明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

29

2018

ネクタール 05 つかつく

「おっ! 久しぶりだな」「忙しいとこ、悪いな」「かまわねぇそれにしても、三人揃って頼みごとって何だ?」ソファーに腰掛けながら三人の顔を交互に見た。なんとなく普段と違って見えるのは気のせいか?マドラーと氷の触れ合う音がカランとなって、俺の前に水割りが差し出された。琥珀色のその液体をグイッと飲もうとした瞬間……一枚の紙が俺の前に置かれた「なんだ、コレ?」まじまじと見れば、それは牧野の履歴書だった。コレが...

19

2018

ネクタール 04 つかつく

牧野は、困った顔をして「妹じゃないのは知ってるよ」その言葉に俺の胸は、ズキンと痛くなる。恋は、ワクワクや幸せと共に、こんな胸の痛さまでも連れてくんだって……初めて知った。「大切な幼なじみ……だよトウもハナヤンもミマくんもそれは向こうも一緒だよ」胸の痛さが俺を打ち、言わなくてもいい言葉が、押し込めてた思いが、口から出て行きやがる「向こうは、向こうは、お前を特別な女として見てる」黒い思いは止まらない。「お...

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2018

ネクタール 03 つかつく

結果牧野はスゲェ可愛かった。そして俺は、夏が終わる頃には身悶えする程に牧野に恋をしている自分に気が付いた。何故か相変わらず、スーツになると地味で冴えない牧野になる。生地は上等だ。着心地も良さそうだ。だが、垢抜けねぇんだ。「なぁ、牧野のスーツ……どこで買ったんだ?」心臓バクバクさせながら聞いてみた。「うんっ? あっ、コレは幼なじみ達からの就活応援プレゼントなんですよ」ニッコリ笑って牧野が言った。その言...

13

2018

12

2018

ネクタール 01 つかつく

どこで買ったんだ?みんな同じような没個性のリクルートスーツの中で、黒のスーツの女だけが際立って冴えなく感じてテレビモニターを凝視した。人事部長が「牧野さんは、インターン生の中でみとても優秀なようですが、我が社を受けられた志望動機をお教え下さい」ルーチンワークのように、用意された質問の一つを目の前の女に聞いている。四角四面の面白くもなんともない定型文のような答えが返ってくる筈だった。「二十歳の誕生日...

04

2018

紅蓮 108

つくしの虚偽記憶を再構築するためには、設楽の力が必要だ。でも……永久と玲がこれ以上会って良いものなのか?と宗谷は、ジレンマに陥った。悩んだ末に出した結論は一つ。己が玲とは絶対に鉢合わせしない様にする事だった。設楽の診療が入る日に合わせて、今まで頑なに避けて居た出張や会食をいれた。宗谷は現状から逃げたのだ。現状から逃げる。即ち、隙が生まれる。隙は、現状見えている筈のものに対しても目を曇らせた。宗谷にと...

03

2018

恋女房は、おさな妻 後編 総つく

「……総ちゃん?」「おっ、起きたか?俺もすっかり寝てた」つくしが起き上がり、ギュッと抱きついてくる。抱き返したい……だが、抱き返したら俺の衝動は止まりそうもないぽんぽんっと、頭を二回優しく叩いて、そっと距離を取ろうとすれば、つくしの大きな瞳にブワッと涙が溢れてく。「つくし、どうした? 」「どうしたじゃないもん。総ちゃんなんか総ちゃんなんか」俺の胸を叩きながら泣きじゃくる「なぁ、つくし、俺がなんかしたか...

02

2018

恋女房は、おさな妻 前編 総つく

「うぅーーん」なにやら唸り声を上げながら、姿見の前でポーズをとってる俺の恋女房。どうした? 何があった?誰かにイジメられたか?慌てて部屋に入ろうとした瞬間「うぅーーん 総ちゃん…めぇー」えっ? 俺?何? 俺?思い当たる節……ウゥームねぇぞ ねぇぞ俺、清廉潔白だ。成人男性、こんな清くっていいのか!ってぐらい清いぞ!自慢じゃないが、つくしにだって手出してねぇぞ!いや、正確に言うと手出せてねぇ。理由か?理由...