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Tea for Two 17 司つく
天晴れというほどに、素早く支度が整えられていく。いつの間にやら、用意されてた、あたしのワンピース。メイクが施され、髪の毛をセットされたあたしは、「うわっ、可愛い」思わず自分で自分の顔を見て呟いたくらい変わってた。椿お姉さんが、横から斜めからチェックを入れて「ううん、可愛い♪」そう言いながら、美しく整った顔を近づけてくる。毛穴一つ見えない、美しい肌。いい香りのするサラサラの髪の毛。司さんに、なんとな...
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ひらりひらひら‥桜が舞い降りて
「しゃくりゃ、しゃくりゃ ちれいでしゅね~」「舞ちゃん、しゃくりゃじゃないよ、さ、く、ら」「しゃ、く、りゃ ?」「ううーん、サクラだよ。桜。にぃにのさくに、らをつけるんだよ。」咲が、舞に一生懸命、教えている。「しゃくでしゅ。」舞は、得意気に言い切って、類を見つけて、走っていく。「パパ~ しゃくりゃでしゅぅよー」「まいちゃん、だからサクラだよ。サクラ。」咲が、舞を追いかけながら、言葉を訂正してる。類...
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さ、く、ら 舞い落ちる
「うーーーーーん、良く寝た。良く寝た。」大きく大きく背伸びする。滋さんがくれた、ファーストクラスのチケット。非情に良い寝心地とお食事で。半個室に、部屋着まで出るってどういう事?アメニティまできちんとついていて、もう感謝感謝だよ。速攻寝落ちして、食事をとって、また寝て‥ うーーんと背伸びした。うーーん。幸せと背伸びしたら、通路を挟んだ美しいご婦人と目があった。ニコッと笑って微笑む姿は、どこか類を彷彿...
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桜、サクラ、さ、く、ら‥
牧野から、真っ青な空の絵葉書が届く。” 元気だよ ” そう言葉が添えられいる。文字を指でそっと撫でて、目を瞑りあの日を思い出す**牧野が手を伸ばしている。目一杯手を伸ばし花びらを掴もうとしている。「ね、ね、見て見て、ほらぁー 綺麗だね」綺麗なのは、桜の花びらよりも、牧野あんただよ。そう何度も口をついて出そうになる。言葉を呑み込む為に、俺も手を伸ばし、牧野の頭上で桜の花びらを掴む。「はい。」牧野に渡す...
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さ、く、ら、サクラ、桜 1
桜が舞い降りる‥一枚、二枚‥ひらひらと青い空を舞い降りる。あたしは、目を瞑る‥**「ね、ね、見て見て、ほらぁー 綺麗だね」あたしは、手を伸ばす。天に向けて手を伸ばす。舞い落ちる桜の花びらを掴む為に手を伸ばす。掴めそうで、掴めない。桜の花びらに手を伸ばす。「はい。」類が、あたしの頭上で花びらをキャッチする。そして、あたしに手渡してくれる。小さな小さな桜の花びら。薄い薄いピンクの花びら。一瞬白く見えるの...
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ひらり、ふわり 空色さま 類誕
ひらり、ふわりひらり、ふわりと舞い散る桜の花びらに、小さな手を伸ばして、「あー。」 「うー。」と、ご機嫌にお話ししてる我が子に瞳を細める。ママの姿が見えなくなると、途端にぐずり出す我が子を抱き上げて、ママも大好きな桜の木の下に出た。ねえ、つくし。覚えてるかな?「風の無い日に散る桜が好きなの。」って、教えてくれた日。あれから、何年経ったかな?あの日、二人で幾つ花びらを受け止められるか競争したよね。どっちが...
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エゴイスト こ茶子さまより頂き物
目を覚ますと、彼がいなかった。 昨晩はことさら寒く、雪が降り始めていたから、おそらく今頃外は白銀の世界へと様変わりしていることだろう。。 琉那がここコネチカット州ニューヘイブンは、イエール大学に留学して2度目の冬…日本によく似たこの気候の地での生活にもあっという間に慣れた。 まだ薄暗い時間帯、いつも快適に整えられた空調の部屋で寒さなど感じることもないはずだというのに、素肌に触れる空気が冷たい気がし...
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小っこいの 見つけたよ 未来のお話 司つく
目を瞑ると懐かしい声が聞こえる。俺の宝物の声がする。「おーーたん あさでしゅよ。おきるでしゅ」ダッシュして、ベッドの上にドッスン、良く飛んで来たよなぁ〜その内、翼も一緒に飛んできて、不覚にも鳩尾にあたった時は、悶絶しそうになったよなぁ。親父としての威厳で我慢したけどな。小っこい 結。 俺の宝もん。 大事な大事な宝もんだ。形(なり)が大きくなりやがっても、幾つになろうとも、俺にとっちゃ小っこいまんま...
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おそろいのパジャマ オマケ 空色さま
♪~♪♪ ♪~♪♪我が家の陽たありの良い特等席に、どーんと置かれている牧野のお気に入りのチューリップの寄せ植えの鉢。彼女が引っ越して来た次の日、あきらからの引っ越し祝いだと言う、それが届いた。それから毎日、鼻歌を歌いながらの水やりに勤しむ彼女。♪~~♪~~次の歌詞は?全色、揃って無いよ?あかぁ~ あかぁ~ ぴんくぅ~…………………ぷっ。「ねえねえ、類。来て来て。」はいはい。何ですか、お姫様。「ん?何?」「ねえ、見て...
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見つけた 後編 類つく みかんさま
つくしがその道を行こうとすると、ふんわりとした巻き毛に柔らかな美貌が眩しい優男風の男が引き止めてきた。 「お前、本当にその道でいいのか?」 「え?」 「明日咲く花をさがしているんだろう?だったら、この先に進んでごらん。」 そう言うと、その人は線の細い柔らかな顔で優しく微笑み、静かに語り出した。 「この先の道は薔薇の庭に続いているんだぜ。そこの薔薇の匂いを嗅いでいると、懐かしい思い出が蘇って来るかもしれ...
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見つけた 前編 類つく みかんさま
つくしが目を覚ますと、とても不思議な場所にいた。 「あ、あれ?ここ何処だっけ?」 薄暗い広場には濃厚な沈丁花の香りが漂い、壁の様に鬱蒼と草木が生い茂った先に4本の道が延びているのが見えた。 「…」 そうだ、、私は明日咲くという花を探している。 その蕾は、すでに綻び始めていて、朝の光を浴びると同時に開くのだというが・・ 一体いつ花が咲くのか、どんな種類の花が咲くのか、まだ、誰も知らない。 ただ、その花はとて...
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おそろいのパジャマ 後編 類つく空色様
冷たくなった身体を温めて、出た先に準備されてたのは一目で上質のコットンだと判る生成り色のパジャマ。何だか、幸恵さんみたいに優しくて柔らかくて、泣きそうになったっけ。同じく、別のシャワー室から出たらしい花沢 類とばったり出会し、二人して、赤面したっけね。色も形も、全く同じ…。おそろいのパジャマだった。あの時のパジャマを準備して、お気に入りのソファーの上で眠たそうにしている彼を、お風呂場に押し込んだ。バ...
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おそろいのパジャマ 前編 類つく 空色さま
花沢 類と、一緒に暮らす事になった数日後、「早く、早くっ!」と、急かされる様に、今日はお引っ越しだ。待ってましたと云わんばかりの晴天を見上げて、「どんだけよ。」と、呟いてしまった。雨より晴れの方が、嬉しいけどね。大型トラックにちんまりと積まれた荷物は私物のみ。「ね、ね、牧野は身体だけ来てくれれば良いんだよ。」なーんて、云ってくれちゃって…。…………………ふふふ。あっ!と、言う間にマンションに到着して、エントラン...
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かくれんぼ 後編 類つく 青空心愛
突然の牧野つくしからの「かくれんぼしてあたしを見つけて?」作戦に渋々F4が参戦する事になり各自銘々色々考えている模様だ。 つくは時計をチラッと見ながら 「今からあたし隠れて来るね。。貴方達はう、、、んと あと30分は此処で待機してくれる」 「おい 30分は長げぞー 牧野 お前自身ねーんだ?」 司が笑い始めると、つくしがムキになりながら 「もう 仕方ないわねーー 間を取って 15分は此処に大人しく待っててね 貴...
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かくれんぼ 前編 類つく 青空心愛さま
ある晴れた昼下がりーーー 今日は我らの姫君からのお誘いを受けてとある場所に集まる 「全く なんで俺達がこんな偏屈な処に居るんだー ? 」 かなりご一腹の道明寺司。 「そっか あのじゃじゃ馬の事だから 何か仕掛けてくるんじゃねーの」 これから何が起きるのか大いに楽しみにしているに西門総二郎 「絶対に無理だ こんな処 早く 帰りたいぜ 俺は。。」 辺りを見回し、、今の状況がかなり自分には耐えきれない ...
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見つけた 総つく miumiuさま
・・・最近パパは、私が顔を出す時には必ず病院の屋上にいる。 黙って何かをジーっと見つめている。 一体何を考えているのだろう? その表情に私の知らないパパの姿が見えた気がした。 ************* 世間一般には、西門流を継承したまだ30代の後半という この世界では若いと言われる16代目。 学生時代からの付き合いの妻と、 結婚してすぐ生まれた娘。 その後3年して、跡取りがそろそろかと思われたころ 周りの願い...
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Heartを重ねて 総つく aoiさま
「あれ?西門さんってこんな所にハートの黒子があるのね」俺の胸に唇を這わせていた牧野が、そこをツンと指で突きながら上目遣いで見上げてくる。やめろよ。そんなうっすら赤く染まった顔して、潤んだ瞳で見上げるな。優しくしたいのに出来なくなるだろう?ここまで来るのは長かった。最初の頃は部屋の明かりをすべて消して。それでも『恥ずかしいから見ないで』と言われて手探りで抱いた。ま、見えそうで見えないってシチュエーシ...
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Tea for Two 16 司つく
「ウメェか?」「美味しい?」道明寺姉弟が二人同時に聞いて来る。「あっ、はい。」あたしが答えると、2人揃って嬉しそうに笑う。あたしは一つ気が付いた。道明寺姉弟と、司さんがとても似ている事に。はっ、もしかして‥司さんって、影武者?イヤイヤ流石に現代‥影武者なんてあり得ない。じゃぁ、隠密行動は?そりゃぁあるに決まってる。人目を忍んで働く事なんて、沢山あるだろう。司さん‥だから、いつもあんな人気のない屋上にい...
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Tea for Two 15 司つく
あたしの脳の中で小人さん達が、駆け巡る。”了解です。デザートのあとの記憶をみてきます。””じゃぁ、あたしは、あっちをみてきます””じゃぁ、あたしは、こっちをみてきます”たくさんの小人さんが駆け巡る。みんなあたしのミニチュア小人。ぷっ そりゃそうだ。あたしの脳みその中なんだから♪ルン♪いやいや、つくし ルン♪ じゃない。ルン♪じゃ。先ずは、と衣服を見る。ブラウスにスカート。皺は寄っているけれど、着衣の乱れはな...
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Tea for Two 14 司つく
管巻きながら、寝ちまった女。普通だったらよぉー そんな女願い下げだろ?それがよぉーそれがよぉー すげぇ可愛いんだわ。マジか。俺‥ やべぇな。もしかして まどか?あれ窓? イヤイヤ、マゾか?うーーーん。それなりに、俺モテル筈だ。巷じゃイケメン専務だの、カリスマ専務だの言われてる筈だ。‥‥よ‥な???うーーん。それすらも自身がなくなってくらぁ。ったく、マイッタ。うーんマイッタ。に、しても‥隠密行動って?な...
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Tea for Two 13 司つく
「専務は、司さんのことご存知なんですか?」でっけぇ瞳で、俺を見上げながら、目の前の女が聞いてくる。殺人的に可愛い女が。男心を煽る仕草で聞いてくる。こりゃなんだ? ブルドーザー級の可愛さってやつか?いやいや、もっとだな。いやいや、そこじゃない。今考えるのはそこじゃないぞ。なのに、なのに、俺はバカだ。大バカだ。「あぁ。」なんて返事をしてたんだ。「そうなんですかっ」 クラクラして倒れちまいそうになるよう...
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