明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

05

2018

手練手管で恋をする 総つく

手練手管で恋をする。自分の中にこんな欲があったなんて……西門さんを好きになって初めて知った。諦めがいい人間なのかもしれないと思ったのは、恋を失った後だった。泣いて、泣いて、泣いて、死ぬほど泣いたら自分の中の恋に終止符が打てた。いい恋をしたって笑って言えた。なのにこの恋を、この男を失いたくなくて……手練手管で恋をしている。色恋を見せたら側にいられない。好きを見せずに側にいた。もしうまくいっても、家柄を重...

23

2018

恋は盲目 総つく

恋は盲目 嫉妬は千里眼とはよく言ったもんだと何だか感心しながら車を走らせた。だって、だって、だってな____女にはプロ中のプロのはずだったのに____色気もクソもなく、あるのは愛嬌と度胸だけって女に惚れ込んでいるんだからな。で、もってだ____会えない間にアイツがほかの男とあーだこーだしてねぇかモンモンしてんだからね。学生の頃、アイツに惚れた男二人を、いや三人を変わりモンだなっと思ったことがあった...

13

2017

ひとひら 総つく

ありがとう企画第二弾...

12

2016

baby’s breath 総つく

雑踏の中__全てを忘れて「好きだーーー行かないでくれ」ありったけの大きな声で男は叫んでいた。声の先にいた女の持っていた荷物がバサッと音を立て落ちる。女が振り向き嬉しそうに近づいて来る......男は女に手を伸ばし胸に抱く__愛おしい女を胸に抱く。「__ズズッ….ッスン….ズズッ……」泣いてる女ににティッシュを渡せば、真っ赤に充血した瞳で一つ頷いて「__あぢがとぅ……ズビーッ_チーン」鼻を噛む。ドラマの中では、最...

10

2016

恋始めよう。 総つく

ビー玉色の淡い初恋をして、ジェットコースターのような恋をした__そしてあたしは今___身が焦がれて焼けそうなほどな恋に落ちている。喉から心臓が出ちゃうんじゃないかと思う程に惚れている。全てを隠して戯けて話す度に、あたしの心にはピチャン  ピチャンと黒い悲しみが増えていく。西門さんが好き。 そんな風に思ったのはいつだったろう?去年?一昨年?それとも……もっと前?いつの間にかスゥーッとこの人は、あたしの...

03

2016

娘 総つく

カァー カァーと鴉が鳴いて何処かに飛んで行く。真っ赤な夕陽がもうじき沈む。庭の花を摘みながら__夕焼け空を眺めた。静寂を破る大きな声がする。「父様も、兄ぃ様もうるさーい」沙都が大きな声をあげて怒鳴っている。今日で二十歳になると言うのに……誰に似たのか?色っぽさとは全くもって無縁な娘に育ってしまった。総に言わせると__どうやらあたしにそっくりらしいのだけど……あたしの方がもう少しこうなんて言うか色けあっ...

05

2016

きっと明日は 総つく

爪を噛む__一人寂しく爪を噛む。愛しても、愛してもどうにもならなくて__爪を噛む。夕方から降り始めた雨は時間を経つ事に……強く激しくなっていく。まるでつくしの心の中のように。つくしは立ち上がり外を見た__刹那窓ガラスに映った顔がとても醜く見えて__慌ててカーテンを勢い良く閉めた。パチンッ真っ暗だった部屋に灯りを付ければ疾うに冷めてしまった料理が目に入って来る。「来るって言ったのに__」ツゥッーーーと...

13

2016

雲に乗って‥ 総つく

空を見る。真っ青な真っ青な空を見る。真っ青な空に、雲が一つ浮かんでる‥雲に乗って‥ あんたに会いに行きたいな。雲に乗って‥ あんたを頭上から見下ろすの。なんなら、この手がニョキッと伸び伸びて、グィーンと長くなちゃって、雲の上から、イタズラするの一寸の隙もないあんたに。イタズラするの。雲に乗って、あんた色んな所を見ちゃうの雲に乗って、なんなら、あんたを攫っちゃう?空から、ふわりと風が吹く‥窓辺に腰掛けて...

12

2016

すげぇ好きだわ 総つく

つくしのすすり泣く声がする。俺は、慌ててあいつの元に走る。つくしは、少し慌てた様子で、涙を拭う。「うんっ?総どうしたの?」慌てて部屋に入ってきた俺に、そう声をかけてくる。心配させまいとしているのか?古い仕来りに縛られて、魑魅魍魎の渦巻く世界に、お前を巻き込んでしまったのは、やはり間違いだったのか?俺は、お前を守り切れていない。ゴメンな。そう心の中で呟く。だけど、お前を手放せねぇ俺を許せ。「総、あの...

16

2016

明日になれば  総つく

「西門さん、ありがとう」「おぉ。また明日な」「うん。またね」稽古の後、お前を送った時、「またね」確かにそう言った。でっけぇ目で俺を見つめながら。「またね」そう言った。なんか言いてぇのかな? そんな風に思った。 明日になれば、また会える‥ そん時聞きゃいいや、そう思った。だけど‥ そうじゃなかった。次の日も、その次の日も、会えなかった。メールを入れた。ちょっと忙しいからまた連絡する。そんな返事が帰って...

07

2016

花いちもんめ  総つく

勝って〜嬉しい 花いちもんめ♪ 負けて〜悔しい 花いちもんめあの子が欲しい‥ あの子じゃわからん 相談しよう そうしようあの子は、だぁれ? だれの事?毎週繰り広げられる、争奪戦。ほら、ほら 今夜も、皆が競い合っている。「ですから、さっきからもお伝えしてる通り、あの流暢なフランス語は、類のお陰でしてよ。」「あの優雅なテーブルマナーにダンスの腕前は、あきら君ですわ。」「誰にでも、向っていく鼻っ柱の強さは...

16

2016

ハート石伝説 後編 総つく

車を走らせると、すぐ寝る牧野が起きてる。「今日は寝ねぇな。」「ぷっ、いつもいつも寝ないよ」「そうか?」「あははっ、違うか。」くだらねぇー事を話しながら、目的地に着く。「つくしちゃーん、こっちこっち~」手を振りながら、牧野を呼んでる。「っと、高村陽平君。目下のアタック相手♪」「アタックされてる?うーん。一応みのりちゃんの婚約者かと‥」「あははっ、そうとも言うかな?」 ここにもなんだかハテナがいっぱいの...

15

2016

ハート石伝説 中編 総つく

佐賀城は、別名 ”沈み城” と呼ばれる。沈み城の名の由来は、敵からの攻撃の際に、水路の一部をせき止め、幾重にも巡らした外堀を水没させ、敵の侵攻を防ぐように設計された事と、遠ざかるにつれ、楠や松の林に視界を遮られ城を覆い隠すように設計されていた事から来ている。現代の城趾には、官公庁街が立ち並び、佐賀市の中心となっている。昔の面影を残すように、緑の多い安らぎにみちた憩いの場としての役割もになっている。牧...

14

2016

ハート石伝説 前編 総つく

「あら、そう‥うふふっ‥そこなら‥ね」何の気はなしに漏れ聞こえた会話「ねぇねぇ、ハート石伝説って知ってる?」「うん。なになに?」「‥へぇっーーー まじか」「ホントらしいよぉー」「えぇーー もっと早く聞きたかったなぁ~そしたら竹井君との恋も実ってたかもぉー」「くふっ、それはどうかわかんないよー」大きな笑い声と共に、女子高生が過ぎ去って行ってく。ハート石伝説? お城にハート? あら 面白そう。恋の成就? ...

28

2015

愛してるって言ってみて 総つく

ねぇねぇ、ちょいとお兄さん。あたしの事さぁー「愛してる」って、言ってみて?うーーーん。コレじゃダメか‥…じゃぁこんなのは?よぉっ、そこのお前さんあたいに「愛してる」って、言ってみな。うーーーん コレはもっとダメだ。昨日からあたしは頭を悩ましている。どうやったら、あいつにあたしを愛してるって、言わせられるかって。これはあたしとアイツの戦いだ。あたしがあいつに「愛してる」って言うかあいつがあたしに「愛し...

03

2015

コイントス 総つく

あたしは今悩んでる。あたしの目下の悩みの原因は、‥…目の前のこの男。 西門 総二郎 水も滴るいい男、美丈夫、美男子、伊達男見場よし、軽いのりで 千人斬りも間近?? なんて事を噂をされてる‥…目の前のこの男。 西門 総二郎3回ルール‥… 一期一会‥…そんなふざけた言葉も、この男が紡ぐと‥…一度だけでも夢を見させて欲しいと思わせる‥…目の前のこの男。 西門 総二郎美貌も、才能も兼ね合わせた‥…目の前のこの男。 西門...

03

2015

そうか、そうだったんだ。 総つく

裏か表か 表か裏かつくしがコインを弾く‥…表ならオレの勝ち。裏ならつくしの勝ち。裏か表か 表か裏か コインが空を舞う……「表だぁー」つくしがオレを見た。「オレの勝ちか。」オレはほくそ笑む。「はぁはぁーなんなりと‥…」オレ達は、コインで賭けをした。表ならオレの勝ちで、裏なら牧野の勝ち。負けた奴は、勝った奴の言う事を聞く。願い事は、全部で5個だ。「じゃぁ先ず、呼び名から‥…今日はオレの事、西角さんて呼ぶな。」...

08

2015

一葉の写真 後編 総つく

牧野が西門に来るようになって、なぜか親父や弟までもが稽古の終わりを待ち、皆で飯を食うようになった。人生生きてきて29年小っちぇえガキの時も味わったことのない≪ 家族団欒 ≫ なんてものが西門で毎週繰り広げられてるから驚きだ。稽古の時の凛とした佇まいや、真摯な眼差しとは打って変わり、ケラケラと弾んだ声でよく笑い、美味そうに飯を食う牧野。「西門さんの家のご飯は何を頂いても皆美味しい」なんて、料理人泣かせ...

08

2015

一葉の写真 前編 総つく

「総、見て見て...」この邸には一見不釣り合いな明るく透き通る大きな声で俺を呼ぶ。彼女が手にしていたのは、懐かしい一葉の写真…親友達皆で撮った懐かしい写真「もうどのくらい経つんだろうね?」大きな目を細めながら考え込むお前「この写真って、あたし制服着てるから高校の時のだよね?だとすると30年は経ってるって事かぁ…流石に皆も若いよね…」懐かしそうにお前の指が写真をなぞる。そんな仕草も色っぽくて見惚れちまう...