ケサランパサラン 02 司つく
このドアを開けた先には‥‥大体想像はつく。
っん?そりゃぁつくよ。
あいつと何年付き合ったと思ってるの?
付き合いの長さって言うよりも‥‥
あいつは、あたしの青春そのものだったんだから。
あはっ、そりゃぁ唄の歌詞だ。
人間、切羽詰まると変な事しか考えないって事にあたしは、今更ながら気が付いた。
それにしても‥‥今更、何の用だ?
「コホンッ」
係長が態とらしく咳なんてしながら
「なあ、牧野、お前もうちょっとだな‥こうなんだ、緊張感とか持てないのか?」
いやいや、持ってるっつーの。この緊張感伝わらないかなぁー?
係長がいまいちパッとしないのは‥女心を機敏に感じないこの鈍感さのせいじゃないの?とばかりに、ジロッと見れば目が合って‥‥‥
「なぁ、牧野‥頼むから悪口の時は、心の中だけで言ってくれ」
「えっ、い、い、今は声出てない筈です」
「あぁ、声はな。全身で物語ってるんだよ。って、やっぱり悪口言ってんじゃないか」
「いやぁー、係長もお人が悪い‥‥あははっ」
「コホンッ」
係長が真剣な表情に戻り、ドアを叩く。
コンコンッ ドアが開かれる。
目の前には、案の定と言うか、やっぱりと言うか、久しぶりに会う道明寺がいる。
剣崎社長‥‥入社式以来だ。入社式って言っても、遠くからチラッと見たくらいだけどね。へぇーっ、こんな顔してんだ。前から思ってたんだけど、やっぱりちょっとラクダ似てる?
うん。ラクダに似てるよね。剣崎龍之介なん素敵な名前なんだけど‥ぷぷっ、本人ラクダ顔って。
はっ、またあたし‥余計な事ばかり考えている。
気持ち係長の眉間に皺が寄っているように感じるのは、気のせいよね?
ウンウン。気のせい気のせいなんて頷きながら、係長を見上げたら、くれぐれも余計な事はするな、言うなと懇願する瞳だった。
粗相のないように任せとけ!と言いたい所だが相手は道明寺だ。
うーん。どうなるか皆目見当もつかない。
「牧野さん、君、道明寺社長と学生時代の友達なんだってね?」
「あっ、はい」
道明寺が愉快気にあたしを見て
「牧野久しぶりだな」
なんて、爽やかに白い歯を見せて笑ってやがる。
久しぶりだな? 全くもって久しぶりだ。今更なんのようだ。このおたんこ茄子め。
「‥‥‥」
黙り込むあたしに係長が
「感激で声も出ないと言う所ですかね?あははっ」
係長、ナイスフォローと言いたい所だが、感激なんて一ミリもない。
「そりゃ、こんなに素敵な学生時代の友人に会ったら。うん。そりゃそうだ」
ラクダが笑う。あっ、間違えた社長が笑う。でも何だかムカつくからラクダでいいや。で、ラクダの愛想笑いになんだかムカついて‥
首を傾げながら
「‥‥はぁ‥べつに、嬉しくは‥」
まで口にのせた所で、部屋の空気が固まってる事に気が付いた。
そろりそろりと後退りの準備を始める。
係長、すみません。来年お嬢さんの受験だっていうのに‥なんて思いながら。
重い空気を吹き飛ばしたのは、道明寺。
「‥ッブ、アハハッ、ホントお前変わらないよな」
愉快に楽しく笑う。
一気に場の空気が和んで行く。和まないのは、あたしの心だけだ。
なのに、なのに‥‥
「剣崎社長、今日は大変有意義な時間をありがとうございました。牧野さんを食事に誘いたいので、このままお借りしても宜しいですか?」
そんな会話が繰り広げられて‥‥ラクダも係長も断りはしない。
あたしは、慌てて
「あっ、でも‥私、午後から企画書の制作を‥」
係長が慌てて
「牧野さん、白河君がそれはやると言ってたから」
ニッコリと笑う。
ニッコリ笑ってるけど‥目が怖い。この目に睨まれちゃ、頷くしかない。
道明寺は、嬉々としながら
「では、お借りさせて頂きます」
ニッコリと笑った。
ケサランパサラン 03 0時更新予定


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
ひゃっ、SSの筈が‥す、す、すみません、
明日の司つくは、ケサランパサランで更新させて頂きます。
文中のケサランパサラン‥見た事あります?
私は、これ?ケサランパサラン?っていうのを何年か前に一度。
ケサランパサラン 謎の生物で フワフワとしてて掴まえると幸せになれるというものなんですよ。
しかも育てられるんですって。育て方は、桐の箱で白粉をあげるらしいです。
っん?そりゃぁつくよ。
あいつと何年付き合ったと思ってるの?
付き合いの長さって言うよりも‥‥
あいつは、あたしの青春そのものだったんだから。
あはっ、そりゃぁ唄の歌詞だ。
人間、切羽詰まると変な事しか考えないって事にあたしは、今更ながら気が付いた。
それにしても‥‥今更、何の用だ?
「コホンッ」
係長が態とらしく咳なんてしながら
「なあ、牧野、お前もうちょっとだな‥こうなんだ、緊張感とか持てないのか?」
いやいや、持ってるっつーの。この緊張感伝わらないかなぁー?
係長がいまいちパッとしないのは‥女心を機敏に感じないこの鈍感さのせいじゃないの?とばかりに、ジロッと見れば目が合って‥‥‥
「なぁ、牧野‥頼むから悪口の時は、心の中だけで言ってくれ」
「えっ、い、い、今は声出てない筈です」
「あぁ、声はな。全身で物語ってるんだよ。って、やっぱり悪口言ってんじゃないか」
「いやぁー、係長もお人が悪い‥‥あははっ」
「コホンッ」
係長が真剣な表情に戻り、ドアを叩く。
コンコンッ ドアが開かれる。
目の前には、案の定と言うか、やっぱりと言うか、久しぶりに会う道明寺がいる。
剣崎社長‥‥入社式以来だ。入社式って言っても、遠くからチラッと見たくらいだけどね。へぇーっ、こんな顔してんだ。前から思ってたんだけど、やっぱりちょっとラクダ似てる?
うん。ラクダに似てるよね。剣崎龍之介なん素敵な名前なんだけど‥ぷぷっ、本人ラクダ顔って。
はっ、またあたし‥余計な事ばかり考えている。
気持ち係長の眉間に皺が寄っているように感じるのは、気のせいよね?
ウンウン。気のせい気のせいなんて頷きながら、係長を見上げたら、くれぐれも余計な事はするな、言うなと懇願する瞳だった。
粗相のないように任せとけ!と言いたい所だが相手は道明寺だ。
うーん。どうなるか皆目見当もつかない。
「牧野さん、君、道明寺社長と学生時代の友達なんだってね?」
「あっ、はい」
道明寺が愉快気にあたしを見て
「牧野久しぶりだな」
なんて、爽やかに白い歯を見せて笑ってやがる。
久しぶりだな? 全くもって久しぶりだ。今更なんのようだ。このおたんこ茄子め。
「‥‥‥」
黙り込むあたしに係長が
「感激で声も出ないと言う所ですかね?あははっ」
係長、ナイスフォローと言いたい所だが、感激なんて一ミリもない。
「そりゃ、こんなに素敵な学生時代の友人に会ったら。うん。そりゃそうだ」
ラクダが笑う。あっ、間違えた社長が笑う。でも何だかムカつくからラクダでいいや。で、ラクダの愛想笑いになんだかムカついて‥
首を傾げながら
「‥‥はぁ‥べつに、嬉しくは‥」
まで口にのせた所で、部屋の空気が固まってる事に気が付いた。
そろりそろりと後退りの準備を始める。
係長、すみません。来年お嬢さんの受験だっていうのに‥なんて思いながら。
重い空気を吹き飛ばしたのは、道明寺。
「‥ッブ、アハハッ、ホントお前変わらないよな」
愉快に楽しく笑う。
一気に場の空気が和んで行く。和まないのは、あたしの心だけだ。
なのに、なのに‥‥
「剣崎社長、今日は大変有意義な時間をありがとうございました。牧野さんを食事に誘いたいので、このままお借りしても宜しいですか?」
そんな会話が繰り広げられて‥‥ラクダも係長も断りはしない。
あたしは、慌てて
「あっ、でも‥私、午後から企画書の制作を‥」
係長が慌てて
「牧野さん、白河君がそれはやると言ってたから」
ニッコリと笑う。
ニッコリ笑ってるけど‥目が怖い。この目に睨まれちゃ、頷くしかない。
道明寺は、嬉々としながら
「では、お借りさせて頂きます」
ニッコリと笑った。
ケサランパサラン 03 0時更新予定


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
ひゃっ、SSの筈が‥す、す、すみません、
明日の司つくは、ケサランパサランで更新させて頂きます。
文中のケサランパサラン‥見た事あります?
私は、これ?ケサランパサラン?っていうのを何年か前に一度。
ケサランパサラン 謎の生物で フワフワとしてて掴まえると幸せになれるというものなんですよ。
しかも育てられるんですって。育て方は、桐の箱で白粉をあげるらしいです。
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