スカートの中 13 類つく
「うん」
「絶対?」
「うん。絶対」
「朝ご飯もちゃんと食べるんだよ?」
「__つくしが一緒に食べてくれるなら食べるよ」
「約束出来る?」
「うん」
「つくし様、是非お願い致します」
加代がプッシュして‥‥‥
「ぅっ‥‥」
俺は、額を押さえてほんの少し声を出す。
「_類?大丈夫?」
「類様__」
「ぁっ、ぁあ‥‥なんでもないよ。大丈夫だよ」
本当に何でも無いから何でもないと伝える。
嘘は、いけないからね
「__類‥‥本当にゴメンね。全部あたしのせいだよね__」
「何言ってるの?つくしのせいじゃないよ」
「でも__でも__あの時‥‥」
「つくしを守るのは当たり前だろう?____でも、もしも、もしも一緒に居てくれる時間が増えたら、ちょっと安心かも__しれない‥か‥な‥?」
遠くを見つめて小さく呟いてから
「あっ、でも__こんな風に言ったらズルイよね。ゴメン。全部忘れて」
「__本当に、あたしが居たら安心するの?」
「うん。安心するよ」
そう言いながら、コクンと一つ頷けば
「__類のお家にご厄介になってもいいかな?」
つくしの答えを聞いて、加代が、そっと部屋を出て行った。
クククッ‥‥
心の中で俺は、ガッツポーズをとる。
「喜んでだよ___でも、それが俺に対する罪の意識や同情だったら‥‥要らないよ」
額の傷跡やらなんやらの罪の意識以外ないよね?
でも‥‥
そう思わせちゃダメなんだ。
あくまでも、あくまでも‥‥つくし本人が選んだって思わせなきゃね。
「同情なんかじゃないよ」
「__本当に?」
「うん」
「じゃぁさぁ、じゃぁさぁ、何時から来れる?」
善は急げとばかりに、しんみりムードは捨てちゃって、一気に攻める。
「そ、そ、それは、か、か、家族にも聞いてからじゃないと__」
タイミングを見計らったように、ノックの音と共に扉が開き
「__つくし様、ただ今、お電話でお父様にお伺いしましたら、本日にでも大丈夫だとおしゃっておられましたので、使いの者を出させて頂きました」
加代、ナイス!
つくしに向けて、加代と2人で微笑んだ。
「えっ、で、で、で、でも‥‥」
「勿論、いきなりではお寂しゅうございますでしょうから、ご両親と進様も暫くはこちらでお過ごしになられるように手配しております。その方があちらへお引っ越しの際も楽なようですしね」
「そ、そ、そんな‥だ、だ、ダメです。関係のない家族までお世話になれませんってば」
身体いっぱいで左右に振ってる。
じゃ、つくしは関係あるの?
ねぇっ?
ねぇ?
嬉しくなって、突っ込みたいところだけど、ここは、一先ず加代に任せる事にする。
「つくし様は、類様の生命維持装置と同じでございます。そのご家族様を関係ないとは滅相もございません」
クククッ
加代のいい分は、なんだかよく解んないけど_
関係ないなんてに、百万点だ。
「で、で、でも‥‥転勤迄、まだ2ヶ月ありますし_」
「でしたら、尚更でございます。つくし様がいらっしゃらないと類様の体調が__2ヶ月もこのままでは、加代は、加代は‥‥心配で心配で身体を壊してしまいます」
「_加代さん__」
そらっ、もう一押し
「じゃぁ、つくし、ママさんがここにいる間、俺の好きな料理をシェフに教えるっていうのはどう?」
加代がパチパチと手を叩いて‥‥‥全てが決まった。
その日から2ヶ月間、パパさんママさん進も一緒に住んだ。
この2ヶ月間は、父さん、母さんもなるべく日本で生活して、パパさん達と親交を深めた。
パパさん達を送り出す時
「お戻りになられる迄、この花沢で責任を持ちまして、つくし様をお預かりさせて頂きます」
加代が、キリッとした顔でパパさんに告げた
母さんが
「大切な大切なお嬢さん、責任をもってお預かりいたしますから、どうぞご心配なくてよ」
止めは父さんが
「変な虫がつかないように、類にきちんと見守らせますので」
つくしは、あのそのしてたけど‥‥‥
仲良し2家族は、万感の思いで抱き合って旅立っていった。
転勤先は、パパさんの実家のある所だったので__3年間の転勤予定だったのが__あれから6年‥‥向こうに行ったきりだ。
東京に来る時は、花沢の邸に泊まって貰うようにしてる。つくしが実家に帰る時は、俺も一緒に行くようにしてる。
うんっ? 誰? とんだ策士だ!なんて言う輩は‥失礼だな__俺、策士じゃないよ。
ただちょっとだけ、そう、ほんのちょっとだけ、つくしへの愛に貪欲なだけだよ。
クククッ
いいよねっ?
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