明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ciel  類つく 02

「ここって‥‥」
「うん。シェルと出会った別荘‥嫌だった?」

あたしは、慌てて首を振る。湖に行きたいと行ったのは自分だもの。
ただ、黒い魔の手があたしを引き寄せているような気がして‥ここは、怖い。

頭が痛くなって、ブルッと身体が震える。

「寒い?大丈夫?風邪ひいたら大変だから上を羽織って」
綺麗な瞳でニッコリと笑いながら、あたしの肩にカーディガンを羽織らせる。

この目が好き。
この声が好き。
この手が好き


ううん。類の全てが好き。

わかってる。
記憶の全てを無くした惨めな女の子を放っておけなくて、優しくしてくれてるだけだって事。

時折、抱きしめてくれるけど、時折、優しい口づけをくれるけど、それ以上に進まないのが‥‥その証拠だよね?

好き合った男と女は、抱き合うのが普通だと、この前来てた女の人が、そう教えてくれた。
「類は、慈善事業が好きだから。うふふっ。でも勘違いしちゃダメよ。記憶のない女なんてキモチが悪くて誰も本気で愛さないわ」

綺麗で意地悪な人だった。
何も言い返せずに、あんな女性ならきっと類にお似合いなんだろう。そう思った自分が哀しかった。


「ニャァー」
バスケットの中のソラが鳴いている。

「ごめん、ごめん。ソラも出たかったよな」

類がそう言いながら蓋を開ければ、ソラがピョコンと顔を出す。
あたしは、ソラを抱き上げて口づけを落とす。
ソラ、あたしとあんたは一緒だよ。類に拾われた仲間だよって。

「シェル、このまま行く?」

返事の変わりにグゥッーーとお腹がなって、類が笑う。

「姫のお腹は、食事を所望されてますな」

あたしのお腹は、あたしを裏切る。
全くもって、ナンセンスなお腹だ。

頭の痛みが晴れて行く。

類が心配するから内緒だけど、あの女の人が来た翌日から時折あたしの頭は痛み出す。



* **
「うわっ、綺麗」
目の前のシェルが嬉しそうに笑う。
やっぱり連れて来て上げて良かった。
ここ数週間、気が付けば、哀しい色を浮かばせていた、シェルの瞳が、ただ一つの曇りも無く輝いている。

繋いでいた手を振りほどき、シェルがいきなり駆け出す。
『行かないで‥‥』
そう声を掛けようとした瞬間‥‥

俺は、目を覚ます。

ベッドの横には、シェルはもう居ない。

突然現れたシェルは、湖を見に行った翌日‥‥ちょっと目を離した隙にまた突然に姿を消してしまったんだ。

俺の哀しみを知ってか知らずか、ソラが俺の隣に寄り添う。
まるで‥‥元気出せよ。そう言うように。

ソラを抱き上げ、口づけを落とす。
シェルが良くしていたように。

何度も何度も後悔した。あの場所で目を離してしまった事を。
いいや、あの場所に連れて行った事を。

「シェル‥」
愛しい君の名を呼ぶ。

「シェル、シェル、シェル‥‥」

天に帰ってしまった愛しい君の名を。


「ニャァー」
ソラが鳴いている。俺の代わりに。




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6 Comments

asuhana  

ぐみありさま

どこにいちゃったんでしょうね?
で、いつ帰ってくるんでしょうね?

2016/09/16 (Fri) 11:49 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

yukikoさま

シェルは、羽衣を身に纏ってしまったのでしょうか?
どうなんでしょうかね?

2016/09/16 (Fri) 11:13 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

ノエノエさま

うふふっ 類、決めてるようで決めてない?ww
むふふっ

つくしは、なぜ戻らない?

2016/09/16 (Fri) 11:10 | EDIT | REPLY |   

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2016/09/16 (Fri) 09:26 | EDIT | REPLY |   

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2016/09/15 (Thu) 14:48 | EDIT | REPLY |   

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2016/09/15 (Thu) 12:26 | EDIT | REPLY |   

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