ciel 類つく 06
抱きかかえ、部屋に運び込む俺の顔は顔面蒼白だったようで‥‥屋敷のものが心配げに俺を見つめた後、何も言わないのに、医師が呼ばれた。
「詳しい検査は、また後日してみないと何とも言えませんが、他に異常は見受けられませんので、もう少しで目を覚まされるかと思います」
医師の言葉に安堵する。医師が告げた通り‥‥1時間ほどでつくしが目を覚ます。
「つくしちゃん?つくしちゃん大丈夫?」
そう声をかえれば
「類‥‥」
花沢さんとではなく、俺の名を呼ぶ。
瞳を見つめれば、シェルの眼差しがそこにはあった。
「シェル‥‥」
彼女の名を呼び、強く強く抱きしめていた。
歯止めの利かなくなった俺の身体は、シェルを、いいやつくしを求める。
熱く熱くつくしを求める。
全てが愛おしい。
この目
この声
この身体
つくしの全てが愛おしい。
押さえていた思いが、一気に溢れ出す。熱い口づけを落とす。
俺の中の思いは、止まらない。
彼女の全てに口づけを落とす。
つくしの中の女がゆっくりとゆっくりと開花していく。
可愛らしい声が聞こえて、俺の自制心は吹っ飛んでいた。
欲望に身を任せてつくしを貫いた瞬間‥‥つくしが泣き出した。
慌てて
「ごめん‥‥痛いよね?もう止める?」
そう問えば‥
「違うの‥‥嬉しいの。類と一緒になれて。お願いこのまま続けて‥類も気持ちよくなって」
そう言って俺にしがみつく。
つくしが可愛くて可愛くて堪らない。
一生離しはしない。いいや、離れはしない。
リズムを刻み、全ての思いでつくしを包みこみ俺を刻む。
一つになれた幸せが、俺を、いいや俺等を包み込む。
* **
ローズマリーと色とりどりの花で作られたブーケを持って
花嫁がヴァージンロードを歩いて来る。
にこやかに微笑みながら。一歩一歩近づいて来る。
皆に祝福されて、幸せな一日が過ぎていく。
「類~、類~、おはよう、起きて。ねぇ起きて」
つくしの声で、長い長い夢から目が覚めていく。
「あぁ、おはよう」
「おはよう 寝坊助さん」
大きな笑顔で天使が笑う。
柔らかな光と共に幸せに包まれる。
「っん?どうしたの?」
「ふふっ、つくしを好きだなって思ってね」
つくしは、照れ笑いを一つ浮かべたあとに
「あたしも類が大好き」
「あっ、じゅるいーーーー マリーもいっしょ いっしょ」
ローズマリーが小さな花をつけた日に生まれた小さな天使がソラと一緒に俺等目掛けて駆けて来る。
俺は、幸せを力一杯抱きとめる。
ローズマリーの緑が庭を彩り、芳しい薫りが風に漂う。
まるで、花沢家の幸せを見守るように。
fin
ローズマリーの花言葉
記憶、思い出、あなたは私を蘇らせる、私を思って、静かな力強さ、変わらぬ愛‥‥
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♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
最後迄お付き合いありがとうございます♡
kさまから、強奪(笑)したリクエスト。
つくしが記憶喪失で、実はお嬢様で最後はハピエン。
珍しく?きちんと類つくになってるかな?
きっとなってる筈だとw願いをこめて。
ここで題材にしたローズマリー‥
すごい強いハーブで、なんの世話もしないのに、うちの小ちゃな庭でも紫の小さな花を咲かせて芳しい薫りを放ってます。料理に使っても美味しい、気分を溌剌とする薫りでもあるのでお勧めです。
ちなみに、我が家のニコちゃん(鳥)も大好物です♪
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