開かずの扉 〜アゲハ蝶 総つくver〜 by haruwo さま

テレビの中を一羽のアゲハ蝶が飛んでいる
もの哀しげなメロディともに…
ひらり、ひらりと、男子禁制の女の園を


「ふふっ……政略結婚、愛されない御台所にたくさんの側室、お世継ぎ争いに嫁姑争いかぁ…400年前から変わんないんだね」


ふと、愛しいあなたを思い出す


「この中にいても違和感ゼロだわ…平成の光源氏っていうより、上様がピッタリだね？」


サングリアを飲みながら、みんなにいつも笑われる大きな独り言をあたしは言う
半分楽しそうに、半分哀しそうに笑いながら


「あたしは身分が低いから、せいぜい御半下ってとこかな？御台所はおろか、側室にもなれないか………」


でも………あたしはきつく瞳を閉じる


…………どうしてこんなことになってしまったんだろう

あの夏の日、あたしはあなたの瞳に漆黒の闇を見つけてしまった

魑魅魍魎蠢めく世界をひらひらと飛ぶ、あのアゲハ蝶はあなただ

偽りの蜜を求め、今日も禁断の花園を華麗に飛びまわる

抱きしめてあげたい…………
不意にそう思ってしまった

囚われてしまった………
あなたの漆黒の瞳からもう逃げられない

初めて知った………
恋ってするものじゃなく、落ちるものなんだ

あたしはあなたの親友の婚約者なのに………



でも、もう駄目なんだ

好き………
あたしの頭をぽんぽんと優しく叩くその手が

好き………
あたしの名前を呼ぶ少し低いその声が

好き………
お抹茶と白檀の混じったあなたのその香りが

もうどうしようもなく好きなんだ、あたし





男子禁制の開かずの扉に付けられた、たくさんの大きな鈴

シャリーン、シャリーン………

その音が鳴り響くのは、そこに立ち入りことを許された、たった一人の男が来た合図

シャリーン、シャリーン………

あたしの中の開かずの扉は開いてしまった




あたしが守ってあげる

あたしが癒してあげる

あたしの全部をあげる

だから………




あたしはサングリアを一口飲んで、スマホを手に取りタップする

RRR…………

「もしもし、あたし………牧野です」





～fin～









♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥

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ドキドキです。開かずの扉‥開けたら？何が待ってる？
うわっ、この続きが気になる気になる。
くぅーーーーーーーーー　haruwoさーん　お願い♪

妄想の塊になってしまうぜよぉーです。

asu