バカ言ってるんじゃない 18 司つく
それについてる第一秘書の百瀬課長(今は課長じゃないけど)も半端ない。
くぅっーーーってぐらいに、半端ない。
もうね‥‥毎日、毎日叱られてる。この男、そう隣に偉そうに座ってる男のせいで。
なんでも、道明寺とあたしは新人秘書同士、二人で一人なので連帯責任らしいのだ。そんなのってあり?
あっ、もう一つそうそう‥道明寺の腕のひび‥とっくのとんまに、完治してたんだ。
猛烈に、あたしは怒った。
なのに、なのに‥‥あの後もあたしは、道明寺邸で暮らしてる。
鬼軍曹曰く、経費削減だそうだ。
だったら、自分で住居をさがして‥なんて思ったら‥あははっ、機密云々、セキュリティ云々、なんだか色々な話を並べられ‥‥出端を挫かれて、すっかり道明寺邸の居候だ。
ただの居候じゃ申し訳ないので‥‥タマ先輩に相談したら、「でしたら坊ちゃんの朝担当で」
朝担当? 最初は???の行動だったけど‥中々もって大変だ。
タマ先輩曰く‥
「つくしが起こすと随分と素直に起きなさるんですけどねー」
あははっ、あんたどんだけよ?
道明寺が居なくなるどころかあたしの日常は、道明寺、道明寺、道明寺で占められて行く。
朝から晩まで、道明寺。あたしゃー猛獣使いになった気分だ。
百瀬課長に愚痴れば、
「あらっ、私なんて結花ちゃんと朝から晩まで一緒に入れて最高にハッピーよ」
♪マークがつきそうな勢いで返事を返して来る。
あははっ、百瀬家はそうでしょうとも。えぇそうでしょうとも。
〝バカ言ってるんじゃない〟と言いたい所だけど‥‥
しがない宮仕えは、黙ってお愛想笑いを浮かべるんだ。
かくなる上は、日々を穏やかに幸せに過ごすために、あたしの道明寺プロジェクトY発動だ。
っん?何のYだって、あははっ、Xの後だからYねY。
ふぅっーー 先ずは、ここからだ。
挨拶の角度の練習だ。
ギャースカ、ギャースカ五月蝿いけれど、『ひび治ってたよね?』一言言えば大概のことは黙って言う事を聞く。
そんでもガタガタ五月蝿い時は、滋さん〝押し倒し〟事件の事を口の端にのせれば、言う事を聞く。
えへへっ
「ほらっ、角度が浅—い」
「ったく、ぜってーお前楽しんでんだろう?」
「はい?今日、あんたのせいで何回あたしが怒られたと思ってんのよ?」
その横を、タマ先輩が笑いながら過ぎて行く。
で、調子に乗り過ぎたあたしには‥道明寺の復讐が待っていた。
「お前、俺のせいで俺のせいでって言うが、パーティーの時のお前はどうだ?」
「グッ」
ニヤリと意地悪く目の前の男は笑う。
くぅっーーーー してやられたりだ。
で、毎晩‥一緒にダンスの練習。
休日は、何故か道明寺の接待の付き添いだ。文句を言えば‥
「これも、公の場所に出ての訓練だろうよ。あの部署に居たって事は、将来幹部候補生だろ?損はねぇよ。なっ」
なっ じゃないよと思うけど‥‥言われてる事は、尤もなわけで‥‥朝から晩まで、毎日毎日あたしの生活のリズムの中に、道明寺は食い込んでいる。
いつの間にか‥‥食い込んだリズムは、日常に変わっていた。
あたしは、まだ気が付かない。
自分が道明寺に恋していたのを
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