29
2018
パラレル時代劇 お江戸でござる! 若竹勧進帳編 by星香さま
時は江戸。浦賀の沖では大砲が鳴り響く中、“イモ公方さま”こと家定公は、お堀の内側にて南蛮渡来“かすていら”作りに夢中の、花のお江戸。その江戸の花街の一角。まだまっ昼間だというのに、なんとも騒がしい声が響く。「…しつこいなぁ…」僅かに息を乱し、追っ手を気にしながらぽつりと呟く。まだ元服をして間もない、見目麗しい男ー総二郎は顔を曇らせた。「いたか!?」「否、いねぇ!」等々、独創性のない言葉を吐く、厳つい追っ...
15
2017
06
2017
05
2017
04
2017
29
2017
お江戸でござる! 逢引編 by 星香さま
パラレル時代劇『お江戸でござる! 逢引編』※注意書きこのお話は、大店の一人娘、つくしと、ぼんくら亭主(婿殿)総二郎。番頭の類、同心のあきら、侠客の司が織り成す、パラレル時代劇(もどき)。今回は、つくしと総二郎が結婚する前のお話です。時は江戸。南紀派が一橋派に勝利し、若く見目麗しい公方様が誕生し数年。夷狄やら、京より来られた天子様の妹御の話題で、大賑わいの江戸の町。そしてここに、賑やかな一団がひとつ…...
21
2017
20
2017
20
2017
28
2016
反則負け、反則勝ち 04 byたろさ様
「うん、いいけ………ふええええ?」いったい身体のどこから出てくるのかわからないような不思議な叫び声に、思わず吹き出しそうになったけど。そんなことしたらぜんぶぶち壊しになる気がして、黙ってじっとこらえた。「ダメ?」「ダメっていうか。お揃いって。それ………。」とりあえずすぐにダメって言われなかったことにほっとする。……と、目の前でみるみる朱に染まる牧野の頬を見て心のどこかがぴょんっと跳ねた。もぎたてのトマトみ...
27
2016
反則負け、反則勝ち 03 byたろさ様
類のために選んだ黒い塗り箸。本当はね。本当の本当は、夫婦箸なんだ。食器棚の引き出しの奥にこっそり隠してあるけれど。おそろいの箸があるんだよ。だから余計に、「それ、類のだよ」って言うときはドキドキだった。震えないよう必死に何でもないふりをして、声を絞り出して。ほんのちょっとでいいから、喜んでくれるといいなって思ってた。でもホントは少し怖くもあったんだ。「……え?ナニコレ」なんて、引かれたらどうしよう。...
26
2016
反則負け、反則勝ち 02 byたろさ様
「あっ、お箸はそこ。」「あい。………え?」いつも通り食器棚の引出しから客用箸を取り出そうとした俺に、なにげない口調で牧野は言った。そこ、と言って指さしたのは食器棚に置かれたガラスコップ。牧野はそこに、取り出しやすいよう自分の箸を立てている。でも今日はそのコップに、牧野のソレよりひと回り大きな黒い塗り箸がいっしょに入っていた。「これって………。」塗り箸を手に取って、確かめるように握ってみる。この手に妙にし...
25
2016
反則負け、反則勝ち 01 byたろさ様
「ねえ、類。お昼どうする?」明日締切の課題をようやく片付けてそう聞くと、ちゃぶ台に頬杖をついてくすくす笑いながらテレビを見ていた類がこっちを向いた。「俺、牧野ごはんが食べたいな。」ニコッとしながらそう答える澄んだ眼差しは何だか妙にキラキラと輝いていて。瞬間、どくんと胸が高鳴る。「いいけど、あたしの作るものなんてたかがしれてるのに。」少しぶっきらぼうに返したのは、なんだかとっても照れくさかったせい。...
27
2016
ツーリング物語 asuhana家バージョン
ツーリング物語 asuhana家バージョン 教育上問題があると思われるセリフや表現がございます。 周囲にお子様がいないことをご確認の上、お読みください。 今日は牧野とふたりでツーリング。 やっと暑い時期も終わり、寒くなるまでの期間は絶好のツーリングシーズン。 多摩川沿いから川崎へ抜けて246を南へ進む。戸塚からは国道1号をひたすら走って湘南へ。 いつもなら江の島へ行くところを今回は片瀬漁港から江の島を眺めた。 濃...
09
2016
金魚鉢 類つくver. 空色さま
金魚鉢の縁を爪先で叩いてみる。 コンコンと小気味イイ音がして、赤い和金のつくしと頭の上と尾ひれの先っちょが赤で体が白い和金の類が、 パクパクと口を開けながら寄って来た。 くくっ、さっすが牧野が育ててるだけあるよね? 食いしん坊さんだ。 二十日程の海外出張を終えて、空港から直接牧野のアパートに帰って来た。 この前まで窓際で揺れていた、金魚と一緒に連れて帰って来た風鈴は……、 もう、仕舞っちゃったんだね? 暦の...
12
2016
大奥~明日花の乱~ by haruwo
______安政3年時の将軍・総二郎の3人目の正室として輿入れしたつくし。自らが望んだ輿入れではなかった。つくしには、薩摩藩士である類という許婚がいた。2人の仲はとても睦まじく、周囲の祝福も受け、つくしはとても幸せだった。しかし、運命の歯車は狂い始める。総二郎の正室が相次いで早死し、子宝にも恵まれなかったことにより、子沢山の家系で健康体のつくしに白羽の矢が立ってしまったのだ。家のことを考えると断るこ...
01
2016
蝶と薔薇と 〜アゲハ蝶 あきらver〜 by haruwo さま
「美作さ~ん、早く、早く~~♪」 夏の終わり、蝶柄の浴衣姿の牧野が俺を呼ぶ 双子の妹たちと揃いの浴衣を着て、家の庭で花火を楽しんでいる 薔薇の咲き誇る家の庭を、妹たちとはしゃぎながらちょこまかと動く姿は、牧野が蝶のようだ 漆黒の髪に花火が反射して、まるでアゲハ蝶がひらり、ひらりと飛んでいるようで、何だか胸が苦しくなる 「そんなにはしゃいでると転ぶぞ?ヤケドでもしたらどうするんだ?」 牧野が望む、優しくて...
31
2016
開かずの扉 〜アゲハ蝶 総つくver〜 by haruwo さま
テレビの中を一羽のアゲハ蝶が飛んでいる もの哀しげなメロディともに… ひらり、ひらりと、男子禁制の女の園を 「ふふっ……政略結婚、愛されない御台所にたくさんの側室、お世継ぎ争いに嫁姑争いかぁ…400年前から変わんないんだね」 ふと、愛しいあなたを思い出す 「この中にいても違和感ゼロだわ…平成の光源氏っていうより、上様がピッタリだね?」 サングリアを飲みながら、みんなにいつも笑われる大きな独り言をあたしは言う 半...
28
2016
宵月孤月 あきつく たろさ様
どこにスピーカーが仕掛けられているのか。 それとも本当に誰かが吹いているとでもいうのか。 宵闇をすり抜けるように祭囃子のか細い笛の音が鳴る。 聞き慣れないその音に一瞬気を取られ、はっと前を見ると紺色の両袖をひらひらと靡かせながら牧野が小走りに背中を見せていた。 すぐ届く距離なのに、なぜかひどく遠い気がして。 慌てて伸ばしかけた手のひらが宙に舞う。 まだ増え始めたばかりの人並みは薄く、華奢な後姿は切り抜い...
28
2016
星の中の君 類つく 凪子さま
サワサワ サワサワ 川のせせらぎの音 もうすぐ夜の帳が降りる頃 俺達は二人 ここ 養老渓谷までやって来た ――― ねぇ花沢類、蛍って見たことある? あの牧野の一言が無かったら 俺 知らなかったよ 虫達の鳴き声 生き物達のざわめき... 大自然の中って 結構いろんな音があるんだな 「凄いね~!空気が美味しいってホントなんだぁ~! 」 ...プッ! 中でも一番にぎやかなのは、あんただった ヒラヒラと 楽しそうに動き回って 闇の中に...
11
2016
LOVE PHANTOM 星香さまより
何故、こんなことになったのだろう?司とつくしが破局して数年後。類はつくしと結婚した。幸せだった。傍につくしがいる。それだけで。色を持たない世界が、色づいて見えてくる。それが永遠に続くものだと思っていたのに………社交的なつくしは笑顔を向ける。類以外の者にも。そこに恋愛感情は無い。判っている。判っているのに…許せない。他の誰かと踊るなど以ての外。挨拶の握手を交わしただけで、否、何かの折、僅かに触れただけで...
14
2016
アゲハ蝶 つくしver by 星香さま
隣に眠る顔を見つめる。 何時も他人に見せる、不機嫌そうな顔ではなく、 無防備な、少年のような柔らかい寝顔。 つくしだけが知る、類の顔。 その頬に触れたくて手を伸ばし、それを止める。 思い切るようにそっと起き出し、足音を立てないようバスルームへ向かう。 シャワーを浴びる。 温かいシャワーを浴びているというのに、心は冷えていくのが判る。 バスルームから出て、鏡に映る自分の姿を見る。 首筋、手足、胸元。 類が触れ...
14
2016
アゲハ蝶 類ver by 星香さま
隣に横たわる気配が動く。 そっと起き、足音を立てないように歩くのはいつものこと。 眠る類を気遣っての行動なのだが、 側にある温もりが離れた時点で目が覚めることを、彼女は知らない。 聞こえて来る水音に、類が僅かに目を開ける。 それも止みしばらくした後、出て来たつくしは、来た時と同じ姿をしていた。 服は勿論、ストッキング、髪型、すべて同じ。 何事も無かったかのように、情事の跡を消す。 「…じゃあ…行くね」 「……...
03
2016
スマホデビュー りおりお様よりの頂き物♪
土曜日の昼下がり、、、 つくしと類は、仲良く手を繋いで、つくしのボロアパートへ帰宅した ドアを開けると、ムアッとした空気が二人を出迎える つ 「暑いねぇ、、、まだ6月だというのに、、」 類 「今年も暑くなりそうだな。 あっ、、窓開けるから」 つ 「うん、、麦茶用意するね」 類 「あい、、」 つくしは、手にしていた袋を、ちゃぶ台に置き、早速麦茶を入れ始めた そして、それを持ち類の横に座る つ 「とうとう買っ...
22
2016
ある日の出来事 by Gipskräuterさま
それは雲ひとつない青空が広がる日の出来事。 「ねぇ総。早く行こうよ。」 「ああ、ちょっと待てって。今手配してっから。」 「もー!きっとみんな待ってるよ。」 「分かってるって。」 今日のための手配を済ませてつくしの待つ玄関に向かった。もう待ちきれないと言わんばかりに、大きな瞳をキラキラさせて俺を待つつくしに流し目を送った。 「そんなに楽しみなんだ?」 「そうだよー。だから早く行こっ?」 頬を染めながらも、な...
22
2016
いつもとなりに by Gipskräuter さま 総つく
いつまで経っても慣れる事のない整った顔をぼんやり眺めていた。 「どうした?食わねぇのか?お前それ好きだろ?」 食事も済んで、デザートを前にぼーっとしてるつくしに声をかけた。 「えっ、あっ、うん。なんかね、幸せだなぁーと思って。」 「なんだよ、急に?」 「だって、総とこうして一緒にいられるなんて夢みたいなんだもん。」 なんで私こんな事話してるんだろ? 「今日はやけに素直だな?なんかあんのか?」 「ふふっ。何...
01
2016
コメント返信 by 空色さま
asuhanaさまのお誕生日&類誕コラボに参加させてもらっちゃいました、空色です。再びの、コメント…嬉しかったです。ありがとうございました。チビネコママさまくうーーっ!「凄くいい。」頂きましたっ!類らしくなってましたでしょうか?ありがとうございました。みかんさまね!おそろですよ、お・そ・ろ(´ψψ`)………うふふ。きゅ~んとなってくれて、嬉しいですー。ありがとうございました。ココアさまほのぼの、かわいいが伝わって良か...
30
2016
ひらり、ふわり 空色さま 類誕
ひらり、ふわりひらり、ふわりと舞い散る桜の花びらに、小さな手を伸ばして、「あー。」 「うー。」と、ご機嫌にお話ししてる我が子に瞳を細める。ママの姿が見えなくなると、途端にぐずり出す我が子を抱き上げて、ママも大好きな桜の木の下に出た。ねえ、つくし。覚えてるかな?「風の無い日に散る桜が好きなの。」って、教えてくれた日。あれから、何年経ったかな?あの日、二人で幾つ花びらを受け止められるか競争したよね。どっちが...
29
2016
おそろいのパジャマ オマケ 空色さま
♪~♪♪ ♪~♪♪我が家の陽たありの良い特等席に、どーんと置かれている牧野のお気に入りのチューリップの寄せ植えの鉢。彼女が引っ越して来た次の日、あきらからの引っ越し祝いだと言う、それが届いた。それから毎日、鼻歌を歌いながらの水やりに勤しむ彼女。♪~~♪~~次の歌詞は?全色、揃って無いよ?あかぁ~ あかぁ~ ぴんくぅ~…………………ぷっ。「ねえねえ、類。来て来て。」はいはい。何ですか、お姫様。「ん?何?」「ねえ、見て...
29
2016
見つけた 後編 類つく みかんさま
つくしがその道を行こうとすると、ふんわりとした巻き毛に柔らかな美貌が眩しい優男風の男が引き止めてきた。 「お前、本当にその道でいいのか?」 「え?」 「明日咲く花をさがしているんだろう?だったら、この先に進んでごらん。」 そう言うと、その人は線の細い柔らかな顔で優しく微笑み、静かに語り出した。 「この先の道は薔薇の庭に続いているんだぜ。そこの薔薇の匂いを嗅いでいると、懐かしい思い出が蘇って来るかもしれ...