un secret ~秘密~ 最終話 青空心愛 ver
あれから幾度の年月が過ぎ去ったのだろうかぁー? 不思議だった。あれほど悩み苦しんだのだが意外にもそのあとの自分の立ち直りがあっけなくて驚いていたのだから。。 そう 自分は誰も選べなかったのである。。
F4こと 道明寺司 西門総二郎 美作あきら そして 花沢類。。
類。。ずきっと自分の心臓を一気に剣が突き刺さるのが分かるぐらいなのだから、、類からの真剣な告白、、嬉しかったが、、あの後の行為がやはり自分の心の中の葛藤となり受け入れられなかったのである。 花沢類の好きと自分の好きという単語が違ったのだろうか?
LIKE&LOVE それは今となれば永遠に答えが出せなくなっていたのだから、そう また花沢類もあたしと今後どのように会えばいいのか判らなくなってしまったのか、そのままフランスへ行ってしまった。
誰も選べないが年に一度は報告がてら皆との再会を頑なに約束させられてしまったつくしなのである。最初の頃は皆で会って和気あいあいと再会を楽しんでいたのたが、誰かが結婚と報告した頃から自然とその再会も途絶えたのだ。誰かに監視されるのは苦手なつくしには有り難くそのまま幾度の月日が過ぎ去るー
そして 今は此処 偶然就職した会社が美作あきら会社の関連会社にあった事につくしは驚きつつもこれもまた運命なのかと心底自分の呪われた運命を恨むしかなかったのだ。
「そんなあからさまに嫌そうな顔するなよ 牧野ー」
「べっ別にそんな事ないけど。。」
ぷいっと剥れつつも、つくしも週に一度の美作との食事はわりかし気に入っているのだから、一貫のOLではなかなかセレブ御用達のレストランでの食事などなかなかできる筈もなく またそんないい条件の男もいないのだから。
「、、此処のケーキ お前 好きなんだろ? 」
苦笑しつつもあきらの方も珈琲を一口飲みながらつくしに言うのである。互いにあの頃の気持ちもなく そう、あきらも既に既婚者なのである。それがきっとつくしがあきらとの食事にも気兼ねなく付き合えるのかも知れなかった。また あきらもその後のつくしの事を聞きたいのは山々なのたが、つくし自身が完全に聞くなーオーラを出しているのだから聞くにも聞けないが・・・こう、たまに食事に誘うとすんなり来るからまだ男は居ないのかと思うあきらなのだ。少し結婚 早まったかと後悔している自分も居るがこれは決してつくしには言えない本心ー。胸の奥にそっとその気持ちを封印する。
しかし このまま こいつ 生涯 独身を貫くつもりなのか ?
あきらとの食事を終えたあとはあきらの車で送る事は絶対にさせないのだ、あくまでもここまでがつくしとの交友で、そのあとはシークレットなのであった。いそいそと帰るその仕草にあきらもまた心のジレンマに陥るのである。
ガチャッと扉を開け、部屋の明かり付けると、つくしはポストに入っていた手紙をチェックしている時 つくしの足元に小さい物体がひょっこり現れたのだった。きゅーんと鳴く声の主にそっと語り掛けながら
「ただいま スカイブルー いい子にしてたー ?」
つくしが愛しそうに犬を抱き上げた。その時、背後から手が伸びてきて 少し驚きながらも、決して嫌がる素振りも見せることもなくそっと瞳を閉じるー
「おいおい せっかくわざわざ俺が此処に連れて来てやったのに、、飼い主よりもそっちかよーお前は 相変わらずだなー。。」
「、、だって この子だけだもーん あたしの事を分かってくれるのは、、スカイブルー♬」
「犬以下かよ 俺は。。」
つくしのセリフに心底呆れてしまいつつも、そっとそのままつくしを抱き上げ、耳元にそっと息を吹きかけながら囁く。
これからが大人の時間。。。彼とつくしのー
「さぁー そいつとのお遊びは此処までてこれからは俺との時間。。」
つくしの柔らかいピンク色の唇をそっと撫でながらそのまま口付けるつくしもそれに応じるのだった。二人の重さにベットに更に重圧がかかるのだがこれからの男との行為にもつくしは拒否などせずに素直に服を脱がされていきながらも少しイタズラっ子ぽく笑い出す。。
「もう せっかちなんだから。。」
「、、あいつとの食事ぐらいなら、と許している俺のこの海よりも広い愛情を分かってほしいんだがなぁ。。」
「、、、そうだね。。」
「なぁ、、牧野。。」
何を言いたいのかが分かるので、ぼんやりあの日の事を思い出すつくし。
突然の夕立に慌てふためきながらも、何処かで雨宿り出来る場所を探していた時、「きゅーん」と鳴き声がし、その声が何処からなのかと辺りをキョロキョロしていた時、電柱の陰から現れた小さな子犬を見つけたつくし。見た目も汚ない、泥だらけの子犬 寂しそうにじっとつくしに何かを訴えているかのようにも見えてしまう。
「、、なんだ お前も一人なの あたしと一緒だね 」
そっと子犬を抱き上げるつくしー もうずっと一人ぼっち、自分で決めた事だけど・・・やはり時折人肌恋しい時もあるのだ。恋人らしい人が出来た時もあったが続かない、恋愛に臆病になってしまったのだから。。あの日以来。。
もう 自分には恋なんて出来ないのだろうか? 一生独身でもいいかもと考えていたのだから、一人よりかはその寂しさを紛らわすペットを飼いたいなぁーと思った矢先、この犬と出会った。
「しかし この犬は俺への当てつけかぁ?牧野ー?」
「えっ?」
先程からベットの下で今からの行為を邪魔している犬に文句を言う。なかなかつくしに会えないので、犬も構って欲しくてずーっとイタズラをしてくるのだった。これ以上は無理と断念したらしくその犬を抱きかかえる。
「この犬見ると ついつい何かの因縁かと思えて仕方がないんだ。本来なら即捨ててやるところなんだが、お前の希望で俺が面倒見てるんだよなぁ、、感謝してくれるかなぁー つくしちゃん」
少し乱れた服を整えながらつくしは苦笑しつつも、文句を言う男の言葉をただ黙って聞き入りながらあの時 この犬との出逢い・・・そして今自分にをベットに押し倒した男と再会を思い出している。
これは約1月前の出来事・・・
「でも あたしのアパートでは飼えないなぁ。。バレたら退去だよ。。いくら小型犬でもあなたは結構吠える犬種だしね。。こんな雨の中だし、、困ったなぁー どうしよう このままおいて帰れないよ、、」
雨も段々激しくなってきた、此処に犬を置き去りには出来ない。車にはねられたら大変。その場で考えていた時に誰かに声を掛けられたのだ。傘もささずにただ濡れている女だと思い、声を掛けてくれる親切な人がいるのかと振り向いた時。。
「どっどうして 此処に?」
つくしはただ偶然自分の前に現れた男性に、ただ驚くだけなのだった。男もただ濡れてしまっているつくしに、傘を差しながら優しく微笑むのだった。
昔のままの彼ー こんな再会もあるものかと。
「全く こんな雨の中 さぞ綺麗な女かと思えば 牧野 おまえだったとは。。 俺が車でたまたま通りかかったから良かったが このまのだとお前肺炎起こしかねないぞー。。ほら。。」
「えっ?」
言っている意味が分からなかった。でもこの雨に少し感謝しているのも事実なのだから。この雨のおかげで再会できたのだ。つくしも彼に言いたかったのだが、何故か言った言葉が
「ひっひどいなぁ。。ナンパ目的で車から降りてきたんだ こんな雨の中 それもまた凄いよ。。。」
ちゃんと言わないといけなかった言葉。段々意識が遠のくのが自分でもわかりながら……だが胸元に居る子犬は離さないままその場に倒れ込んでしまったのだ。男性の方も驚きながらもしっかりつくしと一匹を抱きしめる。
「それ見ろ。。相変わらず痩せてるなぁ、お前は。。」
次にあたしが気が付いた時は知らない部屋のベッドで寝ていたのだった。慌てて起き上がるとまだ躰の節々が痛い。頭もぼんやりしているのが判る。熱があるのか、あたしは?そして此処は一体何処なの?と見回している時、扉が開いた。
「やっと 起きたのかよー お前 三日間完全に寝込んでたからなぁ。。かなり無理してだろう?医者が過労と寝不足って言ってたぜ 牧野ー」
「ありがとう、西門さん。迷惑かけたね・・・」
確かに、ここの処仕事が忙しくて会社に泊まって仕事したんだよね 実は。。完全にあたし女捨ててたかも?きっと呆れてるだろうなぁーこの人も、、、バツ悪そうに自分を介護してくれた事に対してのお礼を言いたかったのだが、何故か先に出たセリフがまた。
「あっ そうだ 子犬は何処にいるのー? まさかあそこにおいて来てないわよねー 西門さん?」
「おい、牧野 普通は先に俺にお礼言うのが筋だろうが? 医者呼んでやったんだぜ。。それを何故 あの泥だらけのくそ犬の事を先に聞くかねぇ。。」
西門は少しイラッとした。つくしは自分よりもあの犬の事が気になって仕方ないらしく辺りを見回すが いない。。すると やはり この男はもしかして・・・
「、、もっ もしかして 西門さんーー 犬を置いて来たとかいわないでしょうねー? なんて薄情な人 信じられない。。貴方の未来は女に刺されると思ったけど、、超大型犬に襲われるわよ きっと、、」
ぶづふつ言いながらも犬を置き去りにをして来た西門への恨みが募り出すつくしなのだが、流石に命を救ってやったのに何故犬ごときの事でここまでつくしに馬頭されないといけないのかと西門もぶち切れ寸前ー
「あのなー 人の話は最後まで聞こうぜ ちゃんといるから 犬も、、邸の者に綺麗に洗って貰ってたらきれいになったぜ 意外にも、、」
西門から言われた言葉にほっと安心しつつ、でもやはりこれからの事を考えると早々に動いてやらないといけないのであるから。。犬の今後の為にも 一体どうしたら一番いいのかと思っていた時だ。西門もつくしが今何を考えているのかは大体検討はついていたからそのままつくしのいるベットに腰を降ろしてこんな疑問を問いかけるのだった。
「なぁ 牧野 あの犬、一体どうするつもりだー?」
「えっ。。。。」
西門からの素朴な疑問にただ驚くだけなのだ、でも下手な事は言える筈もなくつくしなりの見栄もあったのだが。。
「、、今 住んでるところでは無理かも。。」
少し寂しそうに西門に対して呟きながらも、西門の方もつくしの気持ちが痛い程判っておりこれからどうしたらいいものか考えていた時、これならきっと牧野も喜ぶのではと彼からの提案が。
「なぁ 牧野 俺があの犬飼ってやるぜ」
「えっ なっ 何言ってるのよ 西門さん 怖いよー」
意外な言葉を言われたので、つくしはただ茫然としているのだが、つくしの今住んで居るアパートでは飼えない しかしこのまま殺処分なんてもっての他なのだから。西門の提案を有り難く受けたいのは山々なのだが……一体どうしたらいいのかと悩む。
西門には裏があるのだから、偶然の出会いだったがこのまま牧野が見つけた犬を手放すのは絶対避けたいのだ。あの犬の容姿が問題なのだがこれも宿命なのかも知れない、犬ごときに敵意を表すのは尺だが。
「牧野 俺と契約しょうかぁー?」
「えっ 契約?」
「そう あの犬はちゃんと俺が世話してやるから安心しろ。。」
「・・・ありがとう・・・ 西門さん。。」
「ただし 条件があるぜ つくしちゃん。。」
つくしの方もただでは飼ってくれる筈はないだろうとは思ってはいたのだから意を決して西門の言葉をただ待つのだ。そしてそれがつくしの運命を大きく変える事になるとは。。。
「俺の女になれよ 牧野ー」
「えっ? 」
つくしも観念したのか、溜息をつきながらも、再会にも色々あるが、あの犬が西門と引き合わせたのなら感謝するのだった。なぜならば、、、彼女もー 不思議な出会いだった。自分の心の中の葛藤もまだ色々あるのは事実なのだが
「いいよ 西門さん。。」
にっこり微笑むつくしであった。まさかの返事に少し驚きながらも西門はぼんやり例の犬の容姿を恨みつつ、、これはやはりあいつの怨念があるのかも知れないが、俺は戦う自信はある、あいつからこの女の気持ちを奪う まだ始まったばかりなのだから。。 しかし よりによってなんだあの犬の目。。。。あいつの色なんだよ はぁー 先が思いやられるぜ。。
fin

F4こと 道明寺司 西門総二郎 美作あきら そして 花沢類。。
類。。ずきっと自分の心臓を一気に剣が突き刺さるのが分かるぐらいなのだから、、類からの真剣な告白、、嬉しかったが、、あの後の行為がやはり自分の心の中の葛藤となり受け入れられなかったのである。 花沢類の好きと自分の好きという単語が違ったのだろうか?
LIKE&LOVE それは今となれば永遠に答えが出せなくなっていたのだから、そう また花沢類もあたしと今後どのように会えばいいのか判らなくなってしまったのか、そのままフランスへ行ってしまった。
誰も選べないが年に一度は報告がてら皆との再会を頑なに約束させられてしまったつくしなのである。最初の頃は皆で会って和気あいあいと再会を楽しんでいたのたが、誰かが結婚と報告した頃から自然とその再会も途絶えたのだ。誰かに監視されるのは苦手なつくしには有り難くそのまま幾度の月日が過ぎ去るー
そして 今は此処 偶然就職した会社が美作あきら会社の関連会社にあった事につくしは驚きつつもこれもまた運命なのかと心底自分の呪われた運命を恨むしかなかったのだ。
「そんなあからさまに嫌そうな顔するなよ 牧野ー」
「べっ別にそんな事ないけど。。」
ぷいっと剥れつつも、つくしも週に一度の美作との食事はわりかし気に入っているのだから、一貫のOLではなかなかセレブ御用達のレストランでの食事などなかなかできる筈もなく またそんないい条件の男もいないのだから。
「、、此処のケーキ お前 好きなんだろ? 」
苦笑しつつもあきらの方も珈琲を一口飲みながらつくしに言うのである。互いにあの頃の気持ちもなく そう、あきらも既に既婚者なのである。それがきっとつくしがあきらとの食事にも気兼ねなく付き合えるのかも知れなかった。また あきらもその後のつくしの事を聞きたいのは山々なのたが、つくし自身が完全に聞くなーオーラを出しているのだから聞くにも聞けないが・・・こう、たまに食事に誘うとすんなり来るからまだ男は居ないのかと思うあきらなのだ。少し結婚 早まったかと後悔している自分も居るがこれは決してつくしには言えない本心ー。胸の奥にそっとその気持ちを封印する。
しかし このまま こいつ 生涯 独身を貫くつもりなのか ?
あきらとの食事を終えたあとはあきらの車で送る事は絶対にさせないのだ、あくまでもここまでがつくしとの交友で、そのあとはシークレットなのであった。いそいそと帰るその仕草にあきらもまた心のジレンマに陥るのである。
ガチャッと扉を開け、部屋の明かり付けると、つくしはポストに入っていた手紙をチェックしている時 つくしの足元に小さい物体がひょっこり現れたのだった。きゅーんと鳴く声の主にそっと語り掛けながら
「ただいま スカイブルー いい子にしてたー ?」
つくしが愛しそうに犬を抱き上げた。その時、背後から手が伸びてきて 少し驚きながらも、決して嫌がる素振りも見せることもなくそっと瞳を閉じるー
「おいおい せっかくわざわざ俺が此処に連れて来てやったのに、、飼い主よりもそっちかよーお前は 相変わらずだなー。。」
「、、だって この子だけだもーん あたしの事を分かってくれるのは、、スカイブルー♬」
「犬以下かよ 俺は。。」
つくしのセリフに心底呆れてしまいつつも、そっとそのままつくしを抱き上げ、耳元にそっと息を吹きかけながら囁く。
これからが大人の時間。。。彼とつくしのー
「さぁー そいつとのお遊びは此処までてこれからは俺との時間。。」
つくしの柔らかいピンク色の唇をそっと撫でながらそのまま口付けるつくしもそれに応じるのだった。二人の重さにベットに更に重圧がかかるのだがこれからの男との行為にもつくしは拒否などせずに素直に服を脱がされていきながらも少しイタズラっ子ぽく笑い出す。。
「もう せっかちなんだから。。」
「、、あいつとの食事ぐらいなら、と許している俺のこの海よりも広い愛情を分かってほしいんだがなぁ。。」
「、、、そうだね。。」
「なぁ、、牧野。。」
何を言いたいのかが分かるので、ぼんやりあの日の事を思い出すつくし。
突然の夕立に慌てふためきながらも、何処かで雨宿り出来る場所を探していた時、「きゅーん」と鳴き声がし、その声が何処からなのかと辺りをキョロキョロしていた時、電柱の陰から現れた小さな子犬を見つけたつくし。見た目も汚ない、泥だらけの子犬 寂しそうにじっとつくしに何かを訴えているかのようにも見えてしまう。
「、、なんだ お前も一人なの あたしと一緒だね 」
そっと子犬を抱き上げるつくしー もうずっと一人ぼっち、自分で決めた事だけど・・・やはり時折人肌恋しい時もあるのだ。恋人らしい人が出来た時もあったが続かない、恋愛に臆病になってしまったのだから。。あの日以来。。
もう 自分には恋なんて出来ないのだろうか? 一生独身でもいいかもと考えていたのだから、一人よりかはその寂しさを紛らわすペットを飼いたいなぁーと思った矢先、この犬と出会った。
「しかし この犬は俺への当てつけかぁ?牧野ー?」
「えっ?」
先程からベットの下で今からの行為を邪魔している犬に文句を言う。なかなかつくしに会えないので、犬も構って欲しくてずーっとイタズラをしてくるのだった。これ以上は無理と断念したらしくその犬を抱きかかえる。
「この犬見ると ついつい何かの因縁かと思えて仕方がないんだ。本来なら即捨ててやるところなんだが、お前の希望で俺が面倒見てるんだよなぁ、、感謝してくれるかなぁー つくしちゃん」
少し乱れた服を整えながらつくしは苦笑しつつも、文句を言う男の言葉をただ黙って聞き入りながらあの時 この犬との出逢い・・・そして今自分にをベットに押し倒した男と再会を思い出している。
これは約1月前の出来事・・・
「でも あたしのアパートでは飼えないなぁ。。バレたら退去だよ。。いくら小型犬でもあなたは結構吠える犬種だしね。。こんな雨の中だし、、困ったなぁー どうしよう このままおいて帰れないよ、、」
雨も段々激しくなってきた、此処に犬を置き去りには出来ない。車にはねられたら大変。その場で考えていた時に誰かに声を掛けられたのだ。傘もささずにただ濡れている女だと思い、声を掛けてくれる親切な人がいるのかと振り向いた時。。
「どっどうして 此処に?」
つくしはただ偶然自分の前に現れた男性に、ただ驚くだけなのだった。男もただ濡れてしまっているつくしに、傘を差しながら優しく微笑むのだった。
昔のままの彼ー こんな再会もあるものかと。
「全く こんな雨の中 さぞ綺麗な女かと思えば 牧野 おまえだったとは。。 俺が車でたまたま通りかかったから良かったが このまのだとお前肺炎起こしかねないぞー。。ほら。。」
「えっ?」
言っている意味が分からなかった。でもこの雨に少し感謝しているのも事実なのだから。この雨のおかげで再会できたのだ。つくしも彼に言いたかったのだが、何故か言った言葉が
「ひっひどいなぁ。。ナンパ目的で車から降りてきたんだ こんな雨の中 それもまた凄いよ。。。」
ちゃんと言わないといけなかった言葉。段々意識が遠のくのが自分でもわかりながら……だが胸元に居る子犬は離さないままその場に倒れ込んでしまったのだ。男性の方も驚きながらもしっかりつくしと一匹を抱きしめる。
「それ見ろ。。相変わらず痩せてるなぁ、お前は。。」
次にあたしが気が付いた時は知らない部屋のベッドで寝ていたのだった。慌てて起き上がるとまだ躰の節々が痛い。頭もぼんやりしているのが判る。熱があるのか、あたしは?そして此処は一体何処なの?と見回している時、扉が開いた。
「やっと 起きたのかよー お前 三日間完全に寝込んでたからなぁ。。かなり無理してだろう?医者が過労と寝不足って言ってたぜ 牧野ー」
「ありがとう、西門さん。迷惑かけたね・・・」
確かに、ここの処仕事が忙しくて会社に泊まって仕事したんだよね 実は。。完全にあたし女捨ててたかも?きっと呆れてるだろうなぁーこの人も、、、バツ悪そうに自分を介護してくれた事に対してのお礼を言いたかったのだが、何故か先に出たセリフがまた。
「あっ そうだ 子犬は何処にいるのー? まさかあそこにおいて来てないわよねー 西門さん?」
「おい、牧野 普通は先に俺にお礼言うのが筋だろうが? 医者呼んでやったんだぜ。。それを何故 あの泥だらけのくそ犬の事を先に聞くかねぇ。。」
西門は少しイラッとした。つくしは自分よりもあの犬の事が気になって仕方ないらしく辺りを見回すが いない。。すると やはり この男はもしかして・・・
「、、もっ もしかして 西門さんーー 犬を置いて来たとかいわないでしょうねー? なんて薄情な人 信じられない。。貴方の未来は女に刺されると思ったけど、、超大型犬に襲われるわよ きっと、、」
ぶづふつ言いながらも犬を置き去りにをして来た西門への恨みが募り出すつくしなのだが、流石に命を救ってやったのに何故犬ごときの事でここまでつくしに馬頭されないといけないのかと西門もぶち切れ寸前ー
「あのなー 人の話は最後まで聞こうぜ ちゃんといるから 犬も、、邸の者に綺麗に洗って貰ってたらきれいになったぜ 意外にも、、」
西門から言われた言葉にほっと安心しつつ、でもやはりこれからの事を考えると早々に動いてやらないといけないのであるから。。犬の今後の為にも 一体どうしたら一番いいのかと思っていた時だ。西門もつくしが今何を考えているのかは大体検討はついていたからそのままつくしのいるベットに腰を降ろしてこんな疑問を問いかけるのだった。
「なぁ 牧野 あの犬、一体どうするつもりだー?」
「えっ。。。。」
西門からの素朴な疑問にただ驚くだけなのだ、でも下手な事は言える筈もなくつくしなりの見栄もあったのだが。。
「、、今 住んでるところでは無理かも。。」
少し寂しそうに西門に対して呟きながらも、西門の方もつくしの気持ちが痛い程判っておりこれからどうしたらいいものか考えていた時、これならきっと牧野も喜ぶのではと彼からの提案が。
「なぁ 牧野 俺があの犬飼ってやるぜ」
「えっ なっ 何言ってるのよ 西門さん 怖いよー」
意外な言葉を言われたので、つくしはただ茫然としているのだが、つくしの今住んで居るアパートでは飼えない しかしこのまま殺処分なんてもっての他なのだから。西門の提案を有り難く受けたいのは山々なのだが……一体どうしたらいいのかと悩む。
西門には裏があるのだから、偶然の出会いだったがこのまま牧野が見つけた犬を手放すのは絶対避けたいのだ。あの犬の容姿が問題なのだがこれも宿命なのかも知れない、犬ごときに敵意を表すのは尺だが。
「牧野 俺と契約しょうかぁー?」
「えっ 契約?」
「そう あの犬はちゃんと俺が世話してやるから安心しろ。。」
「・・・ありがとう・・・ 西門さん。。」
「ただし 条件があるぜ つくしちゃん。。」
つくしの方もただでは飼ってくれる筈はないだろうとは思ってはいたのだから意を決して西門の言葉をただ待つのだ。そしてそれがつくしの運命を大きく変える事になるとは。。。
「俺の女になれよ 牧野ー」
「えっ? 」
つくしも観念したのか、溜息をつきながらも、再会にも色々あるが、あの犬が西門と引き合わせたのなら感謝するのだった。なぜならば、、、彼女もー 不思議な出会いだった。自分の心の中の葛藤もまだ色々あるのは事実なのだが
「いいよ 西門さん。。」
にっこり微笑むつくしであった。まさかの返事に少し驚きながらも西門はぼんやり例の犬の容姿を恨みつつ、、これはやはりあいつの怨念があるのかも知れないが、俺は戦う自信はある、あいつからこの女の気持ちを奪う まだ始まったばかりなのだから。。 しかし よりによってなんだあの犬の目。。。。あいつの色なんだよ はぁー 先が思いやられるぜ。。
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