スカートの中 03 類つく
見上げた先に立っていたのは、セレブ御用達のリゾートマンション。
「お帰りなさいませ」
躾の行き届いたコンシェルジュが声をかけてくる。
流石‥花沢だなぁーーなんて感心するけど、ここであと半月暮らすなんてもってのほかだ。
類、早く帰れーーーーなんて心の中で悪態を吐いた。
瞬間‥クルッと類がこちらを振り向いた。
「つくしがきちんと帰ってきたかどうか‥ちゃんと連絡が来るようになってるからね」
ね‥‥じゃない。ねじゃ。
「あははっ、信用されてない?」
「くくくっ、どこに信用出来る実績があるの?」
シレェッーーーと辛辣な事を言って来る。
「まぁさ、母さん達に伝えなかっただけでも有り難く思ってよ」
そりゃそうだけど‥‥‥なんて思ってる間に部屋に着いていた。
色とりどりの花と、湯気を立てている美味しそうな料理に迎え入れられる。
ぐぅっーーーー
なんともまぁ、正直にあたしのお腹は鳴り出していた。
類が嬉しそうに微笑んで
「手、洗っておいで」
お子ちゃまじゃないんだから!
なんて反論する前に、お腹の虫を押さえるために手を洗いテーブルに着く。
「うわっ、うわっ、美味しいぃーー ねっ、ねっ美味しいよ。類は、食べないの?」
「っん?先ずは、つくしを堪能中」
グワッ 痒い、痒いったらありゃしない。
なんともまぁー 甘ったるい事を言ってきて全身が痒くなる。
堪能するだけじゃぁ、お腹は膨れないっつーの。
「あははっ、類‥‥座布団3枚」
「‥‥大判振る舞いだね」
お坊ちゃまの癖して類は、世俗に聡い。
何故かって?
答えは簡潔明瞭だ。類がテレビ小僧だから。
どれくらいテレビ小僧かって?
お笑い系は網羅してるんじゃないの?ってくらいだ。
なのに、学業成績はトップクラスだった。
そして今は、花沢のやり手専務だ。で、この容姿。
「ケッ」
思わず、出ちゃった心の声。
「っん?」
「ケッ、ケッ、ケッホン、ケホン‥あぁー喉の調子が悪いのかなぁ〜 ははっはは」
「ふ〜ん。俺は、てっきりまた俺の悪口でも考えてるのかと思ったけどね」
なんて鋭い事を言いながら、優雅にパンをちぎって口に入れている。
同じものを食べてると思えないくらい優雅な手つきだ。
ハッ イケナイ。イケナイ。見惚れちゃイケナイ。
「いま、俺見てウットリした?」
ホラッ、嬉しそうに意地悪く聞いて来る。
見つめちゃダメダメ。この瞳に、この容貌に、あたしは滅法弱い。
テーブルの下、類の足先が伸びてスカートの中を弄ぶ。
優雅にパンをつまみながら。
「ちょっ、ちょっと‥」
「っん?」
小首を傾げながら、あたしを見つめて‥‥
ダメダメ‥あたし、この後、まだまだやる事いっぱいなんだから。
ガタンッ
「ご、ご、ご馳走様でした」
慌てて立ち上がれば、クスクスと笑い出す。
くぅっーーーー このエロ悪魔!
全くもって頂けない。
そりゃぁ、あたし‥‥逃避行するってーの。
ご協力お願い致します♪


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