ポペとクゥちゃん

ボクの名前は、ポペ。
クゥちゃんを守るのがボクの仕事だ。

クゥちゃんが産まれる前からボクは、クゥちゃんの家にいる。
クゥちゃんがお母さんのお腹にいるときから、ボク等は一緒にいたんだ。

クゥちゃんがくるまえは、ボクはお父さんと、お母さんの一人息子だった。

「ポペおはよう」で始まって、「ポペおやすみ」で終わる。
ボクが二人に沢山の笑顔をあげてきた。

クゥちゃんが、お母さんのお腹に小ちゃなお豆でやって来たとき。

「ポペ、お兄ちゃんになるよ。よろしくな」
「ポペ、いっぱい遊んであげてね」
お父さんとお母さんから、そう頼まれた。

お母さんの、ゲーゲーが始まって…お母さんは、寝込むようになちゃって…
ボクは、一人ぼっち。

ツマンナイ。ツマンナイ。ツマンナイ。


ある日、ボクはお母さんに
「ポペ、おいで」
そう呼ばれて、お母さんの寝てる横に寄り添ったんだ。
久しぶりのお母さん。嬉しくて嬉しくてクンクンしてた時…
クゥちゃんが、初めて動いたんだ。ボクは凄くびっくりした。

「ポペ、いま動いたね」

ワフッ（うんうん。ぐにゃって動いた）

「初めて動いたの。ポペの事が好きなのかな？」

クゥーン（えっ？ぐにゃりが？）

「ポペ兄ちゃん好きよって。言ってるんだね」


お母さんにそう言われて、なんだか温かい気持ちになって‥
ボクは、すっかりグニャリが好きになったんだ。

お母さんがお昼寝する時、ボクはお母さんのお腹にそっと寄り添う。
するとね、グニャリがグニュグニュ動くんだ。
お父さんが、お腹に触っても動かないのに。


「うふふっ。やっぱりポペが好きみたいね。お母さん達と一緒ね」

グニャリに、お母さんとお父さんを取られた気持ちになってたのが恥ずかしくなっちゃうくらい、お母さんが優しくボクを撫でながら、言ったんだ。

アフッ　アフッ（ボク、嬉しいよ）

「ポペ、豆ちゃんのいいお兄ちゃんになってあげてね」

ワフッ（うん、わかった）

ボクは、お母さんと約束した。
グニャリのいいお兄ちゃんになるって。


グニャリの名前は、クゥちゃん
クゥーちゃんは、生まれたときからボクと一緒だ。

だって、ボクはクゥちゃんのナイトで従者だもん。
でも、ボクにはライバルがいる。

それが、ニックキ　シュウにぃだ。
だってね、ボクのが、ずぅーーっと、ずぅーーーっと、クゥちゃんと一緒にいるのに
クゥちゃんの一番は「俺だ」って言うんだよ？そんなのひどいよね。

ボクがクゥちゃんの一番なのに‥
それに‥シュウにぃは、ボクからクゥちゃんをすぐに取っちゃうんだよ。

だから、ボクは決めたんだ。
クゥちゃんには、ボクのお眼鏡に適った相手を見つけようって。


ボクは、クゥちゃんと〝冒険〟に出ることに決めた。
ニックキ　シュウにぃがいない時にね。

冒険の先で見つけたのが‥ボクと同じ色の瞳をもった少年ルイだった。
コイツなら、ボクの大事なクゥちゃんをくれてやるって思ったんだ。


だって、ボクと同じビー玉色の瞳だったから。

ボクがいなくなっても、寂しくないでしょ？
それに‥ボクを思い出してくれるでしょ？

だって‥ボクは、クゥちゃんを残してお空に行かなくっちゃいけないんだもん。

クゥちゃん、ボクがいなくなっても悲しがらないで。泣かないで
ボクは、見えなくなっちゃうだけで、クゥちゃんの傍にいるからね。

ボクとの楽しい思い出をいっぱいいっぱい憶えておいて。
悲しい想いでじゃなくて、お別れの想いでじゃなくって、
楽しい事をいっぱいいっぱい憶えておいて。
お昼寝一緒にした事、水浴びした事、冒険した事、いっぱいいっぱい憶えておいて


同じ瞳の色だから。ボクを思い出すためにルイを選んだ
ううん本当は違う。
ルイだったらクゥちゃんを幸せにしてくれるって思ったから、ボクはルイを選んだ。

だって、コイツ、
お昼寝好きみたいだし、
それに‥おにぎりくれたしね。



クゥちゃん、ビー玉色の瞳のルイと幸せになってね
ルイの瞳を見て、幸せな気持ちになってね。
幸せな時、ボクを思い出して。

クゥちゃん、クゥちゃん、クゥちゃん、
ちょっとだけ、ちょっとだけ　バイバイ。



ルイ、クゥちゃんを頼んだからね。













♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥






ゾロ目記念に♪　いつか書きたいと思っていた　ポペのお話を。