明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

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2016

白線 1

「類は、あちら側の人だから」事あるごとに、目の前の女がそう言って、目を伏せるんだ。あちら側の人っていう言葉が、どれだけ俺を傷つけてるか、あんたは知らない。あんたがそういう度に、俺は、いつだっていつだって‥一人残される気になるって事を、あんたは知らない。ねぇあんたは何を恐れてんの? 俺,あんたが欲しいよ。あんただけが欲しいよ。傍らで眠る、つくしに呟く‥‥俺等が付き合い出して、何年になるのかな?いつでも...

03

2016

白線 2

アイシテル‥あたしは、こんな言葉は信じやしないエイエンニ?永遠なんてあるわけないじゃんタクシーに揺られ指先のネイルを眺める。今度は何色にしてもらおうかな‥なんて事を考えながら。そう、あたしにとって エイエンニアイシテル なんて言葉は、このネイルと一緒。ひと月もたったら飽きがきて、変えたくなる、ネイルと一緒。もしかしたら‥‥愛してるなんて言葉は、指先を彩るネイルよりも価値はないかもしれない。なんで、類は...

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2016

白線 3

綺麗に包まれた貴腐ワインを自社宛に送って貰う手筈を整えて、店を出ようとした所で‥「つくしさん、つくしさん 見て見て、」 北本君が興奮して、顔を上げて前を見ろと言う。っん?何を見ろと? そう言えば、周りがざわめいている‥気がする。なんだろう? なんかの撮影?「うわっ、うわっ、つくしさん、つくしさん、大変、大変」北本君が興奮している。顔を上げ前を見る。あと数メートル先に、お偉いさん方に囲まれた類が立って...

03

2016

白線 4

喧騒を通り抜け、あたしの足はyasuに向う。仄暗い階段を降りる。カッツーン、カッツーン ヒールの音が響き渡る。外の喧騒が嘘のような、ビルの中。暗証番号を押す。「はい。」yasuの声がする。「リリスです。」あたしは、yasuに名付けられた名前を告げる。スゥッーーと扉が開く。エレベーターに乗る。最上階のボタンを押しながら、いつも変なの?って思う。入り口を入って,階段下って、また上に行くんだもん。クスッと一人で笑う...

03

2016

白線 5

パートン劇場は続く。今日のお話は、こうだった。かいつまんで話すと‥若き日のパートンは、金塊を掘り当てて、それを資金に沈没船を見つけ出し、お宝どっさり。油田を買って うははっこれから、エコの時代だから、水素電池の開発に取り組んでるなんていうお話。この前は、海洋資源開発のお話だったけかな? その前は、宇宙開発面白可笑しく話すもんだから、皆パートンが大好きだ。しかも、パートンなかなかのロマンスグレーだ。...

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2016

白線 6

思いがけない所で、思いがけなくつくしに会えて、嬉しくて声をかけようとしたら‥一睨みした後に、背を向けて出口に向うつくし。” 怖っ ” 思わず呟いてた。一緒に居たのは会社の後輩?一人で店を出っていったから、何の関係でも無いよね?あんたの番号をタップする。案の定出やしない。ムキになって何度も掛けても、出やしない。はぁっー 溜め息が口を出る。なんでかな? なにをそんなに嫌がるのだろう?つくしが嫌なら、いつ...

03

2016

白線 7

yasuは、珈琲淹れて~」「OK~」生ハムとチーズのオムレツに、トマトのサラダに、カリカリのトーストを、素肌にyasuのシャツを羽織ながら、2人で食べる。カウチに2人で腰掛ける。経済誌を読んでいたyasuが、顔をあげ「ねぇ、リリスはなんで、あっち君をそんなに邪見に扱うの?」そう問いかけてくる。「うーーん。質問数は?っと‥パスは何回までOK?」「質問は5個。パスは、3回。」「じゃぁ、パス。」クスクス笑いながら「じゃぁ...

03

2016

白線 8

邪見にされても邪見にされても‥俺の心は、あんたを求める。無音になったスマホを見つめて、また一つ溜め息が出る。「溜め息吐くと幸せが一つ逃げて行くよ」そう教えてくれたのは、あんたなのに‥あんたは俺に溜め息ばかりをつかせる。こんなに辛いのなら、つくしを忘れれば良いと思う。だけど‥あんたがいないと、俺の周りには色がなくなる。音がなくなる。香りがなくなる。生きているのか、死んでいるのか、それさえもわからなくな...

03

2016

白線 9

「ねぇ今日は、会社休んじゃえば?」「えっ」「辛気くさい顔して会社行っても皆困るんじゃないの」頭の中を色々な段取りを考える。「休んでどうするの?」「っん?みっちゃんと3人で出掛ける。今夜はお店もお休みだし。」「みっちゃんと?」「そう、みっちゃんと」みっちゃんと3人でかぁー、それもなんだか楽しそうだなと思う。「急ぎの仕事だけ仕上げて、早退でも良い?」と、あたしが聞けば、yasuが、あんたも大概真面目だねぇ...

03

2016

白線 10

赤いロメオは、真っ青な空の下を走る。高速で2時間半。都会の喧騒を離れ軽井沢につく。「うーーーーん」大きく大きく息を吸う。yasuが後ろから あたしを抱きすくめて。「元気でた?」そう聞いてくる。「うん。」「よーし、じゃぁ先ずは、どこ行こうか?」後ろに立っていたみっちゃんが「あっ、じゃぁプリンスショッピングに。」木曜日の軽井沢は、ゆったりとしている。3人で、ウィンドショッピングを楽しむ。yasuは、あたしとみ...

03

2016

白線 11

yasuとみっちゃんと美味しい食事に舌鼓を打つ。「リリス、美味しそうに食べるねぇー」みっちゃんが感心しながら、あたしに言うと、yasuが「リリスの最大級の美点の一つ。」そう言って嬉しそうに笑う。デザートと珈琲を頂き、ファミリースウィートに戻る途中、大きなガラス窓にあたし達3人が映る。「あたし達3人って、どんな関係に見えるんだろうね?」3角関係の男女だの、兄弟だの色々言い合う。で、落ち着いたのが、一人の男を...

03

2016

白線 12

yasuに抱かれ、朝までぐっすりと眠る。夢も見ないでぐっすりと。yasuとベットで微睡みながら、今日の予定を話す。「夕飯は、都内に帰ってからにしようか?みっちゃんスペイン料理食べたいって言ってたよね?フジモリでいい?」「うん。あたしもフジモリがいい。」にっこりとyasuが笑う。続きのドアをノックする音がして、みっちゃんの声がする「お腹空いた~ご飯食べに行こう」3人で朝食を食べながら、さっき立てた予定をみっちゃ...

03

2016

白線 13

あんたは、どんどん綺麗になる。綺麗になる度に、あんたを独り占めしたくなる。この部屋に閉じ込めて、どこにも出したくない。普段選ばないような、見知らぬ服をきたあんたに、嫉妬しながら、衣服を一枚一枚脱がせていく。これは、あの男からのプレゼント?昨日は何をしていたの?あの美しい男に抱かれたの?あんたは、俺の事どう思ってるの?全てをぶつけてしまいたいのに‥言葉を呑み込む。あんたを失わないために。全てをはぎ取り...

03

2016

白線 14

あたしの身体は、ゆるやかにゆるやかに毒に犯されているのかもしれない。類とのセックスは、ゆるやかな毒のように、あたしの神経を麻痺させ、虜にする。ゆるやかに、でも確実に、あたしは囚われる。週に一度の逢瀬をあたしの身体は待ち望む。乱れ狂う程にあたしは抱かれる。いや、乱れて類を抱く。類があたしの身体に与える刺激に、あたしは興奮する。あたしの身体が、ゆるやかにゆるやかに、囚われるごとに、あたしの心は悲鳴をあ...

03

2016

白線 15

「つくしさーん、つくしさーん」北本君が大きく手を振りながら近づいて来る。相変わらず元気だなぁーなんて思う。休み明けの朝。「はい浅野屋のラスク。好きだったよね?」「あっ、はい。って、軽井沢行ったんっすか?」「うん。ちょっとリフレッシュしてきたよ。」「やっぱ、彼氏とかと行ってきたんっすか?」「あははっ、どうだろうね~」「そうっすよね。つくしさん、彼氏の一人や二人居ますよね。うんうん。綺麗だもんなー」 ...

03

2016

白線 16

あぁーー失敗したなぁ~ ファインマンカッツの公式がわかるなんて言わなきゃ良かったなぁーー本当に解るか?なんて問われたら難しいところだし‥でも、パートンのお話が楽しくって、楽しくって、 ご冗談でしょファインマンが、近頃の愛読書になっているから、嘘吐きたくなかったのも事実だし。あーー、でもでも失敗したなぁーー ふぅっー でもでもファイナンスと物理は、切っても切れない関係に位置するんじゃないの?なんて思...

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2016

白線 17

「つんちゃーーん、こっちこっち」ノンちゃんが呼んでいる方を振り向き、トモと2人で、手を振って近づく。ノンちゃんは、いつものストリート系じゃなくて、会社帰りのあたし達に合わせて、スマートカジュアル系の洋服をガーリー仕立てに着ている。うふっ、春っていいね♪ なんて,ノンちゃんとトモを見て思う。「あっ、もう一人来る事になったのだけど良いかな?実はね、トモ君の知り合いらしくて~」なんてことをいう。良いも悪い...

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2016

白線 18

京極さんの話しは、面白い。流石、この異空間 CIRCUS を作り上げた人だ。来月から、この人の下で働けると思うとワクワクするノンちゃんとトモがドリンクをとりにBarカウンターに向う。京極さんが、「この色綺麗だね」と言いながら、何気ない仕草で、あたしの手をとり、「バイオジェルだよね?何番の色かわかる?」そう聞いてくる。「番号までは‥」そう答えながら笑う。「カラーチャートだと紺藍かな?」なんて言いながら、繁々と...

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2016

白線 19

つくしから ” 遅れる ” とメールが入る。俺は、何かあったのか心配になって、電話を入れる。鞄の中にしまってあるのか?それともワザとなのか?幾度となくならしても、電話には出ない。何かあったの? そうLINEを入れる。既読の文字は付かない。何度確かめても未読のまま。商談相手の娘と共に、話題の店 " CIRCUS " に連れて行かれる。行くつもりなど無かったが、つくしが気にしていた店だから、どんな店か見て見たい。そう...

03

2016

白線 20

類の美しい手首を、深紅のリボンで縛った瞬間、あたしの身体は、疼く。違う、CIRCUS で出逢った瞬間から、あたしの身体は類を求め、疼いていた。別れなきゃイケナイ。そう思うのに別れられない。思い切れない。あたしと類にあるのは、セックスだけ。あたしは、自分にそう言い聞かせて、この3年間、生きてきた。それなのにそうだった筈なのに、類から放たれた淫乱女‥この3つの文字があたしを傷つける。心が泣き叫ぶ。痛い痛いと...

03

2016

白線 21

月を眺めながら、思い出したくないあの日を思い出していた。近年稀に見る大雪が降った日。雪に弱い東京は、全ての交通がストップした。いつも通り、食事をして他愛無い話しをして別れる筈だった。だけど‥雪が降った。シンシンと‥いいや、本当はあたし達2人とも、雪のことには気が付いていたんだ。見てみぬ振りをしてただけ。積もりに積もった雪を見て「帰れなくなちゃった。」そうポツリと類が呟いた時、あたしの心は歓喜に震えた...

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2016

白線 22

タクシーに揺られ、車窓にうつるネオンを眺めながら、あの日の事を思い出す。***類と貪るようにして抱き合った翌々日、見知らぬ番号から、一本の電話が入る。「花沢物産の茜と申します。少々お話をしたい事がございますので、お忙しい所大変恐れ入りますが、お時間を作って頂けませんでしょうか?」そう言われ、仕事帰りの時間に会う約束をした。一流ホテルの宴会場が待ち合わせの場所。一対一で話し合うのに、ティーサロンでも...

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2016

白線 23

yasuの部屋に向う。暗闇があたしの泣きそうな顔を隠してくれるかな?そんな事を思いながら。指紋認証をして、yasuの部屋に入る。「シャワー浴びといで」yasuに言われて、熱い熱いシャワーで、全てを流す。情事の後も、気持ちも、涙も全てを流す。ふわふわのタオルと、KID BLUEのインナーウェアが用意されている。幸せな気分にしてくれそうな色合いに、思わず笑みが溢れる。yasuの優しさを、心の底から感じる瞬間だ。お風呂上がりの...

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2016

白線 24

みっちゃんと3人で、待ち合わせして‥何故か知らないけど、ヨットに乗っている。真っ青な空の下、ヨットに乗りながら、ぼんやりとする。みっちゃんが「リリスも一級小型でもとれば?」正味5日でとれると言う。「それいいね~ ヨットなら、いつでも使って良いからさぁ。うんうんリリスも取ると便利便利」「2人で、飲みたいからでしょ?」あたしは笑って答える。「バレたかぁー」3人で笑い合う。青空の下、青い海にプカプカ浮かぶ...

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2016

白線 25

部屋に戻ったあたしに、京極さんが微笑む。みっちゃんと、yasuに向って‥宣誓布告?をしている。「俺も、3人の輪に入れてもらう事にしたから。」yasuとみっちゃんが、「じゃぁ、じゃぁ、2人の男と2人の女で普通にカップル成立じゃん」なんて言いながら、ガハガハ笑ってる。うーーーん。そうか、冗談だよね。冗談。あのキスも冗談だよね。あたしは、安堵する。京極さんがニヤリと笑って「冗談じゃないよ。」そう言って、グラスを煽...

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2016

白線 26

月曜の朝、少し腫れた目をメイクで誤摩化した。この3年で、随分とメイクが上手くなった。そう思う。お下げ髪した高校一年生のあたしは、こんな日を想像してたかな?そう思う。我ながら歪んでると思う。真っ直ぐに、真っ直ぐに恋をした時代が懐かしい。そう思う。だけど、あたしは少女じゃない。女なんだ。少女と女の一番の違いは、真っ直ぐさがなくなる事じゃないのかと思う。満員電車の中でいちゃいちゃしてるこの隣のカップルだ...

03

2016

白線 27

どうして昔から、あたしの周りの男と言う種族は、あたしの気持ちなんておかまい無しに近づいてくるのだろうか?「俺、普段は断然、車派なんだけど、歩くって言うのも中々良いもんだね。明日はさぁ、ちゃんと待ち合わせしてから来ようか?」はぁっ?頭可笑しいんじゃないの?そう思って、チロッとみると「ククッ、俺さぁー、牧野さん好きだって告白したじゃん?」そう言って笑う。うーーーーん。やっぱり今日はやさぐれ月曜日だ。反...

03

2016

白線 28

やさぐれ月曜日から、波乱含みの月曜日になって、それは週末まで続いて‥社員寮だと言われ、楽々パックでいつの間にか引越しまで完了していた、怒濤のように過ぎ去った1週間。ファインマン本社は、驚く程に風通しの良い職場だ。雑事ではなく仕事に専念出来る社風だと言った方が良いのだろうか? 連帯感はあるのに、上下のしがらみがない。お互いにお互いがリスペクトしあっている。京極さんしかりで、上に立つ人間の器のなせる技な...

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2016

白線 29

あんなに綺麗に見えたのに、心が変わると見方が変わる‥俯くあたしに、京極さんが、小さい声で「俺に惚れた?」なんて言ってニカっと笑う。あたしは、前を向いてOL生活6年で培った、ザ作り笑顔を見せてやる。踏ん張れつくし。自分自身を鼓舞する。「ファインマン本社クリエイティブ部課勤務の牧野つくし と申します。」親しみ易い笑顔を浮かべる。ふん、どうだ。この笑顔‥お得意先には評判良いんだから「へぇっー ファインマン本...

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2016

白線 30

類の昏く光る眼があたしを射抜く。身が縮こまる思いがするのに、あたしの中にぞくぞくとした、快感が沸き上がる。昏い闇を感じて、劣情を感じるなんて…あたしは、狂ってる。違う…これが、正しい肉体関係者の姿だ。くくっ、余りにも滑稽であたしは、笑う…刹那「ふざけないで」類の尖った声が する。冷たく尖った声に、類の激情を感じ、あたしの身体をぞくぞくする快感が貫く。あたしは狂っている自分の欲情が、可笑しくて…あたしは...