un secret ~秘密~ 最終話R オダワラアキver.後編
※ここから先は大人向けの表現がございます。18歳未満の方、苦手な方はご遠慮ください。
「おい、桜子〜。俺も牧野に告ってるって知ってんだろ?その俺を使うか?フツー」
総二郎は空港にいたが、それは類の見送りではない。
それどころか、類と顔を合わせてもいなかった。
類がフランスに行く話は本当だが、数週間海外に行く程度で見送りに行くほど総二郎も暇ではないのだ。
ただ、つくしの気持ちを自覚させるために協力しろと桜子に言われ、類の見張り役として空港くんだりまで来る羽目になっただけであった。
「いいじゃないですか…どうせ西門さんの好きは逃げでしょう?先輩もそうですけど。逃げてる同士だからお互い楽なだけですよ…。花沢さんと同じ場所にも立ててません」
「言うね〜。まぁ、分かってるよ。でも、そういう形の恋愛もあるだろ?」
昼ドラよろしく、空港で抱き合い気持ちを確認し合う2人を尻目に、やれやれと肩を竦ませながら桜子と2人歩き出す。
「それは…相手に本気で好きな人がいない場合のみですよ」
「まぁな…あいつが類を好きなことくらい…見てれば分かる。分からないのは司くらいだろ…」
総二郎はそう言うが、本当は司も分かっているのではないか、と桜子は思っている。
「道明寺さんだって考えることは同じですよ。先輩の幸せ…です。自分が何年も放置した分その想いも強くお持ちでしょうし」
「何で俺なわけ?司はまあ…あれだけど、あきらでも良かっただろ?」
「美作さんは優しい人ですから。先輩のためでも、先輩を嵌めることに罪悪感を感じるでしょう?」
「俺なら感じないってか…」
桜子はそうとは言わずに微笑むだけで答える。
すると、ちょうど西門家の車が一時停車スペースに停まり、運転手が後部座席のドアを開けた。
総二郎は視線だけで桜子にも乗れと言う。
「じゃあ、私と…逃げる恋愛…してみます?」
「ふん…俺らじゃ傷の慰め合いにしかならねぇから、止めておくよ」
「そうですね。じゃ、別々に帰りましょ」
桜子はあっさりと総二郎の車を見送り、ふと後ろを振り返る。
自動のドアの奥にもつくしの影すら見えなかったが、どうか幸せにと想いを込めて、車が到着するまでガラスのドアの向こうを見続けた。
*
類に強く手を引かれ、胸の中に抱き締められる。
互いの想いを確認し合うように、つくしも背中に手を回した。
「類…あたし、あたしね…」
黙ってと唇に手を当てられて、類が先に口を開く。
「順番が逆だった…ごめん。ちゃんと言わせて?」
〝あんたのこと愛してる〝
囁かれた言葉は類が言うのでなかったら、恥ずかし過ぎてどうにかなりそうだった。
とてもじゃないが、類の目を見られる気がしないがソロソロと顔を上げると、珍しくも恥ずかしそうに赤くなる類の姿があり、つくしは胸の奥に愛しい気持ちが広がっていくように感じた。
「返事は…?」
「あたしも…類のこと、愛してる」
瞬間つくしを抱き締める腕に力がこもり、さすがに苦しくなると胸をドンドンと叩いた。
「く、苦しいよ…っ」
「ごめん…もういい人でいるの止めてもいい?あんなことしちゃってるから、いい人でもないか…まぁいいや、触らせて…?抱きたい、やりたい」
「えっ?え?やり…っ…なに…?きゃあっ」
こんな場所で何てことを言うのだ、この男は。
抱き締められていた腕が緩まると、急に横抱きにされ、足が浮いたつくしは驚いて類にしがみつく。
「ど、どこ行くのっ!?フランスは?飛行機は!?」
「どうせ父さんの手伝いだから、明日の便にするよ…それよりも、言ったでしょ?やらせてって…」
「……っ!」
*
タクシーに乗り込むと近隣のホテルを指定し、その間も類がつくしを離すことはなかった。
繋がれた手が怪しく動き、人差し指で手のひらを撫でられると、擽ったいようなむず痒いような感覚に、頬を染めながらも類を睨むと唇にキスを落とされる。
後部座席につくしの身体を押し付けるように覆い被さり唇を塞ぐ。
突然始まったラブシーンにタクシーの運転手も驚いていた様子だが、見ないふりを決め込むことにしたようで、無言のまま車を走らせた。
「ん、類…ダメ…だよ…」
「ダメって声じゃないのに?」
耳元でクスリと笑いながら囁くように言われると、耳に吹きかかる類の声だけでつくしはおかしくなりそうなほど、身体が火照っていくのを感じた。
そんな自分の変化に戸惑い、目に涙を浮かべて類を上目遣いに見上げると、可愛いとまた口付けられる。
そしてかなりのスピードでホテルに到着したタクシーがエントランスに横付けされた。
一刻も早く降りてほしそうな運転手の様子に、類は釣りはいらないからと断りつくしを伴ってタクシーを降りた。
「も…恥ずかしい…」
「これからもっと恥ずかしいことするのに?」
「類っ!」
真っ赤になって類の腕を叩いても、嬉しそうに微笑むのだから周りから見ればバカップルに他ならない。
類がフロントでチェックインを済ませると、エレベーターに乗り込む。
途端に緊張から無言になるつくしの顔を類が覗き込んだ。
「怖い…?」
つくしに嫌がられてはいないとは分かっていても、痛い思いをさせてしまうことに少しだけ罪悪感がこみ上げる。
しかし、一方通行だと思っていた感情が通じ合っていたことを知れば、もう止められるはずがない。
何も考えられないように、エレベーターの壁につくしの背中を押し付けて深く貪るように口付けた。
「はぁっ…ん、ん…」
2人の間に隙間がなくなるほど密着し、スカートの下から足を撫でるように手を這わせると、つくしが荒い息を吐き出した。
先ほど感じた身体の奥深くがジンとするように火照る感覚が再びつくしを襲う。
「ぁ…ん、はぁ…」
類からしてみれば、つくしが感じてくれているのだと分かる反応であるが、何もかも初めてのつくしには自分の身体に何が起こっているのか戸惑うばかりだった。
エレベーターが高層階に着く頃には、つくしは立つこともままならない状態で、類に抱き上げられて部屋に入ることになる。
さすが部屋数の限られたエグゼクティブスイートだ、専用エレベーターから部屋に着くまで誰ともすれ違うことすらなかった。
「シャワー浴びる?俺としてはこのまま抱きたいんだけど…」
部屋に入るなり直接的に言われ、軽くパニックになったつくしは慌てたように喋りだした。
「あ、あの…ほんとに…するの?あ、ほら、今日告白したばっかりだし…日を改めて…とか…」
「無理…。あんたが嫌だって泣いても…止めてあげられないから、ごめんな」
そう言われてしまえば、つくしももう覚悟を決める他ない。
「る…類は?入る?」
「ん…どうせなら一緒に入ろうか。恥ずかしいと思えなくなるぐらい…訳わかんなくなればいいでしょ?…ふっ、あんた真っ赤」
「も…いっぱいいっぱいなんだから!仕方ないでしょ!」
脱衣所でつくしの服を脱がしながら、自身の服も脱ぎ捨てる。
その間も身体を強張らせ、されるがままになっていたが、身を守る物が何もなくなると、どうしていいかも分からずにつくしは胸元を隠した。
シャワーのコックを捻り、湯加減を確かめるとつくしの身体を抱き締めながら熱いくらいのお湯を浴びる。
再び類の手が太ももあたりを弄るように動くと、つくしは身体を捩り類の背に手を回した。
密着したことで、形の良い両胸の頂が類の肌にあたり、つくしもまた類の下半身の昂りを身体に感じていた。
片手で胸の膨らみを揉みしだき、もう片方の手は足の間を刺激する。
「ぁっ…ん」
あげた声の甘さにつくしが思わず唇を噛み締める。
「ダメ、可愛い声で啼いて…?聞きたい」
「恥ずかし…っよ…」
真っ赤になって口を手で塞ごうとするが、ツンと尖った胸の先端をコロコロ指で転がすように優しく撫でると我慢出来ない吐息が口の端から漏れだす。
「はぁ…っ、ふぁ…」
片手で茂みに隠れた花芯を捉えると、つくしの身体が大きく震えた。
「あぁっ!」
そこはもうシャワーのお湯とは異なるトロリとした蜜が溢れていて、太ももを伝い流れ落ちる。
「ああっ、ソコ…ダメ…っ」
「気持ちいい?凄い濡れてる…」
「やぁぁっ…ん、はぁっ、ダ、メ…」
類の手を抑えるようにつくしが足の間に手を伸ばすが、力が全く入っておらず抑制になっていない。
花芯を撫でるとクチュクチュと音がバスルームに反響し、耐えられないといった様子のつくしが目に涙を浮かべた。
指を一本ゆっくりと沈め秘部を傷付けないようにスライドさせると、溢れた愛液が類の指を伝い落ちる。
「る、いっ…はぁっ、なん、か…ジンジン、する…っ」
「ん…気持ちいいってことだよ。そのまま感じて…」
より奥を擦るように指を沈めると、中がうねり痙攣し動き出す。
次の瞬間、つくしが身体を大きく強張らせ、類の腕に爪を立てる。
「んっ…んーーーーっ!…ぁ、はぁっ、はぁ…」
小さくビクンビクンと身体が跳ねるように震え、何が起こったかも分からないと言った表情でつくしが呆然としたまま荒い息を吐き続けた。
類が手早くボディソープで互いの身体を洗ってもされるがままで、身体を拭かれベッドに運ばれても、ボンヤリと宙を見ていた。
「牧野…もうちょっと、気持ちよくなろうね」
ベッドの上で大きく足を開かせ、露わになった秘部に類が顔を近付けると、花芯を舐めながら、未だ蜜を溢れさせる蕾に指を沈める。
「あぁぁぁっ!や…なにっ…?はぁっ、あぁっ…」
驚いてベッドにズリ上がろうとするつくしの腰をグッと押さえたまま、舌で敏感な場所に愛撫を続ける。
まだ狭く圧迫するつくしの秘部を少しずつ慣らすように、指を増やし快感を引き出す。
クチュ、クチューーー
絶え間なく流れ出る愛液でシーツに染みが出来ると、つくしが本能のままに腰を揺らし始める。
タイミングを計って、すでに限界近い自身の性器を濡れた秘部に押し当てグッと腰を進めた。
「はぁっ…あぁっ!…っ」
奥に進むにつれて狭くキツくなり、簡単には押し進むことができない。
「…っ、いた…っ」
「っ……ごめんな…」
痛みで眉を寄せたつくしが、痛みをどうにか逃そうと荒く息を吐く。
何とか気を逸らそうと再び唇を重ね、ツンと尖った胸の頂を愛撫すると、少しだけ強張った身体から力が抜けた。
少しずつ、つくしが痛みを感じないように腰を進める。
やっと奥深くまで入った頃には、類も限界を感じていて、今すぐにでも欲望を開放したいぐらいだった。
「牧野…大丈夫?痛くない?」
「ん…へ、いき…なんか挟まってる感じ、するけど…」
「当たり前、今俺のが中に入ってるんだから…。ココ、気持ち良すぎて俺がヤバイ。もう動くよ…」
類がつくしの足を抱え直すと、ゆっくりと引き抜き、また奥深くを穿つ。
「あっ、あ…奥…な、んか…」
「気持ちいい?」
つくしが小さく頷き、類の首にしがみ付くと、類も愛おしそうにつくしを抱き締めた。
抽送を何度か繰り返し、つくしの中から再び愛液が溢れ出すと、徐々に腰を打ち付けるスピードを上げていく。
「あっ、あっ、気持ちい…っ…」
「はっ…くっ、俺も……イイ。あんまり、保たない、かも…」
「あぁっ…、な、んかまたーーーっ!」
つくしの秘部がキュッと収縮し、身体を大きく仰け反らせると、ビクビクと身体を震わせて絶頂に達した。
「ヤバ……っ」
激しく腰を打ち付けていた類も、つくしに釣られるように急激な快感が身体を駆け抜ける。
ズルリと性器を引き抜くと、つくしの下腹に温かく滑りのある体液がかけられた。
「はぁ…はぁ…」
類は呼吸が整う間もなく、ベットサイドにあるティッシュで後始末をすると、つくしを横向きにし片足を抱え開かせる。
用意しておいた避妊具を着け、形を取り戻した性器を濡れて光る秘部に埋めていった。
「あぁぁっ…る、いっ…」
「もう…痛くないでしょ?いっぱい気持ちよくしてあげる」
正常位で行う行為とは、先端で突く場所が違うらしく、つくしはより大きな反応を見せる。
「あっ、ひゃぁん…も、おかしく、なるっ…ソコ…っ」
ヌチュ、グチュ、ズチュッーーー
俺もおかしくなりそうだよ…なんて、答える余裕もないほど、類も自身の快感を追い求め腰を打ち付けていく。
つくしも確かに感じてきているのは、結合部から止めどなく快感の証が流れ出ていることで分かる。
「ま、きの…っ、好きだよーーー」
つくしの身体がビクンビクンと震え、同時に類もつくしの中に欲望を吐き出した。
*
ベッドの中で、類の胸に抱き寄せられながらするピロートークは、どこか気恥ずかしかったが、それよりも大きな幸せに包まれているようだった。
「ねえ、どうして西門さんが見送りに来てたの?」
「総二郎?来てないけど…一々出張くらいで見送りには来ないでしょ」
「あたし…騙された?」
「いいんじゃない?それで。俺は幸せだし……。ねぇ、あんた結構元気そうだね?」
類が話を変えるように、つくしの顎を持ち上げチュッと触れるだけのキスをする。
つくしが気付いた時には、類に再び組み敷かれていた。
「えっ…嘘ーーーっ!」
*
牧野を騙すことに罪悪感を感じないのは、俺もなんだよねーーー。
fin

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