明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

バカ言ってるんじゃない 17 司つく

コンコンッ
「はい。どうぞ」

指を組み、優雅な笑顔を携えながら‥
楓社長が、クルリと振り向いた。

「百瀬課長、お久しぶり」
「楓社長‥大変ご無沙汰しております」
「牧野さんも、司もお久しぶり」

道明寺が楓社長を見て、それからあたしの顔を見る。
〝久しぶり?〟怪訝な顔で小さく呟く。

「百瀬、結花さんにはご尽力頂いて感謝しているわ」
「楓社長のご用件でしたら何なりとと申しておりました」
「うふふっ、後でいらっしゃるのよね?」

百瀬課長と、楓社長が仲睦まじく会話を続けている横で、
道明寺が、コツン、コツンと 肘であたしを小突く。

〝痛いっ、あっ、もう痛いって〟
ジロッと睨んで小声で言えば
〝痛いじゃなくて、説明しろって〟
〝説明って‥あたしにもチンプンカンプンだよ〟
〝はっ?牧野さん久しぶりってババァが言ってただろうよ?〟
〝そ、そ、そりゃ 痩せても枯れても経営企画部の一員だよ。一度くらい会った事あるよ、そ、そ、それにババァじゃなくて、社長だよ〟
〝んな事はいい。いつ会ったんだよ?俺、聞いてないぞ〟
〝はっ?そんな事まで、なんであんたに報告しなきゃいけないの〟
〝はぁっーー? あんだそれ、報連相これ社会人の義務だろうよ〟
〝げっ、あんたの口から社会人の義務だー?何それ?〟

コホンッ コホンッ
咳払いが聞こえて‥ココがどこだか瞬時に思い出す。

ヒャッ、やってもうた。
あたし‥これでも真面目に生きて来た。人当たりの良い優しいつくしちゃんで生きて来た。
はぁっーーーー それなのに、それなのに‥

「トヨヨッてか?」
意地悪く、道明寺が笑う。
ムカつく男を、ジロッと一睨みしてから、

「申し訳ございません」
楓社長の方を向き直り、慌てて謝る。

口角を少し上げた後‥
「あなた方、本当に報告書通りなのね」
謎の言葉を発する。
ほ、報告書? 
楓社長を見上げれば、既に凛とした顔に戻って

「あなた方に、辞令です」
3枚の書類が差し出される。

「「えっ」」

牧野つくし殿
次の通り辞令を発令する。
新所属 DMJ日本支社 総務部 秘書課 
社長第二秘書を命ず

道明寺司殿
次の通り辞令を発令する。
新所属 DMJ日本支社 総務部 秘書課 
社長第二秘書を命ず

百瀬工殿
次の通り辞令を発令する。
新所属 DMJ日本支社 総務部 秘書課 
社長第一秘書を命ず


顔を見合わせるあたし達に、美しく微笑みながら
「日本支社の新社長には、百瀬結花さんがなる予定よ」

結花さん‥?
何がなんだかわかんない‥‥って、なに?この展開?
楓社長、西田さん、百瀬課長がニッコリ笑う。

コンコンッ ノックの音がして
カチャリッ
部屋の空気が、ピーーーンと張りつめる。

いつもの甘い蕩けそうな結花さんじゃなく‥
髪を綺麗に結い上げて、一寸の隙もない佇まいで
伝説の鬼軍曹‥が立っていた。

「楓社長、西田室長、大変お久しぶりでございます。
百瀬さん、来週からお世話になります。
道明寺さんも、牧野さんも宜しくね」

鬼軍曹‥ここにあり。
やっぱり、この女性が‥あの鬼島結花さんだったんだ。


うわっ うわっ うわっ

もしかしたら驚きの連続で
あたしの心臓は止まっちゃうかもね


あははっ


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2 Comments

asuhana  

yukikoさま

むふっ、案外司と気が合う?(笑)

百瀬夫婦♩♩♩なぞのお2人でやんすぅー

2016/08/14 (Sun) 16:55 | EDIT | REPLY |   

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2016/08/13 (Sat) 11:56 | EDIT | REPLY |   

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