明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

曇天  5 あきつく

凍てつくような寒さが広がる‥

受付がざわめき、我先に対応しようと一生懸命になっている。
五木の受付嬢らしくない対応に、
思わず苦笑いをしながら商談相手を出迎える。

「お待ちしておりました。美作部長。」
「こんにちは、牧野さん。今日は宜しくお願い致します。」

お互いに他の人に気づかれぬように、クスリと笑い合った。

***

受付で用件を伝えようとしていると‥後ろから声がかかる

牧野だ‥… 
挨拶を交わしながら、2人同時にクスリと笑い合った。

2人で会う時よりも、デキル女の雰囲気を醸し出している。
ロビーを抜け、エレベーターを待つ。
他の男がチラッチラ 牧野を見ている。
五木の社章バッジの奴もいれば、そうじゃない奴らも、牧野を男の視線で見ている。

小さな声で牧野が囁く
「うふっ 流石美作部長、視線が熱いですわ」
牧野、それ俺にだけじゃないぞ?お前気が付いてるか?
思わず苦笑してしまう。
つくづく男に関しては鈍感なんだと感心する。

チラッと牧野を見ると、耳元に揺れる桜色のピアス。
桜貝のお礼にと無理矢理送った桜色の小さなピアス。
ハーフアップにした黒髪に、桜色のピアスはとても似合っていて‥…
微かにピアスが揺れる度、艶かしい気分になる。


いつの間にか、会議室に到着していた。
いかん、いかん見惚れてる場合じゃない。
先ずは仕事だ。仕事。

担当者の自己紹介から始まる。
驚いた事に、五木のプロジェクトサブリーダーは牧野だった。
2人で会っている時に、仕事の事を詳しく話した事はなかったが、
女性で、この年齢で、サブリーダーを任せられるあたり、かなりの切れ者なんだろう。

プロジェクトリーダーは、五木の御曹司 「五木陽一」だった。
大阪本社から東京支社に配属されてまだ日は浅いらしいが、かなりのやり手だと話しには聞いている。

「五木陽一と申します。美作部長のお噂は予々聞いております。今回ご一緒に仕事ができる事大変光栄です。どうぞ宜しくお願い致します。」

「こちらこそ、五木専務はかなりのやり手だと耳に入っております。何卒お手柔らかにお願い致します。」

年齢は確か俺の一つ上だっただろうか? 男の俺から見てもかなりハンサムな男だ。
不思議な事に、牧野の周りには今も昔もいい男が集まる‥…

***

帰りがけ、五木専務に呼び止めらる。
五木は、牧野を呼びながら、俺に話しかけてくる。

「本日は大変ありがとうございました。これかもどうぞ宜しくお願い致します」
「ところで‥…美作部長は、確か英徳のご出身だと伺っておりますが、うちの牧野の事はご存知ですか?彼女も2年の終わり迄は英徳にいたんですよ」

牧野は耳元のピアスを揺らしながら、駆け寄ってくる。
「美作部長大変お疲れさまです」 
「五木専務なんの御用でしょうか?」

「牧野さんは、美作部長と同じ高校だったんでしょ?だったら美作部長の事知ってるかな?っと思って‥‥」

「美作部長は、英徳では知らないものがいないくらいとても有名な方でしたから存じ上げておりますよ。学生時代の五木専務と似ていらっしゃるんじゃないでしょうかね?」
ニコリとしながら答える牧野。
俺も負けじと‥…
「勿論、私も存じ上げておりますよ。親しい友人としてお付き合いさせて頂いてました。」

「おっ、そうでしたか‥… 美作部長この後のご予定は?」

「はっ?あぁちょっと失礼致します。」
秘書を呼びこの後のスケジュールの確認をする。珍しくぽっかり空いた時間。
その事を告げると

「それならば、3人で食事でもどうですか?」
「あぁ 喜んで‥…」


「牧野さんもいいよね?」
五木が焦れたように牧野に詰め寄っている‥…

「‥…あっ、はい。3人でしたら‥…」

ちょっと歯切れが悪いのは何でだろうか?
なんて事を、ぼんやり考えてた。



曇天 不定期連載中 

↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村 

♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

Add your comment