蝶と薔薇と 〜アゲハ蝶 あきらver〜 by haruwo さま

「美作さ～ん、早く、早く～～♪」



夏の終わり、蝶柄の浴衣姿の牧野が俺を呼ぶ

双子の妹たちと揃いの浴衣を着て、家の庭で花火を楽しんでいる

薔薇の咲き誇る家の庭を、妹たちとはしゃぎながらちょこまかと動く姿は、牧野が蝶のようだ

漆黒の髪に花火が反射して、まるでアゲハ蝶がひらり、ひらりと飛んでいるようで、何だか胸が苦しくなる



「そんなにはしゃいでると転ぶぞ？ヤケドでもしたらどうするんだ？」

牧野が望む、優しくて心配性なお兄ちゃまを今夜も演じる



この夏、また牧野は綺麗になった
知り合ってから4年、俺だってずっと牧野を見てきたんだ
いやでもわかるよ………その理由もな


俺、知ってるよ
………この４年、牧野が淋しかったこと

俺、知ってるよ
………司から心が離れていったこと

俺、知ってるよ
………その理由が総二郎だってこと



知りたかねぇよ、こんなこと
司も総二郎も俺の親友
牧野は俺の好きな女
こんなシナリオ、誰が書いたんだよ………

でも何より痛いのは、俺がその舞台に上がれないこと
俺に与えられた役は、舞台の袖からそっと見守る「優しいお兄ちゃま」だ


仕方ないからやってやるよ
見届けてやるよ、どんな結果になっても
疲れたら羽を休めに来たらいいさ、この薔薇の咲き誇る庭に………俺のところに
俺が望むのはただひとつ
お前の幸せだけだから………



「美作さんも一緒に線香花火しよ？
誰が一番最後まで灯していられるか競争ね」

「「わぁ～～楽しそう♪お兄ちゃま、やりましょう、早く早く～～」」

「勝ったら何かご褒美はないのか？」

「いいよ～あたし自信あるもんね～あたしが勝ったら、美作さんに何か美味しいゴハン奢ってもらおうっと」

「「つくしお姉さま、ずるいですわ～」」

「こらこら、まだやってないだろ？牧野が勝つとは限らないんだし」

「美作さんはご褒美何がいいの？」

俺のご褒美は………



～fin～








♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥ 　

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くぅーーー　あきらいい男だなぁー
見届けちゃうのね。

疲れたらいつも寄り添えるオアシスなんてだけじゃなくて
なんなら、なんなら参戦してみない？
しないのが‥あきら‥わかってるけど‥知っているけど

くぅっーーー　切ないっす。


うーーーん haruwoさーん　やっぱりやっぱり続き切望！

asu