明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

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2015

修羅 4 総つく

久しぶりに聞いたあいつの声。久しぶりに嗅いだあいつの匂い。何年ぶりの会話だろう?大学2年の冬にあいつと別れ、気が付けばもう8年か中途半端に終わった恋は、あたしの何かを奪っていった。あんなに激しく愛した筈なのに、恋の終わりはあっけなくて‥なのに、残したものは大きな哀しみで‥…必死にもがけばもがくほど、あたしの心は行き場を失い彷徨い続けた。失った恋は、あたしの中でずっと燻り続け、見えない刃となってあたし...

30

2015

ずっとずっと 42

「おはよー しぃちゃん」毎朝あたしは、薫に起こされる。ぼーっとしているあたしの髪を梳かしながら、1日の予定を話す。あたしの目が覚めた頃、朝食をとる。「ほらほら、サラダも食べて‥ コーヒーは?」薫は甲斐甲斐しくあたしの世話をやく。「薫、過保護すぎだよー」「ん?いいの僕の趣味だから」「えっー 何それ?」毎朝のように繰り返される会話‥あたし達2人を見つめる かおるちゃんと悠斗「ねっ、あたし達いるって忘れて...

29

2015

曇天  5 あきつく

凍てつくような寒さが広がる‥受付がざわめき、我先に対応しようと一生懸命になっている。五木の受付嬢らしくない対応に、思わず苦笑いをしながら商談相手を出迎える。「お待ちしておりました。美作部長。」「こんにちは、牧野さん。今日は宜しくお願い致します。」お互いに他の人に気づかれぬように、クスリと笑い合った。***受付で用件を伝えようとしていると‥後ろから声がかかる牧野だ‥… 挨拶を交わしながら、2人同時にクス...

29

2015

ずっとずっと 41

「花沢先輩行っちゃいましたね。」「そうだね‥…」しんみりとした空気を破るかの様に明るい大きな声「つくしー ご飯食べ行こ!ご飯ーー」うふっ 滋さん優しさをありがとうね「うん。何食べに行く?あたしお腹空いちゃったなぁー」「ニッシーとあきら君はどうする?」「俺ら、デート♡」「あっ、そっ」デートだと言う2人とはバイバイして、女4人で滋さんのリムジンに乗り込み空港を後にした。「ねぇっ、ねぇ つくしと司どうなって...

28

2015

バカバカばぁか…アイシテル 後編 司つく

あたしは今、モーレツに後悔してる誰にって そりゃーあたし自身に何にって あたしの犯した過ちに「お前、俺との約束幾つ破ったか言ってみろ?」「えっ”」このまま倒れ込みたい‥…だけど、あまりの恐怖にさっきまでの酔いも冷める勢いだ。「早くしろや」「一つかな?」「ぁん? 一つ?一つってあんだよ。このバカ一つのわけねーだろうよ」「じゃぁ2つ?」「じゃぁって あんだよじゃぁって で、2つじゃねーだろうよ」「3つ?...

28

2015

ずっとずっと 40

「いってきま〜す」あたしは、類の見送りをする為に久しぶりに東京に行く。「うん。気をつけてね。何か困った事があったら必ず連絡してね。困った事がなくても着いたら連絡して」「もぉー 子供じゃないんだから大丈夫だよぉー 薫心配し過ぎ。」「ククッ、こないだ奈良で迷子になったのって、しぃちゃんだったよね?」「あぁーーもう言わないって言ったのにぃー ふんだぁ。薫にはお土産買って来ないからねぇ」「ゴメン ゴメン ...

27

2015

修羅 3 総つく

女と会えない日曜の夜‥…メープルのバーで俺はあきらと会った。「よっ 元気だったか?」「あぁー あきらは元気そうだな。いつこっちに帰って来たんだ?」「先週だ。司も帰って来てんぞ」「司‥…いつ帰って来てる」「っん? 水曜だったかな?日本支社長になる準備らしいぜ‥‥」「‥そうか。」「類もそろそろ帰ってくる頃だろうよ‥…」「久しぶりに、今度4人で飲もうぜ」「司が来るか?来ないんじゃねぇのか?」「まっ、声かけてみる...

27

2015

ずっとずっと 39

瞬く間に季節は変わり、気がつけば、ギラギラした夏の日差しが、秋の柔らかな日差しへと変わっていった。TSUTSUIのセミナーに参加する為に、かおるちゃんと話し合い後期の授業は最低限の単位にする事にした。「しぃちゃーーん お昼食べにいこう〜」「うん。」今日は学食ではなく、この頃噂の ワンコインランチ おばんざい に、昼食を食べにいく事にした。RRRRR‥…司からの電話だ。かおるちゃんに少し待っていてもらって電話にで...

26

2015

バカバカばぁか…アイシテル 前編 司つく

あたしはいまモーレツに怒っている。誰にって? そりゃー道明寺に何をって? そりゃー用もなく呼び出してくる事に今日…用もないのに呼び出された回数 7回。ラッキーセブンだ。って、ちっともラッキーじゃありゃしない。ハハッ新記録達成だよ。新記録。その度に、秘書課のお綺麗方から睨まれて…帰る時には「あらぁー牧野さんって、秘書課でしたっけ?それとも海外事業部って秘書課になったのかしら?」なんて、嫌味を言われ…道...

26

2015

ずっとずっと 38

「しぃちゃんー久しぶり〜」「かおるちゃーん 久しぶり〜」10月からのセミナー受講に向け4人で勉強会をする為六麓荘町にある筒井の別邸に行く事にしたのだ。瀟洒な佇まいの大邸宅が立ち並ぶ六麓荘の中でも一際目立つ大豪邸が、筒井の別邸だった。「うわぁー素敵」「ねぇ〜素敵」ククッククッ笑う 薫と悠斗「姫君達が喜べば、つぅ爺も満足だろうよ」「確かに。その為にここ1ヶ月で改築したんだからね。」「「えっ”」」驚く あ...

25

2015

修羅 2 総つく

お互いに目があった瞬間‥女は慌てた様に、走って店を後にした。俺は、慌てて女を追いかけた。外はいつの間にか、土砂降りの雨が降っていた。さっきまであんなに晴れていたのに‥…「牧野ー」俺は女の名前を強く叫び腕を掴む。女は立ち止まり振り向く‥…雨に濡れながら「あはっ、変な所見られちゃったね」雨に濡れた女の顔は泣いているのか?笑っているのか解らない。刹那俺は女を抱きしめていた。強く深く抱きしめていた。あの時、俺...

25

2015

ずっとずっと 37

君が僕の腕の中に戻ってきて、途端に僕の周りが色つき始める。見るもの全てが色鮮やかで、美しく感じる。しぃちゃんの笑顔と一緒に、使用人が用意した食事をとる。君と食べる食事はなんて美味しいのだろう。昨日までの味気ない食事が嘘のようだ。「しぃちゃんは本当に美味しそうに食べるね」「えへへっ だってぇ 美味しいんだもん」「薫もいつみても美味しそうに食べてるよ〜」しぃちゃん、それは君と一緒だからだよ。僕が普段食...

24

2015

小っこいの ブラッサムちゃん? 司つくし

久しぶりに早く帰れた俺に、俺の愛する奴らが駆け寄ってくる。「おーーーたん おかえりなしゃーい」「司、おかえり♡」 「あぷぅぅーー」俺の恋女房 と 俺の愛する小っこいの と 俺のミニチュア3人が嬉しそうに俺を迎え入れてくれる。小っこいのが俺の周りをクルクル回りながら「おーたん おーたん おねがいがありましゅ」「っん?」小っこいのが、アイツ等に習ったであろう、上目遣い攻撃で俺にお願い事をする。うーん ...

24

2015

曇天  4 あきつく

赤い赤い夕焼け空を見上げる。昼と夜の中間。不思議な時間。牧野は美作さんみたいだといつも言う。夕焼け空の時間は短い。漆黒の闇がいつの間にか辺りを覆う。「美作さーん 待った??」「待ってないよ」「ホント?」手をとり、俺の温度を確かめる。「今日はホントだね。」束の間の幸せ‥…手を触られて喜ぶなんて、小学生か!と、自分で自分にツッコミを入れる。だけど、それが真実なんだからしょうがない。「‥…でね、って、ちゃん...

24

2015

ずっとずっと 36

楽しい時間は瞬く間に過ぎていく。肌を触れ合い道明寺を感じる度に、あたしはあいつに溺れていく狂おしい程に 溺れていく泣きたくなるほどアイシテル‥…だけど今は、教えてあげない。あたしの胸の中だけの秘密いつかあんたと結ばれた時、教えてあげる10代最後の夏、あたしはあんたを死ぬ程愛し始めた事を‥「明日帰んだなぁー 次は2月かぁ...長げぇなー」「うん...」次があるのが解っていても、傍を離れるのが淋しくて淋しく...

23

2015

修羅 1 総つく

日曜日の夜中、俺は一人の女の元に通い続ける‥…3回ルールの俺が、一体何度この女を抱いたのだろう。抱けば抱く程、俺はこの女に溺れていく‥…この女は俺の事をどう思っているのだろう?決して俺を嫌ってはいない筈。で、なければ潔癖なこの女が俺などに抱かれるワケもないだったら 俺を愛してる?ふっ、青空のもとで、俺と会う事を拒むこの女が、俺を愛してるなんて虫のいい幻想だよな‥…この女 牧野つくし と再会したのは‥… や...

23

2015

ずっとずっと 35half

後ろから抱きしめ耳たぶを齧る。項を舌で這う。片方の手でスカートをたくし上げ、ショーツに指を這わせる。抱きすくめたまま、ソファーに押し倒す。胸元に舌を這わせながら、ブラウスのボタンを一つ一つ外して行く。ブラの上から胸を鷲掴みに揉みしだく。ホックを外すと胸が露になる。乳首を親指と人差し指で摘む。舌を這わせ乳首をほんの少しだけ力を入れ噛み、その後優しく包み込むように口内で転がす。「ツッ」 少し痛かったの...

23

2015

ずっとずっと 35

京都に来て三度目の夏。盆地特有の気温が下がらない夜の暑さには、未だに慣れない。ただ、夏を告げる暑さを心地よく感じるのは、夏が訪れればあいつと会えると脳にインプットされているからであろう。「パブロフの犬かいあたしは♪」 一人呟く。あいつに会いに行く日が近づいてくると そわそわワクワクが止まらない。あたしの気持ちと反比例するかの様に、つぅ爺の不機嫌さも止まらない。心臓が痛いだの、頭が痛いだの、あそこが...

22

2015

new beginning 3R 類つく

怒って帰ってしまった彼女。週末の夜は2人で過ごす筈なのに‥…独り寝は寂しくて、ウィスキーを飲むRRRR  つくしからの着信音に慌てて電話にでる。聞けば、いま邸の前に居るんだと言う。こんな夜道に、何を考えてるんだと慌ててつくしの元へ走る。今にも泣きそうな顔をした、愛おしい君が立っていた。夢でありません様にと、俺の胸の中に抱き寄せる。「ごめんなさい」と、謝るつくしに、キスをねだる。背伸びして、唇に触れるか触...

22

2015

new beginning 2 類つく

ピロリーン メールの着信を告げる音。同期で仲良くしている、裕美ちゃんからのメールだった。同じ秘書課に属しているので、類との事は勿論知っている。*****つくしちゃん夜遅くにごめんね‥…今日は、会えなくて残念だったけど、つくしちゃん来なくて大正解だったよ〜花沢専務との婚約がなんでかバレてて、大変だったんだよーーー来てたら間違いなく、つくしちゃん槍玉にあげられてる所だったよーもしかして、専務知ってたのか...

22

2015

new beginning 1 類つく

すったもんだの挙げ句、晴れて恋人同士になった2人。ちょっと覗いてみましょうか?*****「専務 専務 專―務ーー起きてくださーい。花沢専務ーーー仕事の時間ですよーー」相変わらずの寝坊助ぶりのこの男。夕寝って、あり得ないでしょ?10分だけ寝せてーーー と、言って早20分。仕事も溜まってる‥…そろそろ起こさないと、今日のノルマが達成出来ない。だけど‥このままだと、キスとか言い出してくるんだよね。この男は‥…そぉ...

22

2015

get back  7 類つく

恋人同士なら、幸せいっぱいの婚約発表の話し。あたしには、他人事のように頭の上を過ぎていく。だって、あたしは類の恋人じゃない。だって、あたしは類と愛し合っていない。だって、あたしは‥…花沢社長と夫人に見送られ、類と車に乗り込む。*****「つくし‥… なにか怒ってる?」「‥…‥…怒ってる?って、怒ってない方が普通じゃないよ‥」類に一言言ってやるつもりだったのに‥…あたしの目からは何故か涙が一粒零れてしまった。...

22

2015

ずっとずっと 34

もうじき前期試験も終わる。試験が終われば前期休みに突入だ。あいつの居るNYへ行ける。期待で胸がドキドキする。今年の夏は、薫の口添えがあり、つぅ爺から3週間のお休みを貰った。その内の2週間は丸々道明寺と過ごせるのだ。いつもよりも長い滞在期間にあいつも今からとっても喜んでいる3週間の内、残りの1週間は、かおるちゃん 悠斗、薫、あたしの4人でセミナーに向けての勉強会を行うのだからあれなんじゃ〜これなんじ...

21

2015

小っこいの ばんがれナメコさん  司つく

「すみましぇーん クロヤマナメコ でしゅ。はんこ くだしゃーい」この頃の結の大ブームだ。最初聞いた時?????が頭の周りを飛び回った。なんでも、タマの部屋に行く時に、宅急便なるものと遭遇したそうだ。結の心は鷲掴みされた。宅急便なるものが来ると、使用人の後ろからピョコンとインターホンを覗くらしい。で、覚えたのがこの台詞。つくしが言うには、クロヤマナメコ では無く、クロネコうんたらだとか。言うらしい「...

21

2015

ずっとずっと 33

5月も半ばを過ぎ、薫が日本に完全帰国してきた。つぅ爺の下で働きだしたので、一緒に居る事が多い生活が始まった。悠斗の公言通り、あたしと薫は、とても気が合う。阿吽の呼吸? ツーと言えばカー? 破れ鍋にとじ蓋(あっ、これは違うね)仕事にしろ私生活にしろ とにもかくにも気があった。お互いに足りない所を補う関係といったらいいのだろうか?道明寺とも 類とも 違う 不思議な関係だ。 もともと亜矢さんフリークのあ...

20

2015

曇天  3 あきつく

ピュルルルゥルー ピュルルルゥルー トビが舞う。雲一つない青空に、獲物を狙ってトビが舞う。あの日の帰り道、海が見たいと牧野が呟いた真っ青な空の下で、海が見たいと‥…「海みたいなぁー」牧野が小さく呟いた「いいなー 行きたいなー いつ行こうか?」「…晴れた日がいいな」自然に約束を交わせる事が心地よい。真っ青に晴れた日曜日、2人で江ノ島へ向かう。「夏じゃなくても、案外人が多いんだね。」「観光地だもんね〜」他...

20

2015

ずっとずっと 32

一瞬、時の流れが止まったような錯覚に陥るこの一年、もう一度会いたいと面影を探し続けた少女がそこに佇んでいた。美しい黒髪に黒い瞳の少女。「薫!」 僕を呼ぶ悠斗の声が聞こえ、意識を取り戻した。あの時と同じ不思議そうな顔で僕を見上げる彼女...一陣の風が吹き、そこに現れたのは...あの日出逢った人桜色に頬を染めた美しい人だったなぜ此処に? きょとんと見上げた瞬間...目が合う...あたしを懐かしそうに見...

19

2015

小っこいの 幼稚園体験  司つく

小っこいのは、この頃忙しい。朝からつくしと一緒にバタバタと行動を共にしている。「おーたん あしゃですよー おちてくだしゃーい」オイオイ、落ちてどうする?「つばしゃー ねぇねはいっちくるからね。いい子いい子ちててねー」すっかりお姉ちゃん気取りで翼に声をかけている。‥…って、おい、どこ行くんだよ?日曜日の朝、小っこいのに予定あったけか?今日は珍しく俺も一日休みだ。家族4人で、のんびりまったり過ごす筈だっ...

19

2015

ずっとずっと 31

「ねぇ しぃちゃんお願いがあるのだけど…」なんて、可愛く亜矢さんが聞いてくる。「あのね、私一人ってあんまり慣れてなくてねとても寂しいの。もしも迷惑じゃなかったら...棗さんがこちらに来る前の間、此処に泊まってくれると嬉しいのだけど...半月程だと思うのだけどダメかしら?」「喜んで泊まらせて頂きます  ……逆に良いんですか? あたしが此処に居ても?」「良いも悪いも私がお願いしてるのよ。無理言ってごめん...

18

2015

get back  6 類つく

願い虚しく‥…気がついた時には来週のパーティの段取りが決まっていた。新製品の発表ドーンつづいて婚約発表 ドーン らしい。横で微笑んでいる天使の笑顔の悪魔のあいつ‥…無性に腹が立つ。このままやられっぱなしじゃいられない。そうだそうだ。あたしは雑草のつくし。立て、立つんだ、立ち上がれ!!悪魔に対抗すべくは、そ、そうだ他者の反対だ。うふふっ、いい事思いついーた♪やるな つくし。やれば出来る子 賢い子うふふっ...