明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ヘラクレスノット 後編 あきつく

Vネックワンピースの胸元に、俺の渡したネックレスをつけて出てきた牧野。
鎖骨が色っぽくて思わず、抱きしめそうになった俺。
いかん、いかん こんな朝っぱらから中学生じゃあるまいし‥…

「牧野、おはよう」
「美作さん、おはようー トトロ楽しみだね♡」
明るく笑う牧野。

約束した時間にはまだ少し早いので、二人で川端夫妻に渡す花束を選ぶ。
2人で選んだのは、ライラックピンクのストックとバラを組み合わせた花束。

「莉子さんの雰囲気によく合うよね♪」
「だなぁー」

後部座席に、花束を置き、待ち合わせ場所に行く。

「莉子さーん」
「つくしちゃーん」
旧知の仲のように、仲睦まじい2人。
そんな2人を嬉しそうに眺める男が2人。

大人4人でトトロのシュークリームを買いに行く。

「うわっ 可愛い」
「トトロだぁー」
嬉しそうに、ショーケースを覗いている。
店先に可愛いクッキーが並んでいるのを見つけ、2人でワーワーキャーキャー騒いでいる。
川端社長と目が合い,外で2人を待つ事にした。

「美作専務は、牧野さんの事がお好きですよね?」
直球ストレートな川端社長‥…
「あっ、‥…はい。」
嬉しそうに心底嬉しそうに
「やっぱり、そうでしたかー。まぁ目を見れば誰でもわかるかな?」
「あっ、はい。」
「で、牧野さんは美作専務の気持ちには気づいていない。」
「あぁーはい」
可笑しそうに笑いながら
「莉子と一緒ですねーー。雰囲気が似るとそんな所まで似るんですかね?」
「はぁーそうなんですかね」
「美作専務は、牧野さんに告白はしないのですか?」
「‥…」
「今のままの関係が心地良いのかな?でもね、美作専務、告白は是非ご自分からする事をお勧めしますよ」
何故か自嘲君に笑みを浮かべる川端社長

2人が大きな袋を抱え、店を出てくる。

「莉子 そんなに沢山どうしたのですか?」
「あんまりにも可愛いからお邸の皆さんにお土産」
「そうでしたか。みんな喜びますよ。」

「牧野、もしかしたら俺んちの分か?」
こいつは、街で美味いもんを見つけると、親父やお袋、双子達の分だけではなく、使用人の分まで買って持たせてくれる。
「えへへっ。あんまりにも可愛いんだもん。ついついね。美作さん荷物になっちゃうけど持ってかえってね」
「あぁ、いつもありがとう。皆喜ぶよ」

こいつは、親父やお袋、双子達にはもちろんの事、使用人達からも絶大な人気がある。土産のせいか?いいや土産なんていやってほど貰ってるし、お袋も作るから、三時のおやつに事欠く事はないだろう‥…

牧野の土産には心がこもってるからと、女中頭の多喜は、「牧野様のお土産は必ず仏様にお供えしてから頂くんです。」なんて話しを執事の大浦としていた。それをこっそり聞いてしまった時は心底驚いた。

親父もお袋も双子さえも俺を急かしているのを知ってるか?
親父は、「あきら、仕事でも女性でも決める時決めない男は大成しないぞ。」俺、仕事はそれなりに成果あげてるぞ。
お袋なんて、「あきら君の今までの女遊びは、何の役にもたってないのね~。はあーっ 残念な男って感じかしらね」なんて、嫌み満載だわ‥…
双子達は、「わたくし達は、つくしお姉様しか認めませんからね。つくしお姉様じゃなかったらお兄様は一生結婚しなくていいですから。」俺,牧野じゃなきゃ結婚出来ないらしいぞ。

「莉子さーん これ本当に美味しいです。」
「でしょ。でしょ。川端の両親も大好きなのよぉ♪」
「莉子の作る料理なら、なんでも僕の両親はべた褒めですよ。」
「うん。本当にありがたいことよね。私は本当に幸せ者よね。お父様とお母様に感謝だわぁー」
「アレ?僕には?」
「うーん 透さんはねぇー うふふっ」
「はい。はい。っと‥…僕は3人にコーヒーでもお淹れしましょうかね。」

いそいそと、去って行く川端社長‥…

「うふふっ。透さんが急に旗色悪くなったのはね。うふふっ つくしちゃん達にはこっそり教えるわね」

莉子さんが話し始めた内容は、
「私ね、小さな時から、ずっーーーと、透さんが大好きだったの。初恋も透さんなのよ。透さんすっごくモテててね。私の事なんて眼中ないって感じだったかしら」
「でもね、透さんも本当はずっと私の事好いてくれていたの。恋の猛者の筈なのに、うふふっ私の気持ちにはちっとも気付いてくれなくてね‥」

「私の気持ちが破裂してもういっぱいいっぱいになった時にね、川端の両親の助けを借りて、私達お見合いしたのよ。」
どこか懐かしげに話す莉子さん
「私ね、透さんを手に入れるためなら何でもしようと決心したの。だって、私ね透さんが大好きだったんですもの。でもよく考えると嫌な女よね~」
可愛らしく笑う莉子さん。

「トントン拍子に結婚が決まったの。そうしたらね、今度は哀しくて哀しくて仕方なくなったの」
その当時を思い出したのか、目の端にキラッと光る雫が‥…

「あぁー私は、透さんの人生を政略結婚という鎖で縛ってしまったんだなーと思ったら、哀しくて哀しくて。そうしたらお邸から一歩も出れなくなってしまったの。」
「お邸から出れなくなって、半月程経った頃かな?ある朝起きたら急にね、あぁー透さんを自由にしてあげよう。って思えたの。大好きだから鎖に繋いだ人生なんて送らせちゃいけないって。」
「正式に両親からお断りの連絡を入れて貰ったらね、川端のお父様、お母様が泣くわ、うちの両親も号泣するわで大変だったの。でもその時ね、私幸せものなんだなぁーって、心底思えたの。私の事を思って泣いて下さる人がいるなんてね。」

「正式にお断り入れさせて貰ったあとに、初めて透さんから 「ずっと好きだった。これかもずっと好きだ。結婚して下さい。」って、言われたのよ。」

「うふふっ、両方の両親とももの凄く怒ってね、「娘はやらん」 って父は言うし、川端の父なんて、「お前は勘当だーっ」て怒鳴るわ 大変だったのよ。でもね、透さん毎日毎日、邸にやって来てね、「莉子好きだ。ずっと一緒にいてくれ」って言ってくれたの。」
「透さん、この一件以来、私にも両方の両親にも頭が上がらないの。うふふっ」
「今日ね、持って来て下さったストックの花束‥…懐かしかったぁーー 透さんが毎日持って来てくれたお花なの。」

そうかぁー 自分で先に言えっていうのはこういう事か。
ポケットの中に入っている小さな小さなリングをギュッと握りしめて
ココが何処とか、他に誰かが居るかななんて忘れて

「牧野、好きだ。結婚してくれ」
ここ最近出した事のないような大声で叫んでいた。

目の前には‥…大きな瞳を涙いっぱいに溜めて頷く牧野がいた。


あの時渡したヘラクレスノットの指輪がつくしの指で輝いている。

あの時貰ったヘラクレスノットのカフスは、俺の勝負カフスだ。ここ一番の時は必ずこれを嵌める。


透さんと莉子さんとは、あの後も親しくしてもらっている。
2人の家にあのあと舞い降りた天使と、僕等の天使は 同い年だ。

つくしと莉子さんはママ友になって、今でもワイワイキャーキャー仲良しだ。
俺と透さんは、やっぱり2人で愛しいものを眺めては、目が合い笑い合っている。

ヘラクレスノット‥‥ 絆は永遠に‥…




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4 Comments

asuhana  

Re: こんにちは(о´∀`о)ノ

yukikoさま
こんにちは♡ お忙しい中コメントありがとうございます。
もうね、読んで頂けるだけで感謝感謝ですよ。
うふっ、私のが3つ上です。うちはおバカな息子が1人。日中コンビニパートしております。
不惑の40代(まぁあたしは迷ってばかりですが)、でも人生色々な世代ですよね。
年末年始益々忙しいでしょうから、お身体壊さないようになさって下さいね。


あっ、莉子さん表記間違ってますねー 直して来よう。ありがとうございます♡
実は、マックとウィンの2台のどっちも使いながらなので、出てくるのが違ったりするんですよねー

莉子さんの事書いてて、実は私涙ぐんじゃいました(^^;)
莉子さーん って。
なので、もうグズグズさせておけなくて‥…その場でプロポーズしてもらいました(爆)

ヘタレ‥…まさしくですよねー 本当にじれったいあきら君です。
曇天でも相変わらず焦れ焦れですし(^^;)
たまには、グイグイあきら君に登場してもらう? 
書いてるうちに焦れ焦れになってくるんですよね、はぁっー

コメント無理なさらない範囲でたまーにお声聞かせて下さいね♡

2015/12/09 (Wed) 15:04 | EDIT | REPLY |   

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2015/12/09 (Wed) 14:16 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re: 愛の絆

凛々様
無事に辿り着けて私も安心しました(笑)
1話で纏めようと思ったら、あきらくん 焦れったいんだもん
焦れったい度ナンバー1ですよね〜

東と西で、場所は違えど、同じような所にお住みなんですね〜♪
ってか、私類くんと一緒で運転は出来ません。

そうそう、小っこいシリーズCP別のクリスマス どこのCPが宜しいですか?

2015/12/09 (Wed) 14:04 | EDIT | REPLY |   

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2015/12/09 (Wed) 12:26 | EDIT | REPLY |   

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