明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

16

2015

曇天  1 あきつく

曇天の空を眺める。傘を持とうか持つまいか‥…曇天の空は、実らなかった恋を思い出す。このまま雨が降るのだろうか?いっそ、激しく雨が降ればいいと曇天の空を見上げ思う。激しい雨は全ての気持ちを隠してくれるから。あれから何年経ったのだろう? 鏡に写ったあたしは、もう夢見る少女じゃない。あれからの歳月、あたしは何を見て何を感じて過ごしてきたんだろう。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*R...

17

2015

曇天  2 あきつく

真っ青な空を見上げ、深呼吸を一つ。一週間分の家事を終え、美作さんとの約束時間を待つ。2時丁度に家のモニーターのチャイムがなる。きっと美作さんだろう。早過ぎもせず、遅過ぎもしない丁度の時間モニーターを確認すると、やっぱり美作さんふふっ 相変わらずなんだぁなぁー 懐かしく感じる。「はーい。今いきまーす。」***「美作さんもこの辺に一人暮らしとだったとは、ビックリしたよー」「俺も、あんまり近くてビックリ...

20

2015

曇天  3 あきつく

ピュルルルゥルー ピュルルルゥルー トビが舞う。雲一つない青空に、獲物を狙ってトビが舞う。あの日の帰り道、海が見たいと牧野が呟いた真っ青な空の下で、海が見たいと‥…「海みたいなぁー」牧野が小さく呟いた「いいなー 行きたいなー いつ行こうか?」「…晴れた日がいいな」自然に約束を交わせる事が心地よい。真っ青に晴れた日曜日、2人で江ノ島へ向かう。「夏じゃなくても、案外人が多いんだね。」「観光地だもんね〜」他...

24

2015

曇天  4 あきつく

赤い赤い夕焼け空を見上げる。昼と夜の中間。不思議な時間。牧野は美作さんみたいだといつも言う。夕焼け空の時間は短い。漆黒の闇がいつの間にか辺りを覆う。「美作さーん 待った??」「待ってないよ」「ホント?」手をとり、俺の温度を確かめる。「今日はホントだね。」束の間の幸せ‥…手を触られて喜ぶなんて、小学生か!と、自分で自分にツッコミを入れる。だけど、それが真実なんだからしょうがない。「‥…でね、って、ちゃん...

29

2015

曇天  5 あきつく

凍てつくような寒さが広がる‥受付がざわめき、我先に対応しようと一生懸命になっている。五木の受付嬢らしくない対応に、思わず苦笑いをしながら商談相手を出迎える。「お待ちしておりました。美作部長。」「こんにちは、牧野さん。今日は宜しくお願い致します。」お互いに他の人に気づかれぬように、クスリと笑い合った。***受付で用件を伝えようとしていると‥後ろから声がかかる牧野だ‥… 挨拶を交わしながら、2人同時にクス...

04

2015

曇天  6 あきつく

雪が降りそうな寒さになってきた‥‥外の寒さと、比例するかのような牧野のテンションの低さ‥反比例するかのような、五木専務のテンションの高さ‥何となく居心地が悪い‥… 3人での食事が始まる。「美作部長は、何がお好きですか?ここはなんでも美味しいですよー なっ、牧野」「特に好き嫌いはありませんので何でも大丈夫ですよ。」「そうですか。では‥… いつものシェフのお任せでいいかな? 牧野もいつものでいいよね。飲み物も...

13

2015

曇天  7 あきつく

「あっ、雪? うわぁ綺麗だね」「あぁ綺麗だな。」降ってくる雪を掴まえようと、手の平を差し出している姿が妙に愛らしくて、見るとはなしに見ていた。「雨は嫌い、でも雪は好きだなぁー」小さな声で呟いた牧野。耳元でピアスが揺れている。ゆらゆらゆらゆら揺れている。「美作さん 明日は何してるの?」「っん?仕事。」「そっかぁー 残念。」「って、お前休み?」「うふふっ 仕事だよ。」「じゃぁ 残念でもなんでもねぇじゃ...

23

2015

曇天  8 あきつく

雪は雨へと変わり、雪のベールを溶かしていく。雨は嫌いとばかりに、部屋のカーテンを閉めていく。食事を楽しみながら、色々色々話す。牧野との会話はいつも楽しくて、このままの時間がずっと続けばいいのにと願う。「25日のルノールのパーティは9時開始だっけ?珍しく遅いパーティーだね」小首を傾げ、牧野が聞いてくる。「あぁー 大人の開始時間らしいよ」「「ぷっ」」あははっ くくっ 2人で肩震わせて笑ってしまった。大人の...

27

2015

曇天  9 あきつく

射るような視線の男が、俺等に近づいてくる。「よっ あきら」「司、久しぶりだな‥…いつから日本だ」声を聞いて牧野が顔を上げる‥…司の冷たい視線と牧野の怯えるような視線が絡み合う‥…10年ぶりに会う道明寺‥…この男(ひと)は、あの雨の日の別れをまだ覚えているのだろうか?あたしが道明寺よりも友達を選び、別れを選んだ日の事を‥…道明寺と別れを決めたあの雨の日「お前は俺を一人の男としてみたことがあるか 家のことや母親の...

04

2016

曇天  10 あきつく

口づけを交わしたものの、俺は思案にくれる。このまま進めてしまってよいものなのか?  それとも立ち止まるべきなのか?ふっ、女には不自由はしていない筈だった。幾人もの女を抱いてきた筈だった。それなのに、牧野を前にすると俺は何も知らなかった日に、舞戻ってしまう。美作さんの熱く蕩けそうなキスを受け、あたしはこの男(ひと)が好き。そう強く強く思う。彼の戸惑いが伝わってくる。女性には慣れている筈の美作さんなの...

18

2016

曇天  11 あきつく

真っ青な空の朝に、ヨーイどんをした、あたし達の恋。あきらは、底抜けに優しくて、そしてどこに居ても違和感がなくて‥時折、あきらとあたしは、同じ世界に住む人間じゃないのかと、錯覚してしまいそうになる。あきらが好き。大好き。でもあたしの恋は、この恋は、愛にはしない。愛してしまったら離れられなくなるから。愛してしまったら、未来を望んでしまうから。沢山沢山、キスをして、沢山沢山、話しをして、どんどんどんどん...

09

2016

曇天  12 あきつく

朝陽を浴びて、シャワーを浴びる。ヨシッ 気合いを入れる。明日なんかこなければいいのに、なんて事を思っても、誰の元にも公平に朝は来る。だから、明けない夜はない。昏い昏い闇夜を抜ければ、朝が待っている。ミルクたっぷりのカフェオレに、クロワッサン、サラダにオムレツなんていきたいところだけど、朝はコレだねで、二人揃って、焼き魚、香の物に、野菜たっぷりのお味噌汁。土鍋で炊いたご飯が光ってる。あきらと2人で食...

24

2016

曇天  13 あきつく

道明寺の凍てついた眼差しが、あたしを突き刺す。怖い‥走ってこの場から立ち去りたくなる。でも‥この男(ひと)から逃げちゃいけない。あたしがあきらを愛し、安息の場を見つけたように、彼の心にも安息をあげたい。きっと‥ あたし以外には出来ない事。あの日、あの時の思い‥ ずっと蓋をしていた思い。あきらのお陰で、あたしの心は、やっとあの日から解き放たれようとしている。かつて愛した、愛おしい男にも‥ 解き放って欲し...

25

2016

曇天  14 あきつく

数秒間の沈黙の後「なぁ、司‥」あきらが俺の名前を呼んで、話し始めた。「つくしはさぁ、ものじゃねぇんだ。貸して下さい。はいそうですかじゃねぇんだ。つくしにはつくしの意思がある。あいつがお前と話したいと思えば、話せばいい。それだけだ。」「はんっ、余裕だな。」ジロリとあきらを睨む。「余裕?そんなんじゃねぇよ。ただ、俺はつくしを縛りたくはないと思ってる。つくしが、司、お前の事を好きならそれはそれでいいんだ...

26

2016

曇天  15 あきつく

痩せ我慢? いいや俺の本音だ。10代のあの月の夜‥ 俺の恋心は閉じ込めた。再び出会って、江ノ島の太陽の下もう一度恋をした。五頭龍が、弁天様に恋をしたように。五頭龍が弁天様を永遠に見守るように、俺はつくしが幸せならそれで良い。つくしが、司を選ぶなら、心は痛むだろうけれど俺は見守ろう。痩せ我慢じゃなくて、そう思う。曇天の空にも、あいつが笑えればそれで構わないってな。そうこれが、俺の愛し方なんだ。俺はも...

27

2016

曇天  16 あきつく

つくしの寝顔を眺めながら‥こんな時間が、ずっと続けば幸せだな。なんて思う。真っ白な肌が、暗闇で発光しているように、窓から入る月の光に照らし出される。つくしの心が何にも縛られずに、自由に空に飛び立てる様に、月に願う。おでこにキスを一つ落としつくしが笑っていられますように。つくしの毎日が穏やかで笑いの絶えない人生でありますように。そう願う。ベッドを抜け出し、カーテンを開ける。昏い空には、月が輝く‥俺って...

27

2016

曇天  17 あきつく

もう恐れない。何からも‥今日、あたしは 道明寺に会いに行く。ごめんね。と 誰よりも好きだった。その2つを伝えるために。曇天の空‥ はじめて曇天も悪くないと、あたしは思う。雨が降ったら、濡れてしまえばいいと思う。雨が降っても、もう怖くない。あたしは、空を見上げる。晴れも、曇りも、雨の日も あたしは笑って生きていく。**牧野が、俺に会いたいと連絡を寄越す。空を見上げる。今にも一雨来そうな雨空が広がってい...

28

2016

曇天  18 あきつく

雨は、まだ降り続けている。だけど、一条の光が差している。もう直き降り止むのだろう。恋を諦めた、あの日から、雨の日が嫌いだった。後悔という十字架を背負い生きてきた。10年分の後悔は、どんどんどんどん膨れ上がって、だけど行き場がなくて、辛くて辛くて仕様がなかった。雨が嫌いだった。心を冷たく打ち付ける雨が嫌いだった。だけど‥‥明けない夜がないように止まない雨はない10代の恋に、やっとやっとサヨナラが出来た。背...

28

2016

曇天番外編 月夜 あきつく

「あきらのバカ」何の事か、わからないまま‥ ” バカ ” の2文字を残して、帰って行ったつくし。一人取り残される俺。俺の頭には ????? しか浮かばない。 何かやったけ?考えても考えても答えは見つからない。さっきまで楽しく、俺の誕生日祝っててくれたよな?壁にもたれ、空(くう)を見つめる‥ 愛する女を思って‥違う、そうじゃない。そうじゃない。俺が今しなきゃいけないのは、つくしを追いかける事だ。上着を手に...