明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

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2018

パラレル時代劇 お江戸でござる! 若竹勧進帳編 by星香さま

時は江戸。浦賀の沖では大砲が鳴り響く中、“イモ公方さま”こと家定公は、お堀の内側にて南蛮渡来“かすていら”作りに夢中の、花のお江戸。その江戸の花街の一角。まだまっ昼間だというのに、なんとも騒がしい声が響く。「…しつこいなぁ…」僅かに息を乱し、追っ手を気にしながらぽつりと呟く。まだ元服をして間もない、見目麗しい男ー総二郎は顔を曇らせた。「いたか!?」「否、いねぇ!」等々、独創性のない言葉を吐く、厳つい追っ...

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2018

雪子 つれづれに

お久しぶりです。気がつけば、三月も終わりが近づいてビックリです。昨年暮れから一月半ば過ぎまで風邪でガツンと寝込みました。歳の変わり目なのか、人生初の絶不調。最低限の家事と仕事以外は布団が恋人。大掃除?何それ?美味しいの状態。体調が回復して一人大掃除大会開始。新しく買ったオーブンをきかっけに、ついでとばかりにホットプレートの買い替えを思案。使って使えない事はないけど、なんだかコンセントが接触不良気味...

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2018

恋は盲目 総つく

恋は盲目 嫉妬は千里眼とはよく言ったもんだと何だか感心しながら車を走らせた。だって、だって、だってな____女にはプロ中のプロのはずだったのに____色気もクソもなく、あるのは愛嬌と度胸だけって女に惚れ込んでいるんだからな。で、もってだ____会えない間にアイツがほかの男とあーだこーだしてねぇかモンモンしてんだからね。学生の頃、アイツに惚れた男二人を、いや三人を変わりモンだなっと思ったことがあった...

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2018

無花果の花は蜜を滴らす05

『つくし……いまなにしてる?』どういう経緯になっていたのだろうか? 無断欠席したあたしの連絡が櫻之宮に届いたらしく、大ごとになっていると万里くんから電話が入ったのだ。『お母様が警察に届けるって言ってるんだ。直ぐに迎えを出すから、こっちに来てくれるかな?』「……電話で話すだけじゃダメ…なのか…な………」帰りたくなくて、勇気を出して口にした。『そう言ったんだけど、電話に出ただけじゃ分からないって。誰かに脅され...

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2018

無花果の花は蜜を滴らす04

着慣れた制服に腕を通し、持ち慣れたカバンを手にして家を出た。いつもと同じ時間、いつもと同じ場所で電車に乗った。耳にイヤホンをしていつもと同じ音楽を聞く。目に入ってくる風景だって、いつもとそんなに大差ない。あたしの前にはOL一年生のサッちゃんが立っている。サッちゃんとあたしは別に友達でもなんでもないけど、この4月から、毎朝同じ車両に乗り合わせている。見るからにフレッシュバリバリのOLさんで、最初の一ヶ月...

07

2018

無花果の花は蜜を滴らす 03

深夜0時日本にいないはずの千暁さんの名がコール音とともに現われたとき、嫌な予感がして、電話に出るのが怖かった。「万里にバレたかもしれない」なのに、千暁さんから、そう告げられた瞬間、ここ数日感じてた違和感の正体に納得していた。「うん。わかった」「つくし……ごめんな」情けなさそうな声音を出しながら、あたしに謝る。千暁さんは悪くない。今まで必死で櫻之宮からあたしを守って来てくれたのだから。心の奥底で覚悟し...

05

2018

無花果の花は蜜を滴らす 02

「確かに、今度食べに行こうとは言われましたが……」「昨日の昼食は会食だったし、夜は残業だったからね。それに明日は休みだろ? だったら来ない選択はないだろ?」彼は、ニッコリ微笑んでカブサを口にする。その笑顔があまりにも可愛くてたまらない。今日の花沢さんマル秘日記には、この事を書こうと決めた。「本来は、手で食べるんですよ」「ふーん。外だとやりにくいから、牧野さん、今度作ってよ」彼の瞳がキラキラ光りながら...

04

2018

baroque 83

「あいつ、倒れったって……やっぱり早めに帰るべきだったよな」つくしを一時も離したくなくて、茶会終わりには、なるべく何も入れずに帰っていたのだか、家元に今夜の会食には必ず出ろと言われ、渋々残ったのだ。「今夜は仕方ないか……」そう口にしても、離れていると心配で心配で堪らないのだ。機械にうといつくしのスマホに居場所確認用のアプリを入れているだけでは信用できずに、電話をするときは、所在を確認するように、必ずつ...

03

2018

baroque 82

「で、いったい全体なにがあったのよ?」ケーキをたらふく食べたあと、ソファーに移動して再びワインを飲み始めたカオちゃんがつくしに聞いた。「……なにがって、なにがあったのかな。……ただ……自由に、自由になりたかったの」どこか遠い所を見ながら、つくしが答える。「じゃあ、今は、自由?」自由かと聞かれたつくしは、押し黙る。「つくし、ゆっくりでいいから、私に話して聞かせて。私は何を聞いても、つくしを好きだよ」「本当...

02

2018

baroque 81

「つくし、つくし、聞いてる?」「あっ、うん。悠斗君が口煩いでしょ」「そう。もうね大変よ。あれしろこれしろ。その癖して、あれするなこれするな。本当に薫さんの爪の垢でも煎じて欲しいもんよ。なのに、あの二人、親友なんだって言うんだから、訳わからかないよね」つくしは曖昧に笑いながら「カオちゃん、ワイン飲むんでしょ」コポコポと音を立ててグラスにワインが注がれる。「うーん、美味しい」出来上がった料理が並べられ...

01

2018

baroque 80

「はい。お土産」玄関を開けたつくしに手渡されたのは、ケーキの入った箱だった。「ベルグの……わざわざ買ってきてくれたの?」「別にわざわざじゃなくってよ。新しいマンションから通り道だから」「カオちゃん、変な言葉遣いになっとるよ」インディゴちゃんに笑いながら指摘されたカオちゃんは、唇を尖らせながら「意地悪言うならインディゴちゃには、あげないからね。二人で食べようね。ねっ、つくし!」カオちゃんはつくしに腕を...