明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

03

2017

巡り合い 16

司は、軽やかな寝息を立てながら眠るつくしの顔を見る。起きている姿と違い、目を閉じて眠る姿は、どこか儚げで今にも消え入りそうにみえる。つくしの頬にかかる髪をそっとはらい、頬に触れる。まるで宝物に触れるかのように。もし、この場に普段の道明寺司を知る者が居たならば、何度も何度も目を擦り、夢でも見たのかと驚く事だろう。いや、目の前に鏡があれば、本人が一番驚いた事だろう。司は、慈愛に満ちた微笑みを浮かべなが...

16

2017

巡り逢い 15

「忙しいと思うけど、ぐっすりと休んでね」迎えの車に乗せられて、そう声をかけられた瞬間____司は、無意識につくしの腕を掴んで車の中に引き摺りこんでいた。つくしが抗う暇もなく、車は走り出した。つくしの匂いに安堵するかのように司は身体を預けた。心の安息からなのか、痛みから解放された司に、普段感じる事のない眠りが訪れる。「えっ? ちょっ、ちょっと」身体を揺すろうが、つねろうが司はよく眠っている。「ハァッ...

15

2017

巡り逢い 14

「何か付いているか?」司に耳元で囁かれ、つくしは慌てて「髪を、髪を下ろすと随分と印象が違うんだなって」アルコールの酔いもあったのだろう____言うつもりなどなかった言葉を口にしていた。「髪……?」予想だにしていなかったつくしの返答に、司は同じ言葉を繰り返したあと眉根を寄せた。我にかえったつくしは「あっ、馴れ馴れしく申し訳ありません。若々しく感じたので、あっ、でも昼間の姿が老けてみえたとかそう言うこと...

14

2017

巡り逢い 13

黒田と別れ、いくつかの事務処理をし終えたつくしがホッと一息ついた頃、ホテルの部屋にベルの音が鳴り響く。ディスプレイには黒田の名前が表示されている。タップして出てみれば「牧野さんごめんなさい」開口一番に黒田に謝られる。「うんっ?、どうされました?」「あっ、いえ。実は……彼がこっちに来てるって連絡がありまして」「なんだ、深刻な声してるから何事かと思っちゃいました。来てるんだったら良かった。あっ、じゃぁ、...

26

2017

巡り逢い 12

上ずった声がなおる頃、つくしの胸に 会いたくなかった。 でも、会えてよかった。 そんな思いが広がっていた。 司と再び出会ってしまう事が怖かった。 心が、身体が17歳のあの時に戻ってしまいそうで____ でも、司と再び出会う事によって激しく悲しかった恋が、綺麗な思いに昇華されていくのをつくしは感じた。 17歳の自分は、嘘偽りなく目の前の男を愛していたと。その思いは、キラキラと光り輝いて心を飾る...

04

2017

巡り逢い 11 類つく

エフィテヒアに着き新しい営業の人間と挨拶を交わせば、開口一番に「牧野さん、本当にすみません」慌てながら頭を下げて来る。あまりの慌てぶりに思わず疑問系になりながら「あっ、はい?どうしましたか?」そう聞けば「あっ、実は___軽井沢の方に行って頂きたくて」「か、か、軽井沢ですか?」「はいっ。先程電話がありまして__新しい社長がどうしても話しを聞きたいと。ただ新しい社長がとても忙しい方でして___本当に本...

28

2017

巡り逢い 10 類つく

乱暴に黒髪を掴みあげ怒張したぺニスを華奢な体つきの女に荒々しく挿入する。優しさも愛もなにも存在しないただただ欲望の捌け口としての荒々しい行為。欲望を吐き出せば吐き出すほどに男の心は渇き、渇きを癒やすために人を操りマネーゲームに興じる。束の間の高揚感と引き換えに虚しさが心を蝕んでいく。渇いて 渇いて堪らないほどに渇いていく。渇けば渇くほどに欲望は肥大し残虐性が増していくだけなのに。欲望を吐き出した瞬...

21

2017

巡り逢い 09 類つく

「ジョワ、お留守番頼むね」 ジョワに声をかければ、キャットウォークからちょこんと顔を覗かせてニャー と一声鳴く。 「もぉぅ、仕事に出掛ける時はツレナイんだから」 ゲンキンなジョワに苦笑して 「行って来まーす」 もう一声かけてから 〝パタンッ〟ドアを閉める。 エレベーターに乗った瞬間、スマホの音がなる。 「おはようございます。牧野です」 スマホの向こうからは、法務課の直属の上司である鴇...

05

2017

巡り逢い 08 類つく

「さてとっ」 かけ声を一つかけテーブルに残った皿をトレイに載せていく。お揃いのカップを手に取れば、クスリとつくしの顔から笑みが溢れる。 類の両親にプレゼントして貰った物だ。 「うふふっ、これ2セットもあるのよね」 類がジョワを連れ帰った3ヶ月後、花沢の邸をつくしは出た。 「類も、お義父様も大反対だったわよね」 つくしは、その当時の事を思い出しながらジョワに話しかける。ジョワは...

01

2017

巡り会い 07 類つく

つくしを見かけたあの日から全細胞が叫びを上げる。 〝牧野つくしを手に入れろ〟と…… かつて心から愛した女だと自覚のない司は、自分の心の叫びに人を操るゲームのスタートだとばかりに一計を案じる。 司が先ずしたことは、つくしが法務を受け持つ花沢物産系列の系列会社に己の所有する会社から共同事業を持ち掛けさせることだった。 少しずつ黒い罠を張り巡らせていく。 「ここだ___」 司はカレンダーの日付を爪弾き...

21

2017

巡り逢い 06 類つく

男があんなにも避けていた東京の筈なのに___ぽっかりと空に浮かぶ青白い月を見た瞬間、まるで導かれる様に普段なら決してしないようなことを口にする。「少し遠回りしてくれ」馴染みの運転手に声をかければ、隣りに座る秘書の若槻が珍しい事があるものだというように目を丸くしながら男を盗み見る。若槻の見せる驚きの表情に気付きもせず、男は車窓から青白く輝く月を見る。刹那男の目の端に黒髪の女が飛び込んで来る。モノクロ...

11

2017

巡り逢い 05 類つく

「…る…い…」 眠りながら俺の名を呼ぶ彼女の鼻先をチョコンと突つく。 小腹が空いたのか? つくしの隣りで寝ていたジョワがニャーと鳴きながら、ベッドから飛び出て俺の足下にすり寄ってくる。 ジョワを抱き上げながら___ジョワが家にやってきた日の事を思い出す。 大雨の降る中、ミャーミャー鳴きながら子猫が彷徨っていた。放っておけなくてずぶ濡れの子猫を抱いて家に帰った。つくしが大...

13

2017

巡り逢い 04 類つく

仲間と別れつくしと二人店を出る。「少し歩きたいな」つくしの言葉に頷いて、夜中の街を二人で歩く。二人で歩けば、幸せはいたるところに転がっている。同じものを見る喜びに、ふわりといい匂いのする首筋に、ふと触れた指先に。全てのモノがキラキラと光っている。これ以上愛せないほどに愛しているのに__驚くほどに日々愛がつもっていくのを実感する。愛してる___そんな言葉では表せないほどに愛してる。つくしの好奇心おう...

03

2017

巡り逢い 03 類つく

『__うん。うん。良かった。上手く行ったんだね……….えっ、ネクタイのお陰? うふふっ、じゃぁご褒美に今度のお休み、久しぶりに花沢の邸に連れてってもらおうかな』 『それじゃ、つくしのご褒美にならないよ』 『そんな事ないよ。お義母様達とも久しぶりにお会いしたいし』 『そんな事言ったら、母さん泣いて喜んじゃうよ』 『だったら、やっぱりご褒美だ。うふっ、あっ、優紀達にち...

02

2017

巡り逢い 02 類つく

新しい季節に変わっていくのを告げているかのように強い風が吹いている。幸せで堪らないというように、つくしの唇からハミングが零れ出す。ホテルのロビーを突き抜けエレベーターに乗り込もうとした瞬間、誰かの視線を感じ後ろを振り向く。「つくし〜」優紀が嬉しそうに走ってくる姿が目に飛び込んで来る。「優紀、久しぶり〜 ごめんね。奈々ちゃん大丈夫だった?」つくしは、今感じた視線を忘れて、優紀に話しかけていた。「片瀬...

30

2017

巡り逢い 01 類つく

大切な大切な愛するあんたに__俺から送る最後のプレゼントカタンッお揃いのリングを外し〝ありがとう〟五文字の言葉を書き残して〝愛してる〟五文字の言葉を心にしまい込んで部屋を出る。表に出れば__どこまでも澄んでいる青空が広がっている。大きな伸びをして深呼吸を一つする。「あれっ?__可笑しいな」真っ青な空の筈なのに、何故か目の前に靄がかかり青く澄んでいる筈の空がぼやける。下唇をギュッと噛み締めて目を瞑る...

30

2017

巡り逢い プロローグ 

記憶の一部を無くし、NYに来て早十年。何かぽっかりと大きな穴が俺の心に開いたままだ。時折、ふと思う。俺は幸せを知ってんじゃねぇかって俺を俺として見てくれた女がいたんじゃねぇかってそんなわけねぇーな俺に近づいてくる女共は、道明寺目当てか、俺の身体目当てだからな。女なんて、ただの性欲処理に過ぎねぇ一皮剥きゃあどの女も皆一緒だ。うす汚ねぇメス豚と一緒だ。仕事は俺を裏切らねぇで、俺の欲求を満たす。駒のように...