12
2015
レッスン その後のお話 総つく
気合いを入れてた筈の俺‥‥ 気合い入れ過ぎてちょこっと落ち着けと酒を飲んだら、1杯が2杯、2杯が3杯と続き、ありえねぇくらい飲んじまって、いつの間にか寝てた俺‥…あいつの独り言を微睡みの中で聞く‥…「うーーーん。やっぱり色っぽいねぇー 伊達に女たぶらかしてないね~このお師匠さんは、」俺のおでこを指でパチンと弾く。な、な、なんだこいつは? やっぱり牧野だなぁー なんだか可笑しくなって、なんだか幸せになって、...
03
2015
レッスン 後編 総つく
散々管を巻いたあいつは、コテンっと突然寝てしまった。揺すってもなにしても起きない牧野。仕方がないので、あいつの寝顔を眺めながら色々考える。何で俺はここ数年女遊びを辞めたんだ? 茶についてもっともっとの探究心が出てきたのは何がきっかけだ? 俺の茶が変わり、心がこもってきたと言われだしたのは何時からだ?少し考えれば全てが明白だった。こいつが司と別れ、しばらく経ってから 「やっぱりお茶が好き。迷惑でなけ...
03
2015
レッスン 中編 総つく
「答えは?答え?」鬼の様な形相で迫られ、無言で頷くしかなかった俺「では、お色気レッスンお願い致します。」この10年で身に着けたそれはそれは美しい所作でお辞儀をする牧野。……その日から、茶道の師弟関のみならず、お色気レッスンの師弟関係が加わわった。お色気レッスンって、なんだよ…それ??? な、俺だが本人はいたって本気だから性質が悪い。メモ帳まで持ち出しそうな勢いで俺を観察するのに、俺のプライベート空間...
03
2015
レッスン 前編 総つく
「若宗匠お願いがあります。」神妙な顔をしながらも、唐突に本当に唐突にそう切り出した俺の弟子。少しモジモジしながら「あたしに色気をご伝授下さい」必死になって頼み込んでくる、色気もへちまもない女。「…い、色気ってか? いったい何言い出すんだお前」焦る俺。本当にこいつはいつでも唐突だ。18の年から、俺の所に通いだして早10年。その間に、司とも別れ…いつの間にか西門の一門に気に入られ、重鎮の狸オヤジ共を飼いなら...