バカ言ってるんじゃない 30 司つく
俺の腕の中の小っちぇ女は
「ちょ、ちょ、ちょっと、離して離して」
ガンガンに叫んで‥‥俺の向こう脛を蹴り上げた。
「イテッ、った、お前何すんだ」
「い、痛くて当たり前だ。このおたんこなす」
「はぁーーーー?おたんこなすだと、俺は茄子じゃねぇ、道明寺司だ」
「俺は、道明寺司って、そんなの見れば解るでしょ?あんたやっぱりバカ?」
「バカ言ってんじゃない!バカはお前だお前」
「はぁっーーーーーー?何言ってんの?結婚だとか、やれなんだとか、ワケわからない事言い出したと思ったら、今度はあたしをバカ呼ばわり?バカ言ってるんじゃないは、あんただ、あんた!」
「ストップ、ストップ、ストップ!」
百瀬夫妻が2人で俺等に “マッタ” をかける。
結花さんが
「つくしちゃん、ちょっと落ち着きましょう。ねっ」
全くもってブラボーな事を牧野に伝えてる。
ニヤリと笑えば‥‥『ガルゥルゥルゥルゥー』と聞こえてきそうな牧野と目が合う。
俺は、慌てて目を反らす。
親父とお袋を見れば‥‥見れば?‥って、声を出して笑ってる。
「くくくっ、アハアハハハッ」
「プププッ、うふふっふふ」
笑って笑って、俺等がドン引きする程に笑って、挙げ句の果てに2人で目を見合わせもう一度笑ってから
「牧野さん、辞職願いは却下だから。クククッ」
「えぇ、却下よ却下。ぷっ、失礼‥ぷっプププっ」
牧野に告げている。
何か解らないが、牧野は辞めるのを止めることになった。
結果オーライ? いやいやいや、全くもって結果オーライじゃない。
俺と牧野の話は、終わっちゃーいない。
終わっちゃいないが‥‥牧野は、唖然呆然となりながら
「でも‥私、ご子息の事‥‥ご子息の事‥」
ゴクリッ‥‥俺は、息を呑み次の言葉を待つ。
ご子息の事なんだ?
なぁ、なんだ?
ワクワクしながら、ドキドキしながら次の言葉を待つ。
待つ。
待つ。
なのに一向に、次の言葉は発せられない。
でもって、挙げ句の果てに俺に向き直り
「ハァッーーーー」
と盛大に溜め息を吐いた。
何故に溜め息? 親父もお袋も、百瀬夫妻も同じ事を思ったのか、またしても笑い声が満ち溢れて行く。
笑いの渦に巻き込まれて、色々な事が何だかどうでもよくなっちまって、終いには俺も皆と一緒に笑ってた。
一頻り笑った後
「牧野、お前が好きだ。俺と結婚しろ」
ストレートに口に出した。
また、バカ言ってるんじゃないかと、怒られるか?
牧野の答えを待って、身構えてみれば
牧野が、牧野が、ボロボロとボロボロと涙を流す。
バカって言われるよりも、ズキズキと心が痛む。でも俺は押し進む。
「牧野、もう一度言う。お前が好きだ。俺と結婚しろ」
「ふぇーーーんーーヒックヒック、ふっぇふえぇふぇーーーん」
子供のように泣きじゃくる。
「そんなに嫌か?」
そう聞けば、一瞬の間があって‥俺が心底ビビったあとに、大きく首を横に振りながら
「ヒック、すぅんーーー嫌じゃない」
俺は、牧野を抱きしめて
「じゃぁ、俺の嫁になれ。ならないとこの手は腕はお前を離さないからな」
「えっ、えっ‥?」
ギュッと抱きしめて小さく囁く
「お袋達がいんぞ」
恥ずかしくて、腕の中から必死こいて逃げ出したい牧野は、頷いた。
「それはYESの頷きか?」
そう聞けば、首を縦にふり
「うん。うん。だから手離して。ねっ」
俺が周りを見回せば、4人が証言者だとばかりに微笑んだ。
俺は、ゆっくりと手を緩めた。
でもなぁ、牧野、お前はもう逃げられないんだからな。
クククッ 証言者がいっぱいだからな
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「ちょ、ちょ、ちょっと、離して離して」
ガンガンに叫んで‥‥俺の向こう脛を蹴り上げた。
「イテッ、った、お前何すんだ」
「い、痛くて当たり前だ。このおたんこなす」
「はぁーーーー?おたんこなすだと、俺は茄子じゃねぇ、道明寺司だ」
「俺は、道明寺司って、そんなの見れば解るでしょ?あんたやっぱりバカ?」
「バカ言ってんじゃない!バカはお前だお前」
「はぁっーーーーーー?何言ってんの?結婚だとか、やれなんだとか、ワケわからない事言い出したと思ったら、今度はあたしをバカ呼ばわり?バカ言ってるんじゃないは、あんただ、あんた!」
「ストップ、ストップ、ストップ!」
百瀬夫妻が2人で俺等に “マッタ” をかける。
結花さんが
「つくしちゃん、ちょっと落ち着きましょう。ねっ」
全くもってブラボーな事を牧野に伝えてる。
ニヤリと笑えば‥‥『ガルゥルゥルゥルゥー』と聞こえてきそうな牧野と目が合う。
俺は、慌てて目を反らす。
親父とお袋を見れば‥‥見れば?‥って、声を出して笑ってる。
「くくくっ、アハアハハハッ」
「プププッ、うふふっふふ」
笑って笑って、俺等がドン引きする程に笑って、挙げ句の果てに2人で目を見合わせもう一度笑ってから
「牧野さん、辞職願いは却下だから。クククッ」
「えぇ、却下よ却下。ぷっ、失礼‥ぷっプププっ」
牧野に告げている。
何か解らないが、牧野は辞めるのを止めることになった。
結果オーライ? いやいやいや、全くもって結果オーライじゃない。
俺と牧野の話は、終わっちゃーいない。
終わっちゃいないが‥‥牧野は、唖然呆然となりながら
「でも‥私、ご子息の事‥‥ご子息の事‥」
ゴクリッ‥‥俺は、息を呑み次の言葉を待つ。
ご子息の事なんだ?
なぁ、なんだ?
ワクワクしながら、ドキドキしながら次の言葉を待つ。
待つ。
待つ。
なのに一向に、次の言葉は発せられない。
でもって、挙げ句の果てに俺に向き直り
「ハァッーーーー」
と盛大に溜め息を吐いた。
何故に溜め息? 親父もお袋も、百瀬夫妻も同じ事を思ったのか、またしても笑い声が満ち溢れて行く。
笑いの渦に巻き込まれて、色々な事が何だかどうでもよくなっちまって、終いには俺も皆と一緒に笑ってた。
一頻り笑った後
「牧野、お前が好きだ。俺と結婚しろ」
ストレートに口に出した。
また、バカ言ってるんじゃないかと、怒られるか?
牧野の答えを待って、身構えてみれば
牧野が、牧野が、ボロボロとボロボロと涙を流す。
バカって言われるよりも、ズキズキと心が痛む。でも俺は押し進む。
「牧野、もう一度言う。お前が好きだ。俺と結婚しろ」
「ふぇーーーんーーヒックヒック、ふっぇふえぇふぇーーーん」
子供のように泣きじゃくる。
「そんなに嫌か?」
そう聞けば、一瞬の間があって‥俺が心底ビビったあとに、大きく首を横に振りながら
「ヒック、すぅんーーー嫌じゃない」
俺は、牧野を抱きしめて
「じゃぁ、俺の嫁になれ。ならないとこの手は腕はお前を離さないからな」
「えっ、えっ‥?」
ギュッと抱きしめて小さく囁く
「お袋達がいんぞ」
恥ずかしくて、腕の中から必死こいて逃げ出したい牧野は、頷いた。
「それはYESの頷きか?」
そう聞けば、首を縦にふり
「うん。うん。だから手離して。ねっ」
俺が周りを見回せば、4人が証言者だとばかりに微笑んだ。
俺は、ゆっくりと手を緩めた。
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