イノセント 01 R 司つく
女が約束の時間を過ぎる事など無いのにも関わらず、男は、女が部屋に来るまでイライラと落ち着かない。
記憶をなくし、NYでの8年間__怜悧な経営者として名を轟かせ感情などどこかに置き去った筈なのに。
部屋のベルが鳴る。
女は合鍵を持っているにも関わらず、決して鍵は使わずにベルを鳴らす。
ジュッ
吸っていた煙草の火を忌々しげに灰皿に押しつけながら、女を迎え入れる。
女は、黙ったまま部屋に入り、真っ白なワンピースのファスナーを下ろす。
シュルリ
服を脱ぐ衣擦れの音がする。
白い裸体がライトの光を浴びて、美しく浮かび上がる。
「下着も取れよ」
男に言われた女は、唇を噛み締めながらブラを外す。
「下もだろうよ」
片手で胸を隠しながら女はショーツを脱いだ。
男の片頬が僅かに歪み
「顔上げて、俺の目を見ろ」
そう乱暴に声をかける。
男を見る女の瞳は、屈辱で満ち溢れている筈なのに、キッと睨む瞳があまりにも蠱惑的で目が離せなくて、憎むなら、とことん憎めと男は思う。
男の舌が、女の胸元を這い回り、乳首を舌で弄び立たせた後にカリリッと強く噛んだ。
「痛っ」
女の顔が苦痛に歪む。
この瞬間、そうまさにこの瞬間‥‥‥男は生きている事を実感するのだ。
男の手は、舌は、それぞれが別の生き物のように女の身体を堪能する。
ねっとりとじっくりと。男は、女の身体の全てを支配する。
「我慢すんな、声あげろよ」
男の声に女は何も答えはしない。ただただ無言で眉間に力を入れ、快楽を排除することに意識を集中する。
「フッ、‥‥無駄な事は辞めろ。どんなにお前が我慢しようが、お前のここは、俺を求め溢れ出してるぞ」
男の指が、1本、2本、3本と秘部を弄る。
グニュリグニュリと水音が響く__指を曲げ、つくしの弱い部分を執拗に擦り上げる。
「___ゥゥッツ__アッ、あっ、ゥッウッう‥」
必死に堪えているのに、声がこみ上げてくる。止めようとすればする程に‥‥蜜が溢れ出す。
逝きそうになる瞬間、男の指は蜜壷から抜かれる。抜かれた指先には、透明の糸がひいている。
男は、その指をつくしの口の中に捩じこみながら
「つくし、お前のここはトロトロでいやらしい牝の薫りだろ?」
耳許で囁きながら、粘液と男の指で口の中を陵辱する。
自分の愛液を舐める行為は、惨めで屈辱的なのに__
どこか倒錯的で__つくしの身体は、痺れる程に反応して滾々と蜜を溢れ出させる。
滾々と湧き出た秘部は、狂おしい程に男の熱い塊を求める。
全て承知のように、男はつくしの秘部の入り口に熱い塊を押し付ける。決して奥に挿れないで入り口をゆっくりゆっくりと、熱い塊でかき回す。
知らず知らずの内に男の身体に、腰を押し付ける。
男が勝者の笑みを浮かべながら、熱い塊を引き抜こうとすれば‥‥つくしは、より一層腰を押し付け熱い塊を自分の中に取り込もうとする。
「思う存分掻き回してやるから、欲しいなら欲しいとその口で言ってみろよ?」
幼子のように首を振るのに、つくしの身体は男のそれを逃さまいと必死で腰を押し付けている。
もがけば、もがくほど__深みに嵌っていく蟻地獄のように。
抗えば抗う程に、この男の身体に嵌っていく。
男は、動きを止め‥‥舌で乳首を転がした。
「ぅぐっ__あっ、あぁ_お願い‥お願い‥」
つくしの懇願に答えるように、子宮の奥底に向け熱い塊を挿れ掻き回し、激しくスライドさせる。
男の身体の揺れと合わせるように、腰を揺らし続ける。
襞と言う襞が男のモノを包み込む。
頭の中を白い閃光が駆け抜けて、つくしは意識を手放す。
この瞬間‥‥つくしは、無意識で男の名を叫ぶ
かつて心から愛した男の名を
「道明寺__」
男は、女を抱いているのにも関わらず、抱かれている様な不思議な感覚の中に漂いながら、つくしが逝くのにあわせて、白い精を放つ。
疲れ果てて眠る女の髪を無意識で優しく掬いながら__全身に所有の花弁を咲かせる。
一瞬‥そう一瞬だけ‥幸せに包まれて、男も目を閉じる。
普段は、イソミタール*を飲んでも中々訪れない眠りが、女の、いいや、つくしの身体を抱くことによって、何も飲まずに眠れるのだ。
司は、まだ気が付かない。
自分が、記憶があろとなかろうと_
つくしだけを愛し
欲しているということを__
イソミタール*
かなり強く依存性も身体への副作用も多いので、重度の不眠症のみに処方される睡眠薬になります。
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