指先に息を吹きかけながら言ってたよね。ねぇ知ってる? この7年。あんたを牧野を思い出さない日はないよ。風に吹かれて降る雪は、あの日みた桜の花びらを思い出す。ひらり、ひらりと舞い降りてい...

30

2016

舞い落ちる空の下

大河原の結婚式に呼ばれる。一瞬、躊躇したが田村がそろそろ日本に戻られる時期とも重なるので、顔見せの為に出席して下さい。と五月蝿い‥ とかく、あぁしろこうしろと、昼寝をする時間もとれやしない。胸は痛むかもしれないけれど、牧野に会えるそう思うと、少しだけワクワクする自分がいる。相変わらず女々しい。そう思う。片頬で笑って、窓辺に腰掛けながら、牧野を思う。**「つくし~」相変わらずの勢いで、滋さんが抱きつ...

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2016

桜、サクラ、さ、く、ら‥

牧野から、真っ青な空の絵葉書が届く。” 元気だよ ” そう言葉が添えられいる。文字を指でそっと撫でて、目を瞑りあの日を思い出す**牧野が手を伸ばしている。目一杯手を伸ばし花びらを掴もうとしている。「ね、ね、見て見て、ほらぁー 綺麗だね」綺麗なのは、桜の花びらよりも、牧野あんただよ。そう何度も口をついて出そうになる。言葉を呑み込む為に、俺も手を伸ばし、牧野の頭上で桜の花びらを掴む。「はい。」牧野に渡す...

30

2016

さ、く、ら、サクラ、桜 1

桜が舞い降りる‥一枚、二枚‥ひらひらと青い空を舞い降りる。あたしは、目を瞑る‥**「ね、ね、見て見て、ほらぁー 綺麗だね」あたしは、手を伸ばす。天に向けて手を伸ばす。舞い落ちる桜の花びらを掴む為に手を伸ばす。掴めそうで、掴めない。桜の花びらに手を伸ばす。「はい。」類が、あたしの頭上で花びらをキャッチする。そして、あたしに手渡してくれる。小さな小さな桜の花びら。薄い薄いピンクの花びら。一瞬白く見えるの...